Chaos;HEAd
■ 短評 ■
トゥルーエンドなんてなかった、妄想だけに。

良い所、悪い所含めてnitro+が全面過ぎて、5pbらしさっうのはないな。
それでも、妄想科学NVLというジャンルは成し遂げたと思う。
■ シナリオ ■
こいつは、問題作だな。

この作品の見所、面白い所は、ステレオタイプのキモヲタ(主人公)を神視点で観測すること。
ひたすらこれに尽きる。その再現性ときたら・・・、無駄にがんばりやがってw
用語解説の充実ぷり、日々使う中のネットスラングまで細やかにフォローしている出来にも感服。
そんな一部のネラー一本釣りゲーム。という見方もあると思います。

本編の妄想科学というのは、そのまんまです。中二病というか、邪気眼。
それらを妄想と現実の区別が付かなくなるまで、ばらまいたという仕掛け。
そのおかけで凄く難解なシナリオが出来ています。

正直、万人向けでは無いなという、いつもnitro+臭が漂う印象。
nitro的な面白さ、後半の熱いストーリー。
nitro的な不足感、エンディング。
それらに、真に迫る程のネットギミックが余計にそう感じさせる。
劇中、チャットのシーン、メール、ニュースソースなどに出てくるURLが閲覧出来る徹底ぶり。
お暇があればすべて確かめてみるのも良いかと思います。グロ画像とかあるので注意が必要ですが。

ストーリーについて。
一本モノの10時間程度の周回では、尺が足りないなと感じた。
なにより、現象に対しては言及できていたけど、ばっさり切られるエンディング。
これが一番、もったいない。
ヒロイン数は揃えているのに、マルチエンディングでは無いので、激しく消化不良。
ENDパターンは二つ。どちらも妄想、儚く挑む。
■ グラフィック ■
非常に安定してた全体的に。OPもまずまず。
キャラデザ、立ち絵、背景、シンボルなど含めて、高レベルで纏まっていると思います。

グロ要素がそれなりにあります。苦手な人は避けた方がいいのかもしれません。
■ ヴォイス ■
漏れ、吉野裕行を初めて凄いと思ったわ。声優魂感じた。
そんなことを感じるくらい、キモヲタを好演してた。今度からキモヲタキャラはすべて吉野でいいと思います。

他キャストも豪華っちゃ豪華なキャスティング。
榊原ゆいは、いまさらだけどまじで歌うまいかもしれんね・・・。
■ サウンド ■
「いとうかなこ」と「榊原ゆい」の楽曲あり。

サウンドは流石、5pbとZIZZという出来です。文句なし。
■ システム ■
基本的システム搭載。

一本道シナリオ。エンディング分割あり。初回周回10時間前後。

妄想フラグの発想は、一般ゲーにしてはかなりがんばってた。
ただそのフラグ回収の手間を考えると、選択肢とはまた別なフラグとなるのでスキップ中になると、
回収が難しい。そこを売りとしているならば、スキップ解除出来るなどの方法があったのではないか?
もちろん、その都度セーブ&ロードをして、CG回収すればいいんだけどさ。
親切設計ではないよね。

下着パッチは初回から使うもんじゃねーなw 漏れ自重しるwwwふひひひ、サーセンwwww
少々煩雑なDL手順なので、気をつけてください制限があります。

難易度、難。
妄想トリガーのテンションが、緑と赤のシグナルでエロとグロという分け方。
しかも選ばないという分かれ方もあるから、全部で三通りの結果が待っている。
エンディング分岐は取り合えず最後の扉の正否。で2つ。
でもロール観ると榊原ゆいが唄うエンディングがあるようなんだよなぁ。
ラストCGも埋まらないし・・・、これは久しぶりにお手上げ。
やっぱり無かった、攻略はこちらへどうぞ。
上記トリガーシステムの所為で、スキップしながらの総当りが出来ないのがつらい・・・。
■ 総評 ■
折角も面白くなったなぁと思っていた所のあっけない決着、ここが一番不満。

序盤のなにもなさ加減は異常。
9-10章辺りでやっと面白くなるのか?と思ったら10章で終わった。初めはかなりストレスが溜まるかも。
ラストバトルもどうかと思うよこれ。主人公以外の仲間参加しないのは味気ないし・・・、
このボスキャラは瞳術の使い手なんすかね・・・。
ここを膨らませてもう少し挿話を入れても良かったのではないか。
盛り上げ方としては、うまくリードしていっただけに、王道要素が必要な箇所だったのではないかと思う。

異質なストーリーとしての魅せ方は凄く秀逸。
特に現代ネット社会の要素の取り入れ方としてはとてもリアルタイムな表現が出来ていて、
そこだけでも、作品としての価値はあると思う。
もちろん、この手の虚無感漂う、妄想からの決着というのはあるユーザー層には受けそう。

そんな、とっても非現実的で現実的な泡沫の物語。
■ 66点 クラス B ■