マヴラヴ オルタネイティブ

■ はじめに ■

長かったね・・・。

とうとう、延期祭りの終焉を迎えることが出来ました。
ひとえに儲たちの、FDとかいうゲームソフト購入支援と、関係もなく乱打されるライブへのたゆまぬ参加意欲があればこそ、
この作品が日の目に当たることが出来たのではないかと思います。本当に。
それぐらい月日は流れていました。
まさに「時間が一番残酷で優しいと言った人がいるわ」、その言葉自体を深くageは受け止めるべきでしょう。
決して、ageは儲を無礼っていたわけではないのです。
それは、作品を実際プレイしてみればわかることだと思います。

まぁそんな与太話はさて置き、今回一般ユーザーのプレイタイムが24時間付近と推定します。
ひたすら一本道(大筋、支流に行っても結果本流に戻る、意で)なので、迷わないでしょう。

念のためにお話しときますが、ちゃんと完結してますよ。
スピオフする余地なんてどこにもないです、それぐらい綺麗に決めてくれました。
というか・・・。
これ以上はネタバレになるので書けませんが、賢しい人はだいたいわかるでしょう。
このゲームの位置付けとか。

で、ネタバレ無しで解説するのが非常に難しいので、今回は全開で行かせて頂きます
反転させてそれを防ぐことも可能なのでしょうが、むしろ一切触れずに書くことも出来るのでしょう。
ですが、残念ながら私にその文才はありません。
何度か反転させて書いてみましたが、よく自分でもわからなくなる。
ですので今回は真っ直ぐ。
使えないレビューサイトですいません、シナリオ以下、各項目をご覧になる方は、
もうクリアした人、又はネタバレを覚悟で見る必要がありますのでご注意申し上げます。


最後に点数と一行レビューを持って■はじめに■の項目の最後とさせて頂きます。

「これで泣けない、感動出来ないという人は病院へ行くべき。」 90点





































■ シナリオ ■
はい、プレイお疲れ様です、又は果敢なチャレンジャーですね。
一行レビューは言いすぎなんで、気にしないでください。
今作オルタの位置づけは、マヴラヴで出来なかった、結局オルタ世界でのすみか・カスミシナリオの補完なんですよね。
グランドフィナーレルートと申しますか。学園編とオルタ編と私は言い換えます。

大分まとも考えたんだろうなぁという、SFモノです。
根底は平行世界と観測者、という話です。それに付随する、オルタ世界での技術力というのは、割愛させて頂きます。
さて、今作オルタネイティブの最大の見所は二箇所でした。
オルタ世界に居ない、かすみの意味と、オルタネイティブ4計画。付け加えるとしたら、人類のその後でしょうか。
前作マヴラヴがあーいう振りで終わった以上、この二点が言うまでも無く焦点でした。

今作では武がオルタの世界にきた10/22にループしたところから始まります。
多次元世界の干渉及び、平行世界移動。
結果それを可能にしていたのは、オルタ世界のすみかでした。カスミのいた部屋の脳が結局すみかだったわけですが、
ともすれ、オルタ3計画の、カスミがあの場にいたことは、偶然でもなんでもなくやっぱり伏線だったというところからも、
シナリオが出来ていたとわかりますし、学園編でもおかしなところも解決されます、あの猫とか。
その伏線の開示というか、謎が解っていくテンポは素晴らしかった。
そしてオルタ内でのループは主観時間ですが一度のみという思い切った形も良かった。
何故ならば、どこでもう一度仕切りなおすんだろうなぁと、思っていたからです。
最後でやっともう繰り返す必要もなくなる、つまりそれまでのループをマヴラヴ編で消化していた。
そこに「あ〜なるほど」と。
このゲームにおいて最大評価しているのは、この部分です。

SFという要素を取り除けば、戦争モノ。この戦争という要素が、
オルタ世界における、人間の在り方、人の想いそれらを表現。
それと感動、泣き、という要素のために王道的手法で取り入れられていたところと、死亡フラグの連打。
これに尽きるんじゃないかなぁ。
途中うんざりするほど見せ場があります、多少グロテスクでも、人の死ぬ事に明確なイメージとしての恐怖を喚起させ、
武がそれを超えるための壁としても用いていました。
ただ流石に、ここまで露骨に泣かそう、感動させようとされると、ちょっと胸焼けがしますし、テンポが悪くなっていた。
まりもちゃん、みちるまでは解るんですが、あれら工程は必要だったでしょう。
でも、ラス前なんて死亡フラグ連打しすぎて、死の慢性化じゃないですか、
なんか初志と違いません?まぁそんな大切なフラグをやすやすとスルーされるのもなんか違うと思いますが、
三月や遥まで殺す必要あったか?と。盛り上げ役的に舞台から落とされていく様子は、関心できませんでした。
死ぬたび、部隊内のセリフ回しをする必要があったのか?

サブキャラに関して、これだけ分量増えましたし、どこまでフォローアップしてやるのか楽しみにプレイしてたら、
ここでか!!という状況が多々、これに喜ばない人いないでしょう・・・。
やるからには完全な完結を、意気込みは確かに受け取りました。

問題のラスト。
最後の最後まで気の抜けない展開だったのが良かった・・・。
挙げ始めたらきりがないので、一つの場面だけ。
ラスト、スカブ内戦闘、ラストファイトでの、ベータのとの対話、に揺れながらそれを蹴り、
武、冥夜のピンチに呼応するかのごとくのシステム再起動、00の再起。
これがご都合主義かと思われると思いますが、これこそが本作のテーマ「強く持つべき想い」だと思うんですよ。
勿論、すみかのです。うまくラストに集約するように答えを出し、尚且つ、すみかの想いを無駄にしなかった。
ここが最上の泣き、感動のポイントだと思うし、一番面白いところだったと。
あれだけぐたぐたやってたことにも意味を持つというもの。
そして、すみかの死によって要因が除去され、すみかの望む世界に帰る。
エンディング、マヴラヴ。
オルタ世界でのカスミとの別れ、そして・・・
カスミの、すみかに対してのありがとうという言葉が予想以上にキタ。やられましたよ。報われた瞬間でした。
まぁ確かに、ベータ戦の決着はついていませんが、それで完結してないじゃん、と言えるでしょうか?
ちょっとがんばって、地球上のベータを一掃できたとしても、宇宙規模での進行ですよ?
これを解決するには「超展開」という言葉が必要ではないかと思います。
故に、物語の落としどころはここで間違っていない。
ベータ戦がそれほど重要とも思えない、一子報い希望を示した武というリードはここで降りるべくして降りる。

18禁である意味を問われるとちょっと苦しいですねw
回想ないですしね、あれはなくても良いものでした描写として。
抜けないゲームに認定しときましょう。
■ ヴォイス ■
保志総一郎が武ですか、子安もちょっこっといい場面で出てきて嬉しかった。
なにより、君望等のゲームのキャラのキャストがそのままというのは当たり前なのでしょうけど、
それが凄くいい・・・。
若本も相変わらずなことでw
■ グラフィック ■
起動画面をワイドに画面二つ分でかくしたのは成功だと思います。
凄く臨場感が、場面効果が演出上必要で、絶対条件だったのではないでしようか。
それと動画を惜しげもなく、入れたところと、クリック無効化による強制オートも、まぁありだと思います。
後は、毎回ageゲームをやる度に、画面効果が効果的であることに気づきますね。
ふとした瞬間、たち絵の外の雪の不規則落下に芸が細かいと気づくわけです。
表情であったり、口の動きであったり。

敵アーティファクトのデザインが、必要以上にグロいのは世界の嫌悪感を出したかったのでしょうね。
マシンに関しては、発想がなぁ・・・ガンダム超えてないよねぇ。
やっぱり、超えられない壁なんですかね。

キャラデザに関しては、前作通り、よく絵が変わらなかったことに驚嘆。
ラスト前のアニメシーンでは流石に、作画が変わってましたが。
■ サウンド ■
言うこと無し。
■ システム ■
基本システム。
ですが、回想もサウンドも付いてません。サウンドモードが無くて嘆いていた人がいました。
■ 総評 ■
結局の話、オルタを最後までやらないことには、マヴラヴの意味が半減なんですね。
なんかの情報で知っていたのですが、このゲームのラストは、初めから考えていたのでしょうね、本当に。
分割商法とか呼ばれ所以がこの辺にあるのでしょう。
ですが、学園編やって、オルタネイティブのオルタ編混ぜて一本にしたら・・・と考えると、ちょっと長すぎるかなぁ。
無論、分割したことによって、オルタネネイティブの分量UPは間違いないでしょうし、
全体の調整を取れば出来ないことではないと思います。
発想の転換です、誰の得にでもならないようなことなのですが、この延期の宴を用いてより一層、
話題を呼びたかったんじゃないかなぁ。
それは、君望における、体験版的な役割として、もう一度仕掛けようとしたのではないか?
まぁ、そんな勘ぐりもしましたが、どうみても言い訳の出来るクオリティまで到達しなかったのが原因と見ていいですね。
それを仕掛けるなら、最低でも1年以内発売が効果的でしょうし。

いつもと同じように、すみかに振り回された武の話。どんな世界においても。
あえて、このような言葉を使おうかと思います。それがマブラブだなぁ。

見所満載すぎます。

ただちょっと心配なのが、ここまで露骨な演出だとそれを敬遠する人とか、醒めちゃう人いるんだろうなぁと。
そーいった、あの様な部分を差し引いても、物語として、素晴しいと思うし、よく出来てる。
グロさとか、泣き、感動、欝。それも物語を彩りを持たせる構成要素だけど、
物語全体を見て欲しいなぁと個人的に思った。
軍隊モノ好きな人は間違いなくクリーンヒットだと思うけど、どの部分で切り取ったとしても、
一流の出来だと、私柊は、マヴラヴオルテネイティブを認知します。
これぞエンターティメント。
■ 90点 クラス S ■