置き場がない!
■ 短評 ■
なんか、スタッフが例え公開されなくても健速シナリオだとわかる自信がついた。
■ シナリオ ■
これを見て、プレイを検討する方々へシャノンルートを最後に回すことを推奨したい。

基本、健速。ジャンル/健速 ってしてもいいと思う。
と言うのも結構本気だったりするんだけれど。
ギャグ? うーん、目一杯それらしくあろうとする他の何かだと思う。
構成する要素は、作品が違っても変わらず、見た目は美少年なブルース・ウィリス。
そう間違いないだろうと、漏れは置き換えてこの健速的お茶の間ファンタジーを楽しんだ。

4ルートで尺もそれなりでフィナーレへも大分余計なことはせずに進行する。
テンポはいいし、ヒロイン達もなかなかに愛らしい。物語は王道的である。
努力は無いかもしれないけど、友情がすべてに打ち勝つ鍵だと言わんとす。
まぁ、最近ちょっと深めをライトに魅せる作品が多かったので、この手のピーカンな作品もありだと思うよ。

見所は、主人公が少年期救えなかった犬が、
死の淵(?)にある主人公を三途の川を渡らせないように、ワンワン吼える
シーン。
『これでも食らいやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』
というライターのそのあまりに凄すぎる力技は近年でも必見。

書いててかなり大丈夫か?という中身なんだけど、
終わってみるとなかなか面白かったかもなと思えるのが一番の不思議かもしれない。
■ グラフィック ■
OP、まずまず嫌いじゃない。曲も安定しているし。
ED、スタッフロールEDのmovieはがんばっていたね。わけわからんかったけど。

有葉キャラデザ、なかなかにくたらしいCGとかあったりして、いつも通り。
Hシーン、1キャラ二回。わりと普通め。
■ ヴォイス ■
有栖川みや美さんが漏れがプレイしてきた中では近年稀に見る自己主張キャラだった。
あれはあれでアリだろう、そうだろう皆の者。
あとはいつものみるさんですね、そうですよ!
■ サウンド ■
OP、福山芳樹。たぶん初なんだろうソロでは。
劇中も何回か流れてた。
■ システム ■
基本的システム。

キャラルートへの選択肢がヒロイン行動ではなく、ヤルセナイザーへの行動で決められている。
ちょっと違和感があったけれど、後々考えてみればシャノンルートへの布石かな。

攻略時間、14時間。
難易度、易。
■ 総評 ■
誰かが言ってた、健速大先生のギャグパートには期待するなと。
うん、わかるよ。そして、今作もその期待は裏切らない出来だったよ。
でも、そんなくそくだらねぇキャラ同士のやり取りや、誰も期待していないしつこいまでのテンドンネタが、
もはや使い古されすぎた、前時代の異物であったとしても・・・、
それでも健速の描く主人公はどうしても、どうしてもこうも普遍的に格好良く在れるのだろうか。
一言で言うと、やはり全能感オーラが奴のライティングするすべての主人公に付与された属性。
相変わらず眩しいなぁ、と感じた。
それを有葉さんが描くと必然的にるーす的要素がフィードバックしてくるから最早卑怯と言うべき領域。
とある一枚の主人公CGがもうね・・・。
とは言え、やはりと言うべきかこの規模でのギャグ+ロボモノはここらが落ちどころの限界かな、
という期待感を裏切ってくれる出来では決してなかった。
それでも底を支えている、力はなかなかはねっかえりが強かった。
糞ゲーという名のタイトロープを力でねじ伏せた。
なるほど、これがAB2なんだな!と組織力を見せ付けられたゲームだった。
■ 75点 クラス A ■