H2O 〜FOOTPRINTS IN THE SAND〜
■ 短評 ■
「言葉にできることくらい・・・言葉にしたいと思うんだよ」/音羽

作品から発する雰囲気は非常にポップですが、内容は非常にシュール。
第一部の、部落差別という溝を埋めての二部の都会ワクワク編。
なにも小難しいことをやらなくても、普通に学園ノベルでも十分面白かったと思うのは、SCA自を相変わらず理解出来ない、漏れの負けなのでしょうか。
■ シナリオ ■
これまた、何とも言いがたい作品。
SCA自というと、ケロQですが、そんなケロQの初プレイ且つ、ただ唯一やった作品が「終ノ空」。
相変わらずテキスト調が同じなんだなぁと・・・、7年ぶりぐらいの邂逅です。
一部、二部構成。二部の位置づけはアフターストーリーになってます。

盲目の主人公が、差別という溝で隔たれたヒロインの仲を取り持ち、且つ、自分の目を復活させ、
ヒロインに惚れられる。簡単に言うとそんな話。
作品の雰囲気は非常に良い。物語もまぁその展開に目をつぶるとしよう。
でも納得できないのが、このH2Oという作品の中に、枕の次の作品「サクラの詩」のキャラを入れたこと。
しかも、何気に重要なポジションなのに、本当にちょっとしか出ない事。
出すなら、最初からずっと話に絡ませておくとかすればいいのに、
ちょっとしか出ないからまったくいる意味がわからない。
前の作品のがあったとして、そのヒロインを出すならまぁ、少なからず「前作をやってから〜」とか属性をつけられますが、次の作品って・・・。
現状で、終わってこのキャラがなんなのかわからないというのは問題だと思う。

攻略対象キャラは3人。最後の音羽が終わると、アナザーエピソードという立ち居地のアフターが出ます。
これも、最後の主人公の目の解釈というか、説明が物凄く蛇足。
もういいじゃん、ここまでそんな流れなら、説明しなくてもいいよ。と思ってしまった。
アナザーだからという「逃げ道」が気に入らない。

セリフ事体はなかなか良いセリフ多いんだけど、うーん。
一部がなく、アフターストーリーで構成したら物凄く面白かったと思う、なんか非常に残念でもったいない。
主人公が光を取り戻す理由、が大切なのではなく、
そんなどうしょうもない状況での立ち回り、そこの内容の方がそのリアリティが大切だと思うんだ。
■ グラフィック ■
背景、キャラデザ、OP、EDムービーどれをとっても、抜群の出来。
クオリティ高いです。
■ ヴォイス ■
「一色ヒカル」作品、真の兵と呼べる数少ないエロゲー声優の一人。
そんな実力者揃いの中、「榊原ゆい」がちょいと浮いてます。
しかし、「矢沢泉」という今まで知らなかったのだけど、良い演技を為さる方だと思います。
声の幅も広そうですし。以後注目してみます。
■ サウンド ■
特に無し。
■ システム ■
基本システム搭載。

選択肢が全部で片手の指の数ぐらい。難易度、易。
ほぼノベルゲー。
■ 総評 ■
演出の二頭身絵のカットとか物凄く笑えた。アフターストーリーも面白かった。
ヒロインの属性、堀り下げ方、それも好きな部類。

でも、「わからないで終わる次のヒロイン」と「最後で説明してわかってしまう主人公の目の謎」
どうせだったら、二つとも次回作に持ち越しだったら少しは納得できるかなと思うのだが・・・。

なんだかんだ言いながらも、総合的には良く出来てると思うし、楽しめた。
SCA自の世界感が好きだ!、もしくはやったことがない人ならば楽しめるのではないでしょうか。

好きなキャラ、はやみ。ツンデレツンデレ。

小日向とひなた。名前の付け方は良い。
■ 71点 クラス B ■