君が呼ぶ､メギドの丘で
■ 短評 ■
ストーリーとシステムが織り成すハーモニーがRPGだと思うんだ。
■ シナリオ ■
もうシナリオどころの騒ぎではでは無いと思うんだが。
いっそのこと投了してしまいたいこの項。いつもの必殺技で乗り切ります。

良
・各所に見せ場あり。
・キャラクターの葛藤がリアル。
・主人公がいじられタイプ、最近あんまり見ないので。リーフらしいとも言える。
・良かった・・・悪い人はいないんですね！

悪
・イベントが少ない
・キャラクターとの絡みが少ない
・Hシーンが薄いというか一回しかない場合もある。全体的にも短い。
・全体的にナンセンス
・エンディングが終わってる。
■ グラフィック ■
キャラデザとかは良好。
アレすぎて言及する力さえ無くなってきたんだけど、
ちゃん様だなぁとしか。

モデリング等、HD4850ではサクサク動いていた。心配していた3D酔いも特に無し。
でもカメラをぐるぐるするとちょっと来るので、背後に追いやっていた。
見えそうで見えないスリットとかに惹かれるかい?

OPは素晴らしい出来です、AICだった。大和田さんの名前があって少し嬉しくなった。
■ ヴォイス ■
キャスト公開なし。
全然違うんだけど、マリアの声が飯塚雅弓に聞こえて仕方ない。
耳が腐ったなぁと思う。
■ サウンド ■
下川いなくね?
OP、EDともにまずまず。
■ システム ■
基本的システム。　ゲームパッド推奨。

言いたい点が三つ。
誰もが言うのだろうけど、エンカウントが高すぎる。
ゲーム性として、skilpとexpの獲得が必要であるのはわかるけれど、
幾らなんでも戦闘に時間が費やされすぎる。
しかもmapが少ないもんだから、永遠と同じmapでウロウロする。
これをストレス呼ばずして、なにがストレスか。
経験地稼ぎをしなくていい。という利点も合わせ持つけど、そんなのなくていいから。

二点目。
行ける町が一つしかない。膨大な世界観を携えながら、その一片しか切り取らない。
旅をすると主人公は言うけれど、プレイヤー自身が旅をしているイメージが沸きにくい。
イベントが少ないという点もそれに比例する。
mapが無駄に広い。この半分でいいから倍にすれば上記問題が解決されただろうに。

三点目。
Hシーンが全体で9個?しかない。
これにはびっくりした。笑うほか無い。一回しかないキャラとかどうすれば・・・。
どうすれば・・・エロゲーと呼びえるのか。

攻略はこちらへ。
耐え切れない方はSSGがありますが、待ち行く先が絶望だとしても・・・それでも進みますか?

難易度、普通。
攻略時間40時間。エクストラボスは無視。
■ 総評 ■
日本人の多くはRPGが好きだと言う。
それは、根底にとある系譜が脈々と日本に根付いてきたからだと言うほかない。
多くは勧善懲悪の物語である。それに変化を加え熟成され様々な形態へ進化して行った。
ラズボスがいないRPGもある、プレイヤーが神の視点であったこともあった。
破壊でしか救えない物語や、そもそも敵がいないとか、ゲットだぜーとか・・・バラエティーに富む。

そんな中で、この「君が呼ぶ、メギドの丘で」はどうだっただろうか?
XRATEDなゲームの中では珍しいRPGというジャンルではあるけれど、中身のデザインも本格派だ。
完全に3Dモデリングである。ビジュアル面で、コンシューマと比較してもまぁ見劣りすることは無い。
システムもターン制コマンド方式、まさに王道である。
体裁は少なくとも評価に値すると思う。
PS3の時のTtTもプレイしたからいえるけど、ある程度の規模の作品をリリースできる事が出来ていると思う。

大作であれば、あるほど、ロールプレイなのだから長編映画一本見た時の感覚に似る。
でも、この作品にはそのあたりまえにある筈の感覚が足りない。

某DQアニメの地方ラストは、というお話だったのさ・・・。というラストだった。
ラスボス前で、その後過程を一切の面白い所を省いて、だったのさと〆た。
ポカーンってするでしょ観客は。プレイヤーだったら尚のこと。
物語の落としどころというのは作品全体のキモである。その意味で言えば、確かにハッピーエンドである。
けどそれを成し遂げたのが作中に会話もしない、プレイヤーが操作しないキャラであっていいのか?
断じて、否。流石にそんなRPGのストーリーは認められない。

なにが面白いのだろうかそれの。どこに作品としてのカタルシスを得る余地があるのだろうか。
昇り詰めて、やっと追いつきさぁこれから反撃だ！→はい終わりです、ラストは無事終わりましたー。
で、誰が納得するの?　満足するの?
ねぇ、教えてよLeaf。

直近に発売されたアリスは、そこからシナリオやり直した。
それこそカタルシスを得る道筋、王道というモノでしょ。
うまくいかない。だったらやり直した所まで辿るのが筋だろ。
理解出来ない。なんでそんなこともしないで物語に幕を引けるのかが理解出来ない。
どれだけ物語りを練ろうとも、経過の話に感動したとしてもこのエンディングだけは無い。

そう、何よりも足りないのは爽快感。
無論幾度も言及してきたけど、結末云々だけでは無く、物語を最後まで見せるという姿勢が足りない。


教訓、巻き戻したならば繰り返せ。さもなくば巻き戻すな。
■ 55点　クラス　C ■