はるのあしおと

■ シナリオ ■

- 失敗すればその人のせいにできるし、成功しても違う道を選んだほうが良かった、そう思うかもしれない。 -

- 誰に対しても優しくしたいのなら、特別な人間なんて作らないで! -



ある種のゲームはこういう形をもって完成形なのではないか。
それくらいの完成度の高さです、シナリオにしてもなにかにつけ。

東京で挫折した主人公が、田舎に戻り、ひきこもるが、人の優しさにふれ、再起する。
言葉にすると、ありきたりですな。

一つ一つ、筋道を立てて、読ませるシナリオだということは評価できます。
モノローグを交えての、キャラ描写等、読み手にわかりやすい、優しい構成だと思います。
自分としては、そういった構成上は最大級の評価をしています。

ただ、毒がないなぁと、唯一、ゆずきシナリオはまぁそれなりに自分の中では良いなと思えるシナリオでした。
OHPの作品紹介にあるのですが、
>どんな物事でもそうですが、純粋であればあるほど、そしてシンプルな物ほど、細部まで丁寧に創りあげることがその純度を引き上げるものと、minoriは考えます。
そう、シンプル過ぎる。物事には加減があるだろう。
とても綺麗なシナリオですが、真っ直ぐ過ぎたかなと思います。
それが、ただの読み物として、「読むだけ」になってしまった。
外からその世界を覗き込むだけ、そこにあるものは完璧で崩れないから。

御託を並べるとそんな感じでした。
■ グラフィック ■
手放しで評価。
OP、EDともに最高クラス。
新海凄い。
立ち絵というか、キャラデザで、このゲームを回避した人達が沢山いるであろう。
そういった点では、人を選ぶかも。
■ ヴォイス ■
西原うぜーとかいいながら結局やりきってしまった。
■ サウンド ■
OPが良い、盛り上げすぎですが。
BGMも良いですね。
■ システム ■
基本的システム搭載
マシンパワー必要です。
演出が凄いので、ある種仕方ないのかもしれません。
■ 総評 ■
巷では、成長物語、感動できる、ハートフルストーリーだと評価されてます。
実際そうでした、大筋は。
いまさらなんだかんだ言うつもりはないですが。
ちょっと、過大評価なのではないかと。

それは、このゲームが駄目だと言うつもりではなく、
感動できるという点においてのみです。

日常生活をより日常に昇華させるシステム、演出でしたが、感動を深めるものではなかったと、思うから。
そして、成長物語というのであれば、一歩踏み出したに過ぎない時点でのエンディングは、ないのではないかと。

本来、この手のゲームには無性に弱い筈の漏れが、いまいち感動できなかった原因が、
自分でもいまいちわかりません。
泣きたかったなぁ。期待が大きかった?
そんなことはないです、積んでたくらいですから。

得点75点

好きなキャラ、ゆずき。

新作待ちですな。