Always 〜ふと、気が付けばキミとの日常…〜
■ 短評 ■
物を作るっていうレベルじゃねーぞ!
■ シナリオ ■
言葉は心を超えない、とても伝えたがるけど、心に勝てない。

いつからだろう、多くのエロゲーがただの擬似恋愛ゲームになったのは。
無論、そうでは無いのもある。でも巷に多く存在するのはこの手の類。
今一度、問おう。
何故、メーカーは箱(場所)に頼るのか。我々ユーザーは何を待っているのだろう。

物を作るという、クリエイティブな思索の原点はどこから始まるのだろう。
自分が何を表現したいのか、それすらもわからない者に、誰かに伝わる物を作れる訳が無い。
唯一、の道として「模倣」がある。しかしそれは誰かが辿った道筋。
そうした、使い古した物でさえ、自分の中で昇華すら出来ていないと、どうなるのか。
どんな稚拙な物語だとしても、ライターの熱すら感じられない物語は、どうなるのか。

心、心情を表現するのは言葉では、足りないのかも知れない。
でも、プロの言葉使いで飯を食べている人間にそんな事は、そんな妥協はあっていいのか?
否。断じて否。

今作、あまりにも、そうあまりにも抽象的な心象表現が多い。
ストーリーは、とってつけたどこかで見たことがある話。それはこの際どうでもいい。
作中、ところどころ独白が持ちいれられる。モノローグがなんのためにあるのか?
それは、人物の心情を彫り下げるため、なのに、心情の理論展開が抜けすぎている。
「なんでそう言う気持ちになるのか?」
それをユーザーに、伝えるのを放棄しているとしか言えない。
「この手のケースはこうだから、こうなる訳で、ほら、なんとなくわかるだろ?」
と言われている気がする。

泣きたくなるほど悲しくなる。だったら、初めから書くなと。

例え、文脈がおかしかろうが、ストーリーが変だとしても、ライターの伝えたい事があれば、
読み進めるのに、多少の苦労はあるが、その中心は不思議と熱を帯びた真実味が宿る。
読み手は、心で受け止める事が出来るのだから。
■ グラフィック ■
キャラデザ等はなにも文句も無く。
OPも、毎度の如く、神月様なので、一定のクオリティは保たれてます。
EDがスキップ出来ないので、メンドクサイ。
ですが、バグの所為で、ショッキングな立ち絵もあり、ゲンナリさは否めません。
■ ヴォイス ■
たちばな様ご健在。
他、特になし。
■ サウンド ■
特筆する点無し。
■ システム ■
バグ搭載システム。バックログが無いってどういうことよ。
パッチが11/10にリリースされていますが、今回もと言うべきか、完全な解消には至っていません。
出来なくは無い、けれどシナリオの順番が入れ替わっていたり、CGが埋まらなかったり・・・。
スクリプトがミスってたり、音声が・・・。
あげればキリがありません。
■ 総評 ■
寸分違わぬ、戯画マイン節、えぇ認めて差し上げてもよろしくてよ。
「まさに、地雷」

でも、終わってる仕様に目を瞑れば、シナリオだけみてみれば、「それなりに」遊べない事はないかと思う。
Hシーンだけ見れば、甘甘で、各キャラ3回ずつあり、薄いですが、まあ・・・。

あまりにも、ユーザーを舐めているとしか思えないメーカーが多い中、問いたい事がある。
「これ自分で買えますか?」

行き過ぎれば、それさえネタになってしまう世の中だから、ある種ニーズはどこにでもあるのかも知れない。
ただ、それなら、本当にその方向で売る覚悟があるなら、注釈を用いるべきではなかろうか。
*本作品は、笑いのわかる人には向いていません。
とか。

とまぁ、激しく愚痴ってしまったけど、なにもこのソフトの話しだけでは無く、
今年の流れからの爆発みたいな物で。ご了承のほど願います。

今一度、メーカーはいろいろ考え直して欲しいなぁ。
■ 55点 クラス C ■