狼と香辛料 海を渡る風
■ 短評 ■
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 | ちょっとハズしちゃったみたい…   |
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ゲーム中上記の様な反応が、ミスチョイスだと表示されます。

■ シナリオ ■
原作ヒロインのノーラとエーヴ、そして新キャラのルカが参戦しています。
前作と最も違う点が、主人公が、だれともわからぬ輩から、ロレンスに代わりました。
それらヒロインらとキャッキャウフフしながら、旅をするという話です。

全力ネタバレでストーリーをお伝えするとしたら。

ディーモルン(レノスの上にある町)とザーランドの海峡を船で渡りたいのですが、
ディーモルンにある聖堂教会が、渡航に対して制限をしています。
教会から渡航許可書があれば渡れますが、身分がわからない者では却下されてしまいます。
また許可がおりたとしても、船に乗る際にボディチェックがされるのか、ホロのローブを脱がねばなりません。
それは非常にまずいというわけで、東の大地から回りこんで北を目指そうとします。

すると、東の大地では戦争が始まり、危険なので回り道もできません。
途方にくれていると、情報屋が渡し舟を出している村があると教えてくれます(銀貨3k)。
足元みてやがんなと払いまして、向かった所、唯一の漁村の渡し舟組合が教会の圧力で潰れてました。
渡航の許可を寡占したいわけです。ただ渡航の許可書というのはその地の領主が発行しているものです。
教会だからと言って、領主に逆らうのは得策ではないのですが・・・。
そこに組合長の娘であるルカがいました。
最後まで残っていた組合長が海で、その村で信仰している海の主、大烏の襲われて、
最後の許可証を教会に渡したと伝わってきました。

じゃ、もうしょうがないねと情報を求め、旅を続けた所ある村で傷ついた男に会います。
その場にいた教会から迫害された天才医師が拾ったらしいのです。
その傷ついた男曰く、ルカの父親を知っているルカをつれてきて欲しいと言うのです。
一銭の儲けにもなりませんが、商会からの圧力とホロの圧力で手伝うという選択肢しか選べません。
仕方ないので連れてきたところ、父親はあの漁村から少し海をいった海神様を祭った小島にいるというのです。
じゃとりあえず助けるかということになりましたが、海路を案内できるのがその男なので、
その天才医師が言うがままに薬を集めてこいということで、
何故か錬金術師で最近引越しをしたディアナさんの所へ行きます。あけのっちいいよね。

それでディアナさんのところに行くと、
引っ越したばかりなので道具がないのでまずは道具を買いに行ってきて、場所はわからないけどー。
と言われます、買いに行きました。すると、じゃ道具が準備できたから薬の元買ってきてー、
場所はわからないけど、情報通のロレンスさんならわかるでしょ?と言われます。
まぁ、わかりますが・・・というわけで薬を探して旅をして買ってきます。
渡しますと一瞬で強心剤や鎮痛剤をそろえてくれました、ディアナさん薬師やったらいいと思うよ。

それで、村の天才医師に渡しますと、一晩で切開を行い男の腹に残っていた金属片を取り出してくれます。
男は男ですぐ歩けるようになりました。すごいね。
旅の果てに待つものは・・・というわけで漁村に戻りまして、沖にある小島へ渡ります。
無事生存していた、ルカの父親と感動の再会です。
すると、後からつけていた教会お抱えの海運局の小悪党に教われます。
大変だ!という場面で、ホロがここはわっちに任せろ!と言うのですが、
男がいやいやここはワシがヤル!と言うのでそれじゃ逃げるわというわけで、みんなで逃げて村に戻りました。
するとディーモルンの教皇がわざわざでばってました。そこで悪魔付きの疑いをかけられるのですが、
海運局と手を組んで渡航許可を封じていたことを、領主にばらすぞと脅しをかけたところ、
おぼえてろよーと逃げていきました、その夜は村をあげてお祭りをしました、昨晩はお楽しみでしたね。

夜が明けて、北に向かって船を出してもらいます。
その道中、一羽の大きい烏が頭上を飛び去って行きます。おなかの部分に切開の跡を残しながら・・・。

というお話だったのさ・・・。
メインホロルートでのお話になりますが、各ヒロイン別にエンディングが変化します。
まぁ、それなりにありそうなifルートだったので、好きな人はやってみればいいと思います。
■ グラフィック ■
OPムービーあります。
前作よりは遥かに立ち絵がパワーアップ。というよりはようやく現代標準のADVにおいついた。
立ち絵のキャラが動くように・・・と言っても尻尾だったら姿勢だったりするけれど。
これで口パクがついてようやく一人前だと漏れは思います。
表情がつけばageクラスです。

前作はアニメからの流用が多かったけれど、今回はそれなりに書き下ろしている様子。
まぁ、それでもなんか変なCGがありますが。
■ ヴォイス ■
原作に忠実なキャスティングになっています。
新キャラは、斉藤千和が入っています。

今回から、ADVパートが、ロレンスと全ヒロインはフルボイスになりました。
前作はパートボイスだったんだぜ・・・。
そう思うと、すごく進化しました。コイキングからギャラドスになるぐらい。
その点は素直に評価しています。
■ サウンド ■
サウンド及第点。OP、EDは小清水です。
■ システム ■
ADV+SLGのシステム。
前作からのシステム面での進歩は皆無と言っていいほど。
やはりスキップは遅いし、既読判定がないのでノーウェイトも無し。

相変らずADVパートがランダムイベントなので、かなり厳しいです。
基本3択や二択で、選ばされる。百戦錬磨のエロゲーマーでも厳しい戦いでした。
まずイベントが起きないと、好感度が上がらない。好感度が上がるイベントがランダム。
そのくせ最速アタックとかあるから、大遭難を越えるセーブ&ロードだった。
もちろん普通にやれば気にしなくてもいいかもしれませんが、
6月末好感度Aにてイベント開放とかフラグがあるので、普通にやったらなかなか難しいかと。

やりこみ要素だけは一級品。
前作のマルチエンド12種から、各キャラ4ENDへ。BADもあるのかしら。
全キャラクリアで(どれでもいいので)エンドレスモードが開幕。
村長お使いゲームになります、相変らずインフレが起こってソフトハウスキャラも真っ青なバランスへ。
キャラはバランスいいよ?ノリがってことです。

もう一方の要素である行商モードですが、
前作よりかは、少しは使えるシステム画面になりました。
でも相変らず買って売ってですからねぇ・・・、でもまぁ一番効率が良い行商ルートとか探すのはそれなりに・・・。
周回引継ぎで、商材LVキープできます。
戦績みたいな画面があってフラグ管理がされています。
到達していないフラグが見れるのはいいね。道が見えない所を歩き続けるのは大変ですから。

攻略時間、∞。
難易度、普通。ノーラが難しいです。
■ 総評 ■
限定版の箱が、偽り無しにデカイ。アニメイトが梱包材がなくて慌てて発注かけるぐらい。
ファミ通のクロスレビューだと、7778だったそうです。総評も褒めモード。
見直して前作のを調べてみたところ同じく、7778だったそうです。
もちろん時期が違うこともありますが、それでも今回と前回が同じだというのはなんとも厳しいかと。

さて、漏れは前作こんなことを書いていました。

『「狼と香辛料」はホロとの睦言が60%で、ホロの能力を生かした行商戦が20%で構成されていると勝手に思っています。
残りは割愛するとして、ゲーム作るっうんだから、60%のADVと20%の行商で構成するのはまぁよくわかるんだ。それが、ADV+SLGというまではわかる。コンシューマのキャラゲーという判定要素を用いても、だから故にこのSLGはねーんじゃないのかな?』


相変らず、昔の自分は何を言っているのかわかりませんが、エーヴかわいい。
推察するにADVパートが薄いんじゃないかと言いたいのはなんとなくわかります。
多くのユーザーがどう感じたかは知りませんが、今回もベースがSLGであることは変わりません。
だってランダムイベントですもの。
しかしながら、前作からのパワーアップというのは確かに感じることが出来るADVパート
キャラクターは増えたし、いろんな「if」というのが見えてくる。エーブかわいい。
原作厨である漏れではありますが、「if」を認めないほど狭量ではありません。
旅路の途中で過ぎていった原作キャラクター立ちとの邂逅。
それは、それでこのゲームの意味があるのではないでしょうか、エーヴかわいい。

前回と変わらぬ要望となってしまいますが、
イベントを組み込むのであれば、街についたら強制ADVで依頼人と知り合い、
そこからの駆け引きフェーズでホロと主人公の選択、そして顛末とでまた行商フェーズとする。
もう少し、旅をする臨場感を煽るようなADVであって欲しかった。
どうしてもお使いゲームになってしまう。具体的案は出せませんが、それを回避させて欲しかった。
というか今作は進んでお使いゲームになってしまったなと。

5点アップしましたが、まだまだみんなにお勧めできるゲームではないなぁと。
見所は、アザースとパネース。前作をプレイしているとまたか・・・と思います。
■ 65点 クラス B ■