FifteenHounds |
■ 短評 ■ |
主人公が主人公たる物語とは。 |
■ シナリオ ■ |
物語の軸として、多次元、時間軸、バトル、ミステリという欲張り加減が実に清清しい。 詳しくは、OHPなどを参照すれば、わかるから割愛するけれども、殊更キャッチーな内容である。 導入というのは実に大事で、大切で、肝心な所であるからして、 当然なのだど思うけど、プロローグの出来はすばらしい。 大きな物語が動く予兆というのは読み手の胸を弾ませるモノなのだから。 そこから、ミステリの要素の汎用性の高さというものを垣間見れる。 序盤、凄く曖昧な立場だった少女が殺される。 果たしてそこが本当に主軸なのかという疑問は捨て置き、 犯人を見つけ出す主人公の戦いが始まる。物語への引き込む、謎の掛け合いは秀逸だった。 今作の主人公は特別な能力が一切無い、生粋の一般人というカテゴリ。なので戦いを眺めるのが主流となる。 大きく分けて、3ルートからなる本作で犯人とその事象背景に迫っていくのが、物語の主題である。 そんなストーリーは実に軽快。描写としても、テキストにしてもテンポがいい。 読み疲れることは無いと思うし、変な癖があるテキストではないので、万人向き。 所々、オマージュが入るのは愛嬌。 冒頭の少女に対して以外、一切と言っていいほど恋愛描写は無い。 主人公にそんな余裕があるのかないのかといえば無かっただろう、ほぼ7日間の出来事である。 ただ、それでももっともキャッチーな要素であるそこを省くのは、どうだろう。 そんなのが無くても、アクの強いキャラ達には必要が無かったかもしれないけれど、 主人公のキャラ立ちには影響してくる。 人を動かす動機としてそれほど、単純明快なモノはないのだから。 故に、冒頭の少女の意味を追う主人公というのは酷く曖昧に写った。 裏を考えてみてそれなりな理由は思いつくけど、そこはテキスト上で表明して欲しかった部分である。 そんな理由付けなど考えなくても、突然出てくる乙姫が残るED3の終幕は、とても良い味を出していた。 乙姫いいよ、うん。もっと作品上露出して欲しい。 |
■ グラフィック ■ |
OPがとてもかっこいい、遜色ない出来。 CGはだいたい120枚ぐらい。 必要な所に必要なカットは露出出来ていた。 背景もうまく使用していて、 確かにあのコクーンタワーってなんか悪いビルに見えるよなぁと独り笑っていた。 |
■ ヴォイス ■ |
無し。 |
■ サウンド ■ |
別段特に無し。 |
■ システム ■ |
Nスク、基本的システム。 ver1.10で確認。 仕様だからしかないんだけど、スキップが遅すぎて辛いね。システム面はそのくらい。 攻略時間、22時間。ボリュームは十二分。 難易度、易。 |
■ 総評 ■ |
ED1 ROSE BUD ルリカ ED2 PAPER FACES ON PARADE ルリカ ED3 TOMORROW IS ANOTHER DAY 乙姫 ED4 I WANT TO BE ALONE クリス ED5 A STORMS IS COMING クリス ED6 I DON'T KNOW HOW TO KISS クリス ED7 S-S-S-SMOKIN! エナコ ED8 LIKE A BOX CHOCOLATES 大和 ED9 SKY IS BLUE FOR ALL ? ED10 LIKE TEARS IN RAIN 暦 上記10EDを確認、ED7はフリーズしてタイトルが見れなかったので、他所から確認。キャラ別対応EDとなっている。 昔「ヒーローになりたかったあなたに」とキャッチを打ったタイトルがあったけど、 それに近いに匂いを感じた、報われなさ加減が。 てめぇらずっと待ってたんだろ!?インデックスの記憶を消さなくてもすむ、インデックスの敵 にまわらなくてもすむ・・・そんな誰もが笑って、誰もが望む最高なハッピーエンドってやつを。 今まで待ち焦がれてたんだろ?こんな展開を・・・何のためにここまで歯を食いしばってきた んだ!?てめぇのその手でたった一人の女の子を助けて見せるって誓ったんじゃねえのか よ?お前らだって主人公の方がいいだろ!?脇役なんかで満足してんじゃねえ、命を懸け てたった一人の女の子を守りてぇんじゃないのかよ!?だったら、それは全然終わってねぇ、 始まってすらいねぇ・・・ちょ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ っとくらい長いプロローグで絶望してんじ ゃねぇよ!手を伸ばせば届| うるさい黙れ |くんだ!いい加減に始めようぜ、魔術師!!  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\_______/ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ∨ (゚д゚ ) <⌒/ヽ-、__ノヽノ | /<_/____/ < < 物語翻弄されつつも、主人公たるモノ自己主張というはもっと必要だと思う。 長いセリフというのは、典型的な主張ではあるけれど、読み手強く印象付けるモノ、 たとえそれがうざいモノであったとしても、それだけ印象に残る、上記の様に。 べき論を唱えるわけではないけれど、 別に特殊能力があろうとなかろうと、例え戦わなくても、説教であっても、 理由を明確にして進む力を持つ、主人公というものはカッコイイものだ。 物語として、完全に解決していないように見受けられる本作。 重要な主人公の姉を物語で見られなかったのは非常に残念、報われなさというのもあるけれど、 一度物語を紐解かせたのであれば、 完全な結末を求めたくなるというのは読み手として当然の欲求であろう。 裏を返せば、それだけ物語を読みたいという欲求があったという事にもなる。 あれだけのキャッチーな内容で、ここまでうまくまとめあげられたのであれば、 本当にあと一歩足だった、次回作、完結編どちらかはわからないけれど、 是非、これからもがんばって欲しいと思う。 |
■ 70点 クラス B ■ |