彗星に願いを…
■ 短評 ■
「オーロラの彼方に」という映画を知ってるかい?乙一のアレでもいいんだけど。
■ シナリオ ■
原案:田中ロミオ作品
SFというかFTというか。
田舎街に13年周期の彗星が飛来した年の出来事。
彗星がキーフックになって、物語に不思議を彩ります。

最近のロミオ原案の見ても居られない作品群に比べれば、
多少、規模にかかわらずまとまりもあったかなと思うことも出来なく無いけれど、
それでも、物凄く微妙な作品でした。わかっちゃいたんだ・・・。
でも、期待には代えられない。

問題は2点、あまりにも形式的ではなかったか?
もう一つは、舞台装置がぞんざいではないか?

シナリオのテンプレートに沿って、行動が行われるわけだけど、
この場合のテンプレートとは、作品中のネタバレになるので詳しくは言えないけど、
物語のテンプレートということです。
作中の行動を決めていた、一つの要素。
それに対して、もう少しなんらかのアクションがあって然るべきだったと思う。
グランドルート対象ヒロインで少し言及があったけれど、
逆に、言及するために、もう一つ「要素」を増やしてしまった。
その「要素」がこれまた唐突且つ、超展開、しかもそれに対する言及が無いという・・・。
投げっぱなしというレベルを超越した点が非常に厄介。
形式的に進ませれば良いというものでもない。

舞台装置に対する、ロマンがたりない。この場合の舞台装置は彗星。
彗星がキーワードになっている物語で、タイトル然り、
彗星を「ただ観て、綺麗だねぇ」で終わるなんてことはありえないと思うのだが。
その延長線上で願いをかけるフェーズがあったりするけれど、
ただそれだけかよ、と思ってしまった。
もう少し、うまく使い盛り上げることが出来たのではないか?

各種ヒロイン、キャラ付けはまぁベタにしても、わかりやすかった。
ただ過程の中で、どうしてもHに対する突然さが否めない。
だらだらと進入するよりは、刺激的なのかもしれないが、
それにしたって、主人公が自分の気持に気づき、即というのは聊かアレではなかろうか。
■ グラフィック ■
一目見て、駄目かもしれんね。という立絵なんだけど、
この絵師は将来うまくなりそうな芽があると感じた。期待。

OP:神月様
■ ヴォイス ■
声優は良いです、ぴかりん。
■ サウンド ■
歌、Ritaさま。

BGMは物凄くクオリティが高く、ヒーリングです。
■ システム ■
基本的システム。

戯画のエンジンが積まれて居ます。
このシステムは、素晴らしいね。凄い。これだけでも点数あげようという気になる。
業界屈指のシステム。使い安すぎる。
■ 総評 ■
魅力的な原案ではあると思うけれど、サプライズが少ない。これは原案の責任だと思う。

がしかし、既存作品群(この種の)にも及ばない、クオリティにしか仕上げられなかったのはライターだと思う。

いろいろ、こねくりまわすよりはまず数こなすのが先決なのかもしれませんが処女タイトル。

それでも、もう少し、あとちょっとがんばって欲しかったです。
■ 61点 クラス B ■