つよきす |
■ 短評 ■ |
タカヒロの すごい パロディ |
■ シナリオ ■ |
つよきすというちょっと謎なタイトルもそうであり、 また中身というのは数多くあるパロディの要素に隠れがちではあるが、 キャラクターとの掛け合いと主人公の主義主張という軸の設定をメインに戦っている。 レオのクールさの主張というのはユーザーにしてみれば、逆説的な指示である。 吉本ばりの典型的なネタではあるが、 ある種それを清清しい好印象なモノとして捕らえさせたライティングは見事というほかない。 それを成り立たせたのは脇の配役。 普段のシーンでは投げ捨てぷりが目立つがひっぱってひっぱて期待に応えさせる手法は 実に王道的であり普遍的である。読み手もそれに期待をかけることが出来、 叶うというのは多くの読み手の成功体験に似た何かを成就させていると思われる。 それがカタルシスになっている。 そういった根本的ストーリーの進行も見事ではあったが、 やはり表面的なネタの応酬とそれを成り立たせたキャスティングとネタ選びには脱帽せざるを得ない。 時期を外れるとわからなくなる、風化する様なまがい物ではない、 本当に親しまれるネタ選びが出来ている。 そんなことコンシューマでも似たようなことは出来そうなものではあるが、 そこはエロゲーたるシーン運びとテキストが作品たらせている。 そのエロとパロとシナリオの比率がつよきすは適切であったからこそ、 この人気があったのであろう |
■ グラフィック ■ |
白猫参謀のキャラデザは独特であるが、味があるものと認識している。 かっこいい女キャラを描かせると堪らない。 OPはKOTOKOの電波ソングと共に勢いのあるムービーに仕上がっている。 |
■ ヴォイス ■ |
「金田まひる」の好演が目立ち物語を引率していった。 非常にマッチしたナイスキャラであった蟹は。男性キャラはハイスペックなチョイスがされている。 実にタカヒロらしいキャスティングである、同じ声ヲタとして誇らしい。 そうした部分がタカヒロの強みでもある。 |
■ サウンド ■ |
とくになし |
■ システム ■ |
きゃんでぃそふとの流れを汲む標準的なシステム。 難易度、易。攻略時間20時間程度。 |
■ 総評 ■ |
タカヒロというライターの存在は「姉、ちゃんとしようよっ!」などの前から認められていた。 しかし、今作にて開花し一般的に知られるようになったのではないかと思う。 勿論固定のファンはいただろうが前作等も独特なタイトルが結果多くの人のチョイスから外れていたのだろう。 05年という年も下地が出来つつユーザーの多く様々なモノを求めていた頃でもある。 そんな中で、パロディとは言え多くの人の心を掴む笑いを提供しつつ、 物語としても成り立たせてきたというのが人気の要因となった。 Hシーンも実にエロゲーらしくタカヒロらしい展開で、 使用にも問題ないというのも普及していた萌えゲーから一歩引いていた人達にも受けた一因でもあろう。 アニメやゲームからの取り込み方にかけては タカヒロというライターを置いてここまで完璧な主義というのは見たことが無い。 それは次回作ならびにその後に続く作品群にも言える。 「他人の褌は」とも言うが、他人の褌でこれほどうまく相撲をとれるのであればそれも才能である。 |
■ 80点 クラス A ■ |