DEARDROPS DISTORTION |
■ 短評 ■ |
OVERDRIVEの青春ロック第二段のPSP移植作。 |
■ シナリオ ■ |
新規で2ルート追加、新規CG追加、新規楽曲追加となっている。 限定版には専用ポーチとエンディング曲のCDが付属。 PC版からの変更点というのは上記のみとなっている。 課題というものがあったとすればメインの律穂以外のルートを太くするか、 漏れらが望むツインボーカルルートを追加することだけであっただろう。 そして大方の予想通り新規ルートを選んだようである。 但し、二つとも完全新規ルートではない。 新規キャラがいるわけでもないヒロインという意味において。 なので、既存のかなで・りむルートより分岐するようになっている。 本編ルートに何か改変があるわけではないので、ベースからの変更点のみで記載する。 律穂・かなでルート(SC記載)/りむ・弥生ルート(SC記載)の二つルートの出来がどうであったか。 律穂・かなでルートは、かなでルートから分岐する。 ポイントはかなでがプロダクションに所属するか否かで悩んでいる際に、 696に自分が原因で火災が起きて、更に身動き出来なくなる。 そんな焼失した中で母の非公開楽曲が出てきて・・・。 という流れ、それを律穂と共に完成させてステージに立つという所までのシナリオ。 だからあくまで、「DEARDROPS feat.桜井かなで」という立ち居地になっている。 確かにツインボーカルだろうし、律穂とスガショーとのトライアングルは一応完成した。 りむ・弥生ルートは、りむルートで、噂の元父親が登場。 駄目な親父だがドラムの腕は確か。 りむドラムが認められず、それでも元父親にくっつき生活して疲弊していく。 その中で弥生が口を出して・・・。 という流れ、最終的に納得させて散々引っ掻き回した挙句海外へ行く所までのシナリオ。 ED曲は秀逸。 しかしこれは正直、蛇足。 |
■ グラフィック ■ |
OPムービー、PC版のまま・・・とは言え何度みても勢いがあるムービーである。 キャラデザ、藤丸。 新規CGが主にHシーンの回避、代用として用意されるているエピソード部分で露出される。 もはやそこの部分の追加はなくても変わりなかったとしか思えない。 |
■ ヴォイス ■ |
信頼と実績のベタ移植。 |
■ サウンド ■ |
ED曲がすべて変更になっている。 『It's up to U./DEARDROPS feat.桜井かなで』がツインボーカル曲、一つだけ。 これは良い曲だ。 しかし、一つ難点があって、律穂ルートEDだった「Noisyスイートホーム」が無くなってしまっている。 あの曲は、サウンド、歌詞すべてがその情景をすべて描写しきっていた名曲だと思っていただけに、 待っていたら肩透かしを若干くらった。あれはあのままであって欲しかった。 「A birthplace〜いつか帰る場所〜」が悪い曲という訳では決してない。 |
■ システム ■ |
基本的システム。 KIDのシステムに乗っている。 ショートカット/スキップ速度変更ともによく出来ている。 閲覧モードも、ちゃんとあのまま。 攻略時間、17時間。 難易度、易。 |
■ 総評 ■ |
PC版DEARDROPSも好評であったが、 市場の反応としては大方律穂ルート以外が薄かった点に尽きると思う。 話の筋をもう少し全体的に集約出来た形だったならば良かったのだろう。 しかし漏れが購入した理由としては、付属のCDが欲しかった、ツインルートを見たかった。 という二点。 前者は十分に満たされたが、後者が未だにしこりが残る。 勿論、望むべきすべての物語を自分の思うがままにしたければ、 自分が自分でSSでも執筆すればいい。 そんな事は明白であるが、 メーカー側がベタ移植では芸が無いし…と考えた時にそのルートを付け足すという行為自体は嬉しい。 けれど、それが受け手が見たかった物語とはちょっと違ったという話。 まぁそんなベタ移植回避ルートとでも呼ぶべきルートではあるのだが、 漏れが見たかったのは、「DEARDROPS feat.桜井かなで」ではなくて、 かなでがDEARDROPSに加入する話が見たかったのだ。 新規ルート2つもなくてもいいから、 途中分岐ではなくて、新規で一本分岐させて欲しかったのだ。 かなでが加入しているDEARDROPSというifルートが見たかったのだ。 その中で切磋琢磨しながらも、大成する様なルートがあってもいいじゃまいか。 なぁ、そうだろお前ら。 |
■ 78点 クラス A ■ |