12RIVEN - the Ψcliminal of integral (PS2)
■ 短評 ■
興味深い、時間の概念におけるストーリーではあったが、エンターテイメントとしては、いまふたつと言ったところ。
■ シナリオ ■
確かに、『打越鋼太郎』テイストなのだろう。
氏は2002年、この業界にメタフィクションを担う新気鋭と現れた。新気鋭と呼ぶには語弊があるかもしれないが、登場はそうだった。
Ever17における、プレイヤー自身がキャストであった事に対する、メタファーはそれはもう衝撃的だった。
新世紀の剣乃・・・かくやという所まで昇りつめたたと思う。
その理由は、マルチサイトという点にあると思うのだが・・・。

さて、本作の12Rはなんというかもう・・・あああああああああ!という感じ。
それだけは初めに感じて貰わないといけません。

時間の閾値とかの話や、陰謀論的な要素はかなり面白かったとは思う。
でもそこがゲームのすべてでは無いし、彩るファクターとして役割は果たしていたと思うが、
あんまり中身に固執しすぎて、表面的な面白さが欠けてはいなかったか?
そう漏れは問いたい。

ここで言う、表面的な面白さというのは、物語の進行上キャラクターの思惑や行動。
ユーザーが汲む心情的な部分を含んだモノ。
要約するとキャラタクーに魅力が無い、なんでこんなにやりとりに華が無いだろうな。

小難しいは置いといて原因と解ついてわかっても、盛り上がらないというのは致命的ではなかろうか。
ただその手法と構成については、悪くは無いと思う。
■ グラフィック ■








と思わず目を覆いたくなるほど。な、なんなんだこの異空間・・・。
背景・・・CG・・・。どうしたらこんなことになるのだ。
キャラデザか原画逃げただろ・・・これ・・・。
でないと到底説明が付かない出来です。
■ ヴォイス ■
収穫だったのは、第二回声優アワード新人賞受賞の「小林ゆう」くらい。
賞とかどうでもいいけど、この人はこれからもやっていけそうだ。
それとは逆に、なんかすげー野中が不安定で、良かったり悪かったりと。
シーンによって別人なんじゃねーかと思うほど。なんだこれ。
清水がんばれ、もっとがんばれ。悲しくなるから。
直兄にもっと仕事回してあげてください、お願いします。
■ サウンド ■
特に無し。
■ システム ■
基本的システム搭載。

システムに関してはPS2プラットにしては、かなり健闘した部類のシステムだと思います。
ショートカット、クイックセーブ&ロード。ロード画面の選択肢表示。
スキップ速度もある程度あるし。
ただ固定スキップは欲しかったな・・・、非常に惜しい点。

難易度、普通。
攻略時間、16時間程度でオールコンプ可です、いけます。
■ 総評 ■
まぁ、PC版は手を付けないほうが無難だと思う。
と凄いネガティブな意見だとは思うけど、PC修正ってどうせブラットバス系だろうし。
PS2版では反転してたけど、元々の絵がアレだもんなぁ・・・。
多少操作性は増すとは言え、内容云々も変えようが無いだろうし。
プレイするなら、PS2あればこっちで十分かと思いますよ、幸いPS2のシステム悪くありませんし。

では、まとめて何が悪かったのか、なんでいまふたつなのか。
その点について考えるに、もちろん背景やキャラクターなどのビジュアル的要素も過分にあるだろけど、
それよりもシナリオ。何故ここまで盛り上がらない!?
シナリオの構成から見るに、かなりしっかりライターの要素は振る舞われたと思う。

しかし、圧倒的にカタルシスに届かない。それはどうしてか――。
キャラクターの過去、現在のやりとりを経て、時間の概念をユーザーに固定しそこにマルチサイトを造った。そうしてユーザーが見て通すのは神の視点。
尚且つ、その神の視点にも、ミスリードである叙述トリックを敷いた。万全だった筈である。
我々ユーザーが、そうだったのかーと簡単であるにしてもカタルシスを得られるであろう要素は揃っていたのだから。
このゲームのなにに期待をしたと言えば、大半はそこに期待したのだろうから。
結果、得られないなかった少なくとも漏れは、原因は考えるに一つ。
物語を俯瞰的に見れるポジションであるにも関わらず、
ストーリー外でわけのわからない行動をするヒロイン、且つシナリオに冷めたからではなかろうか。
この最終的なヲチはねーよ、過程もかなり荒む。

つまり、構成は王道で固いものだったが、設定が悪いというパターンでした。
なんだよ・・・秘密結社って・・・なんだよこうあんって・・・。
■ 65点 クラス B ■