いつか、届く、あの空に。 |
■ 短評 ■ |
例え話をしよう。 エルフの下級生2という作品があった。純愛路線のゲームだったのに、ヒロインがビッチだった。 その時、少なくないユーザーが失望を覚えたという事件は記憶に新しいと思う。 では、それは何故か。期待と現実の乖離から生じた物で他ならない。 ランプオブシュガーは今作品が2作品目である。前作はあたりさわりのない学園モノだった。 ジャンルという話をしている。 今作品のジャンルはOHP上では「ノベル式天体観測シネマNVL」。 「?」 ハテナである。 最近は「覚醒るRPG」とかよく解らないジャンル表記が増えてきている。 ユーザーの嗅覚が試されていると言ってもいいだろう。 でもそれは、なんだかよくわからないモノを購入しろとメーカーが言ってるのにほかならないだろうか? 無論、決めるのはユーザーである。 そして、そんなユーザーの吟味の補助として我らレビューサイトがある。 だから漏れはこのソフトのジャンルを正そうと思う。 これは、このソフトのジャンルは・・・「伝奇活劇ビジュアルノベル」であると。 萌え?ねーよwww |
■ シナリオ ■ |
なんだろうねぇこれ。 とりあえず、メーカーのジャンル表記は、隠して驚かしたい何かがあるから。 しかし、それは不親切だと思うのでジャンル表記だけは、漏れが訂正しておきたい。 物語の内容は、=ネタバレに直結するので書けませんが。 箱庭世界における、その世界の神と覇者と魔術師の対立と崩壊の顛末です。 いやまじで、ネタとかじゃなくて・・・。 そのモチーフは、ラグナロク神々の黄昏あの辺の西洋神話と日本伝記がごっちゃになった感じで。 燃え・・・かなぁ。 哀切漂う物語。 この様な作品なのだと思ってプレイすれば問題は無い。 |
■ グラフィック ■ |
1stOPと2ndOPが存在し、2ndOPを神月社さまが担当。 OP、EDとも特にこれといって。 カットインが多彩、演出がどうしても似偏ってしまうのは先駆者が偉大すぎるためか。 キャラデザ良い・・・のだがジャンルに合っているかと考えると聊か疑問。 |
■ ヴォイス ■ |
キャストは、凄く作風にあった力強い良い演技をした。 先割れスプーンも相変わらず、良い演技だった。 しかし、このソフトの中で一際、漏れの耳に届いた声優は「大花ドン」である。 最高っす・・・最高っす・・・。最近少年系ヒールが多いけど、それでも最高っす・・・。 他、特に「今回は」キャストに異存なし。 |
■ サウンド ■ |
特になし。 |
■ システム ■ |
基本システム搭載。 オールクリア後、おまけシナリオと外伝「-異ならぬ世の終わりより-」が出現。 クリア推定時間18時間以上。 |
■ 総評 ■ |
果てさて。 柊はこんな感じのトンデモ系は大好きです。誰もがNOと言うかもしれないけど、そこを押して評価したくなる。 確かに、主人公「策」の持つ能力、解体はFateにおけるトレースだと言わざるおえない。 バトル時の文体は、どうしても、否応にも、かの人を彷彿させる。 漏れの脳が腐っているからかもしれない、だが漏れが認知したという事は、他の人が認知するかもしれないという事。 違う、これはまったくもって別物だと言う人もいるだろう。 独創性・・・、には確かに欠けるのかもしれない。 だがシナリオの構成、「誰かを選べば、誰かは必ず失われる、一人しか選べない世界」。 潔さを感じずにはいられない。とってつけた大団円も無い。必ず崩壊する箱庭。 ライターのエゴだろと言ったら、それで終わりでしょ。 どの三人のヒロインも自分を押し通した、主人公のタメに。そこがこの作品における見所である。 一人一人のキャラが我を通した。誰かのために。 かっこいいじゃない月並みだけど。厨設定?・・・いいんだよ、言わせとけ。 ランプの新作はチャレンジ精神を感じる新作でした。 限りない良解釈の上に成り立つこの文句ではあるけれど、2作品目でメーカーらしさを語るには、早すぎるなと自戒した。 つまり、別段物語り等に問題は無く、面白い部類であるけれど、 カレーだと思って食ったら、ハヤシライスだった時の期待と現実の乖離に、心の折り合いをどうつけるかが、 判定のポイントだと思います。 |
■ 76点 クラス A ■ |