Hello,good-bye |
■ 短評 ■ |
メインライターが赤線の人だったのかー。 |
■ シナリオ ■ |
事前情報と、プロローグから考えると遥かにライトな作品であった。 濃厚な設定と悲壮感漂うプロローグラストは一体なんだったのだろうか、 というぐらい本編では華麗に物語的危機を回避してくれる。 ある種ライターからの優しさと漏れは受け取ったが、確かにこれでは振り上げた拳の収めどころにとまどうのだろう。 日本が分割されて、冷戦状態であるのが倒幕の頃からの設定というのも理解した。 またそれらのバックボーン説明するために存在する、作中の辞書というかハイパーリンクというか、 それらは確かに大切であり、それが無ければ更に混迷を極めることになったのは間違いない。 が、本来そういったものはさり気無く作中で説明されるのが、展開的に綺麗な筈である。 そういった小難しいのを舞台から放り投げたにしては、 物語的な謎、ヲチがそこでしか究明されていないというのは、どういうことなのだろうか。 エロゲ、ゲームであるそこに物語性を持たせた作品のであれば、 主題にそってキャラのバックボーンをなぞって欲しい。説明がテンポ的に出来ないのであれば、 別軸、回想などで処理されて欲しい。 ルートなどによってはその余力は十分に残されていると判断出来る為、尚のことよくわからない作品ではある。 消化不良とは別観点で、なんだこれ的作品では確かにあるが、 物語のバッファの中で、キャラクターとの導線を楽しむだけであれば、結構楽しめる。 システム、声優などにも助けられている部分は多いし盛り上がりきらない部分も多々あるが、 それでも、設定の中で生きているキャラクターとの恋愛という点においてだけはしっかり作られている。 その点は安心しても平気だろう。突然好意・行為を寄せ合うということは無い。 棗ルートだけは、主人公の軍隊設定も発揮され且つ、棗がかわいすぎるのですべて許せる漏れがいた。 |
■ グラフィック ■ |
いつもの萌木原ふみたけ。 OPムービーは曲の良さも相まって圧巻の出来。やりおったわと思わず一言。 各キャラ三回。枚数ともに問題なし。 |
■ ヴォイス ■ |
久しぶりになんだかわからないけれど、神がかりキャスティングを見た。 第二種声ゲー、三種までは行かない。 「九条信乃、杏子御津、 AIRI、こゆき」このメイン四人組は他では見られない豪華さ。 九条さんは頻度が高いにしろ、杏子さんは最近頻度が上がってきた。 AIRIさんは、ちょいちょいではあるけれど、相変わらず。 しかし、こゆきさんの出戻りには驚いた、何年ぶり?50歳手前にしてあの声質を保ち、 キャラに変わらぬ少女性を与え続けられるというのはちょっとやそっとでは行かないと容易に考えられるだけに、 棗は個人的に手に汗握るルートだった、単純にすごい、濡れ場の演技も放棄していないところに、魂を感じる。 では、「美都いずみ」さんが久しぶりに戻ってきてくだされば、 「子太明、美都いずみ、こゆき、河合春華」の四人という伝説が目撃できるかもしれない。 と思うと胸が熱くなる。あと真柴さんがいてくれれば、本来は完璧。 そんな未来のとっかかりを魅せてくれただけれでも、漏れとしては嬉しいのであった。 しかしバオバブの放出力は未知数だな。 |
■ サウンド ■ |
OP曲:奥井雅美/テーマ曲:kicco/ED曲:霜月はるか。 OPの「Hello,good-bye」はあの頃のまっくんを彷彿させる名曲。 |
■ システム ■ |
基本的システム、1280ワイド。 選択肢でのアニメーションを取り入れ未来予知に対するギミックが大して新しいわけではないが目立つ。 難易度、易。褒章を含めると普通。 攻略時間、13時間。 |
■ 総評 ■ |
OPにしても声優にしてもかなり流入してきている作品にはなっているけれど、 そういった点が作用しない、作品本来の性質として考えると、やはりメインライターの癖が出る。 赤線の時から感じている、あと一歩感と突然の展開の癖は随所に見られた。 その土台の上にランプのキャラゲーが根付くのかと考えると、異色な作品ではあると思う。 「こゆき」点というものがこの作品には存在し、加算されるので漏れ的良作となる。 あの人のあの手のキャラって「アンナ」とか最近だと「カイ」とか何気に役どころとして回ってくることが多い。 その都度あぁ、そうだったなぁと得点力再認識するのであった。 |
■ 75点 クラス A ■ |