ボリュームセブン
■ 短評 ■
忙しい群像劇。
■ シナリオ ■
主人公切り替えと一本道作品。
相変わらず、並行処理の作品は難しいんだなぁと思わせる。
一つの事件をエンディングまで結びつけるまでの流れが一つあるとして、
それらに巻き込まれる、舞台に立つキャラクター立ちの心情はモノローグで語られないと確かに理解は困難。
読者が大局観を持つ人でもない限り。
でも、切り替えによる阻害。思い入れなんかがあると思うんだけど、なかなかに忙しい。
ひとえに、個別ルートの短さ。あまりにも尺が無い。
作中時間も飛ばし飛ばしで間が無いので、余計にそう感じる。
なんか面白くなってきたかなと思える時には、他のキャラに切り替わっていた。テンポは良いのかも。

舞台設定が重い。
語られない仔細というのもあるけれど、組織設定でキャラクターを分かつ。
とかそーいう方向性がやりたかったのだろうけど、イマイチ。

ストーリーの面白さというものを感じにくかった。
勿論、ラストを迎えていく過程で要所要所で見せ場がある。
ここは抑えとくべきだろという演出は最低限成されている。
自立歩行する携帯が越境してくるシーンとか、境目で主人公とヒロインが手を合わせるシーンとか、
あぁ、J-MENTだなとわかる。
わかっているなぁとは思うんだけど、テンポが良いので案外さっぱり。
他のキャラのシーンへそんなに早く切り替えなくても、もっと引っ張っても良いのでは?と思える。
物語の落ちとしても王道ではあるのだろうけど、もうすこしエピローグがあってもいいんでねーの。
全体的に読み手が物語を楽しむ間が忙しすぎる。
afterエピソードがクリア後のおまけに収録。
何気に重要な話というか、ヲチも収納されている。

あと、やっぱり百合があった。やっぱりー。
■ グラフィック ■
OP、神月社氏。RMGから変えてきたね。
立ち絵、背景ともに安定しています。キャラデザも笛氏ですので、いつも通りです。

舞台は、横浜市営地下鉄沿線。かみおおおか懐かしい。
■ ヴォイス ■
羽戸まつのさんは統一する気さらさらないよね。
どこまで増やせるか、とかに挑戦してるんでしょうか。
ただどんな設定だよとか思わせるキャラでも彼女なら安心です。
んでTOMAは、下野なのか柿原なのかまったく漏れの中でわからないのですが、
なにこれの一個前に書いた物も間違ってるの?恥ずかしいなぁ。
■ サウンド ■
OPは勿論の事、それ以上に挿入歌がいい。
BGMが高水準。
■ システム ■
基本的システム。

デバック漏れの選択肢確認。他は特に問題なし。
けど、選択肢の意味が理解出来ない。
クリア後/afterエピソード出現。

ワイド画面モードがある。
テキスト枠の右に常時ステルスになっているシステムがあって、
ワイドの幅だと読みづらいテキスト域を狭めている、とってもユーザーライク。

難易度、易。
プレイ時間、12時間。 スキップ駆使して2周目もやってみたけど変化なし。
■ 総評 ■
最初から最後までやれば、大筋物語は理解できると思う。
最後の名前のアナグラムが漏れにはわかりませんでしたけど。

もっと前作みたいにゆったりとした作品だったのならば、と思わずにはいられない。
抑えるべきところは理解している進行であるが故に、もったいない。
それと選択肢。
一本道で、BADルートも無いのであれば最初から選択肢いらなくね?
テキストが変わるだけで、ストーリー変わらないのであればいらなく?
なにがしたかったんだろう。取りこもしも無いし。

総じて、尺が足りない。この規模の設定であれば倍あってもいいと思う。
■ 66点 クラス B ■