タペストリー tapestry -you will meet yourself-
■ 短評 ■
Ligthらしい作品。
■ シナリオ ■
漏れなんだかこの手の作品やったことある・・・なぁ。F&Cで健速じゃない方の。

結構・・・内容奔放だよね。
泣けたか、どうかの二元論ではあれば、泣けなかった。
そもそもあまり泣くような作品ではないと思う。

というのをうちの前提だとして、考えるに、
死生観だとかそんなしちめんどくせぇモノとして捉えるよりも、
まずはキャラクターとしての在り方。
死期が近い自分について、なによりもそこを考えるべきだと思うのに。
ヒロインとの付き合い方でそれを見出すというのは、なんとも情け無いかなと思う。
だって自分の事でしょ?
作中考えるのが怖いという逃避露出はあるけれど、そこで本当に考えない奴がいるのかな?と。
残すモノと残されるモノの構図には傷食気味な展開だけに(最大の見せ場であるけれど)、
まずなにが「ありき」なのかを最低限示すべきだったのではないか?
方向性として、では第三者としてのユーザーは何を見ればいいのかという事。
そこが大分曖昧な感覚で読み解く上で「もやもや」した。

ただ、メイン5人に対して、4ルートで劇中死亡というのは、すっきりしてるとは思う。
何が、『すっきり』しているかと言うと、
昏睡状態とか濁しつつ10ヶ月放置した挙句復活というシナリオ上の演出に対しての否定。
あぁ、そうなんだとすんなりくる。やりきる気はあるんだと評価できる。

前述でどうなんだと問題定義はしたが、各ヒロイン毎に対しての残せるモノはなんだろうか。
というシナリオに対する解は、とてもシンプルで及びつかないような超展開は存在しない。
ひかりルートの解は、単純明快っうか。絶対やると思ったんだ。
■ グラフィック ■
OP、RMG製作。クレジット確認する前にRMGだなとわかった。そんな感じ。

Gユウスケは初プレイかな。
なんでもいいけど、ひかりの顔に手を当てる表情にイーッってなる。
後は特に良好かと。こーいうタイプの絵師がLightぽいと思うよ。

キャラによってHシーンに差があるパターン。
内容的にあまり期待できない部類ではあるけれど。まぁまぁ良しとして。

新システム演出についてはシステムの項にて。
■ ヴォイス ■
キャストに関しては、ヒロインに対して新しい(若干)面子を入れつつ、いつも面子という組み合わせ。
戸沼ゆず、水霧けいとさんの二人には今後も期待したい。
水霧に関してはピンク声優を歩んでもらいたいものである。
男性陣は特に無し。

風音-青山ゆかりラインは相変らずの鉄壁っぷり。双璧をなせるのはそうそうないだろう。
■ サウンド ■
Lightの良い所はサウンドに樋口秀樹とWHITE-LIPSがいるところ、みんな知っているよね。
というわけで相変らず質の良いサウンドを提供していた。
アイキャッチの『前向きなんて進めない〜』とかほんわかするわ。
■ システム ■
基本的システム。

新malieシステムとか採用したらしく、HD時代を感じさせる。
フルHDと唄うだけはあり(スキップ時以外)に潰れ滲みは感じさせなかった。
ワイド画面への対応なのか、ウインドという概念が無く、吹きだしによるセリフ表示―――
リトルウィッチのFFDが先駆けだと思うけれど、近い感じで作られていた。
新malieの目玉は奥行き演出だと思うけれど、ageの方が一歩上手だと現在でも思う。
エロゲでは会話軸が無く、どうしても対面では無く並列でのやりとりを映すものになるから、
それでいての奥行き対応は確かに面白い。
まぁだったら、手前と奥とでのやりとりは是非サラウンドも対応して頂きたいと思う。

難易度、易。
攻略時間16時間。
■ 総評 ■
シナリオ内容云々を別にすれば、システム、サウンド面では限りなく高得点な作品。
キャスト、グラフィック面での落ち度も特にないので、後はシナリオ勝負という状態はうかがえる。

シナリオにしても、何が受けいられて、何が受け入れられないかがはっきりしている分。
選択はしやすいかと思うけれど、はっきりと受け手次第だよね。

人生の終わりに他人に迷惑をかけずに生きるとか土台無理なのですから、
主人公は周りへの配慮が違っていると思う。そーいうのホント多い、結果的に余計に心配かけちゃったりとか。

自分としては、
しあわせな結末では無いにして、そのラストに一定の意味を持たせないと、
物語としての面白みというのが霧散してしまうと思うんだよ。
展開上の死というのはより偏重してそうだと思うんだよね。
何故、死ななくちゃいけなかったの? 明確ではないにしろ、理由が欲しいと常々思う。
■ 72点 クラス B ■