ひとゆめ
■ 短評 ■
非常に、眠くなるゲーム。
■ シナリオ ■
丁寧に、丁寧にという印象は確かに受ける。
けれど、それの所為で、シナリオがのっぺりとした展開になってしまっている。
全体的に見ると、ルート2つ。
ダブルヒロインルートとその他三人ルート。
共通が長い、まったりしすぎてとても長く感じた。

テンポが悪いとはまた違って、なんて言うのかなー、
複数ライターの影響とでも言うべきか、見方の問題でもあると思うのだけど、
選択したヒロインルートに入っても、選択されなかったヒロインとの共通部分が「厚くて」、
いちいち引っかかってくる、それが展開上重く感じた。
もっとスマートに、あっても良かったのではないだろうか?
まぁ、その上で、選ばれなかったヒロインの葛藤やシナリオ上のリンクを表したいのであれば、
そのものを表現しないで、仕草や語感や語尾等で、プレイヤーに補完してもらう、
というスタイルがスマート且つ、他ルートに及ぶ影響が少なかったのではなかろうか。

題材をうまく料理しきれなかったというよりは、
あれこれ手を加えた結果、なんだかうまくいってねーなぁという印象。
根底に流れる一つの影響力を多角的に見せていくという古典ではあるのだけれど、
そこに行き着くまでに、プレイヤーが疲れちゃいます。

やりきるには少々体力が必要そうです。

しかしながら、魅力的なこの絵は、このゲームに作用する大きなプラス材料。
でなきゃ、投げても仕方ないよ。
■ グラフィック ■
もしかしたら、tony、佐野に続く伝説の幕開けかもしれんね。そんなまっぴーらっく
一部CG、異次元になっていますが、晒せません。
でも、そんなこと気にしなければ、非常に魅力的な原画氏です。
キャラの艶というポジションよりは、線の細い感じで美麗。今後に注目したいと思います。
トップクラスの原画氏。

OP、EDともに標準。
■ ヴォイス ■
面子は豪華です、金田様、青山様・・・。
合格点。
■ サウンド ■
OP、EDともに橋本みゆき様で、藤田淳平との強力タッグ。
BGMは、milktub。
BGMはいつもの調子じゃないだけに、とても新鮮且つ、いい感じです。

これ以上を望むは無理だろう。
■ システム ■
標準的なシステム。
バグ無し、だけど、一部なんだかわらかない不具合。回想処理等。
VISTAパッチには非常に、非常に好感が持てる。どっかと違って。

難易度、易。
■ 総評 ■
普段あまりやらない、点数内訳。
絵、50/69、シナリオ、9/69、音楽、10/69。
ビジュアル面で限界まで点数あげて、これ。

この作品の場合、テキストやシナリオの悪さというよりは構成の歪さが目立つ。
そこに、足を捕られて、ずるずる・・・。
もう少し、なんとかして欲しかった。

キャラ付けに関しては、なかなかに魅力的ではあるけけれど、少し幼さが目立つ。
精神年齢を、ほんのちょっとあげて貰えれば、もっと締まったシナリオ運びも出来たと思う。

総じて、なんだかおしいんだかおしくないんだか。
消化不良な一作です。
■ 69点 クラス B ■