星空へ架かる橋
■ 短評 ■
『大好きという気持ち 1ミリでも近くで伝えたい』

というわけで我々がそれを余すことなく受け止めるにはスピーカーではなく、
ヘッドフォン着用が義務っうか必須。
■ シナリオ ■
約3年ぶりの柊☆たくみシナリオ。振り返ると漏れはkanosoぶりだった・・・。
もはや初対面とも言っていいだろうけれど、
信頼と実績の最初の選択肢でのバッドエンドは存在しなかった。
しかし、定評のあるテキストネタの応酬は、わかるものからわからないものまで多数確認。

田舎というキーワードを武器に戦えるシナリオというのはなかなか少ない、
それが実際の場に則しているかどうかという問題を除外にしても、
数多い田舎モノの中で何かを残せるほど、光る何かがあるストーリー少ないはずだ。

今作一番好きなルートが「こより」。
誰と言われるわけでもなく町内の見回りを行い、持ち前の正義感を盾に主人公との絡みがある。
一緒に見回りを行い絆が深まっていく、その中で限界集落もしくは過疎化に対してのアプローチ。
つまりは、町おこし。その観点に進めたこのシナリオはどうであったか。
最終的なヲチは安易で陳腐なのかもしれない、しかしその中で、
町長や役場といった社会の輪のつながりの中で主人公とこよりの立ち回りが求められた。
人望のあるこよりと外界からきた主人公。
その未来予想図は、とても幸福なものに感じられた。
その後を空想する余地にとても恵まれている。

別に世界をひっくり返すような純愛や胃が痛くなる三角関係があるわけではない。
大掛かりな仕掛けが存在するわけでもない。
それは実に田舎じみて、田舎らしい恋愛だ。
だからこそ許される動きと、もしかしたら可能なのではないかという発展性、
それは見ていてとても穏やかな物語だったと感じた。

また、ヒロインが恋心が芽生え、自己性をアピールする過程がとても微笑ましい。
かの有名なTHでも使われた手法だけれども、
伝家の宝刀・・・作中髪型変化!あの元気っ娘が髪を降ろしたら!
あぁ、間違いないそれこそ萌えである。
大好きだ。

あとこのツンデレは痛いツンデレ。やりすぎ。
■ グラフィック ■
OPムービーがいい感じだったんだけど、楽曲がイマイチ。
キャラデザに関しては特に無し。

各キャラ、Hシーン4〜5回。枚数ともに必要十分かと。
■ ヴォイス ■
これが、ブロデュース可と不可の違いだというのか!

とかちょっと危険なネタも振込みたくなるけれど。
っうかほんとうにちょっとしか出ない老人キャラに波動拳使うのもったいないおばけ出るからヤメて!
■ サウンド ■
ED、青葉りんご。OPがいまいちなんだけど作詞畑。
■ システム ■
基本的システム搭載。延期9回を誇るタイトル。

話数モノにありがちなOPムービーを毎話入れるのを阻止する機能はうれしい。
音声バグが多く見受けられる、パッチはリリース済み。
バイノーラルの編集で力尽きたのだろうか。
とは言えずっとヘッドフォンでプレイを続けさせるのも忍びないとfengが踏んだのかどうだかは知らないけれど、
ヒロインとマンツーの時かHシーン時にしか対応していない。

時代は3Dとバイノラールだな。エロゲー界も枯れた技術の水平思考をとかぐだぐだ考えながら、
エロゲーで初めてこの機能を擬似的ではなく本搭載した該当の部分がどうだったのか。
MDR-Z900HDにて聴いた。

席が隣のヒロインから耳打ちをされるというシチュエーションで、
本当にそこにいるように聞こえる!すごいこれ!
でももっと再限度をあげるにはガヤがあってこそのwisだろ!そこでしーんとなってどうすんだよ!
教室が静寂なわけないだろうが、板書する音、紙をめくる音もっとSEが必要だ。

しかし真骨頂ははHシーンにあるに違いない、ぐぬぬと思いながら真剣に聞いてみた。
あれ・・・体位がこう変わるとして・・・あれ位相がおかしくねーか・・・あれ・・・。
こーいうものなのか、鳴りが気持ち悪いところがある。

結論、真剣になって聞くものではない。
でも、ないよりはあった方が臨場感がダンチ。

難易度、易。
攻略時間、14時間。
■ 総評 ■
正直に告白しますと、買ってから気づきました。
青空・茜色をてがけたサイトウケンジいねーし。TRUMPLEに移ってるし!
三部作なのに最後だけ違うライターって・・・。

とは思わなくは無いけれど、まったく遊べないほどだったか?
いや、結構それなりに楽しめたし、バイノーラルはやっぱりポイントが高かった。
一部ルートは面白かったし、展開もそれなりに期待が持てるものだった。

但し、事前の期待・・・延期による多少の上下運動はあったにしろ、
そこそこやってくれるだろうという部分には応えてくれたと思う。
それが、『そこそこ』だったのが残念だったのだけれども、
ライターが違うのであればまぁ仕方ないとも思える。
これより先のfengが辛そうだけれども。
がんばれ。
■ 75点 クラス A ■