ましろ色シンフォニー
■ 短評 ■
「長い髪が銀河系の形に翻る」「色素の薄い髪が翻る」

もの凄く丁寧に描写している感はあって良いが、恋愛自体が主体の作品はどうしても意味を見出しにくい。
■ シナリオ ■
共学と女子高(?)が合併した空間での超人的な気使いCな主人公が奮闘する話、そして翻る。

物語としてのテーマは、恋愛である事は間違いないと思う。
それはもちろん理解しているつもりであるし、
他の作品でも恋愛がテーマで無い作品なんてものはこのRatingにほとんど無い。縛りだって愛なんだから――。
だから、そのごはんにかけるふりかけに差異があって、みんなおいしく頂いている。
その差異が大きく昨今のジャンルを分けているのはいまさら説明した所で・・・という話なわけだが、
より純粋なモノは味気が無いか奥深いの両端に位置すると思う。
たまごかけごはんで書籍が何冊も発売されるご時勢だ。それは火を見るより明らかであるし、
単純もとい、シンプルな程ユーザーへの求心力が強いのかもしれない。

まぁ、いくらシンプルだからといって、醤油にも質を求めるくらいだから、その中身であるキャラ―
―にだって変化が欲しいという理由か知らないけれど、
天羽みうシナリオや、アンジェシナリオなどの味付けの違いは確かに感じられた。
その中で淡々と描かれていた印象が一際強い、恐らくメインの愛理だけれども、
正に超王道な恋愛劇なだけに、ヘタな味付けがされていない素材の味が提供出来ていたと感じた。
魅力的な素材は、ヘたに調理するより塩だけでいいのだから。
■ グラフィック ■
OPいいね。真っ白な感じが。

和泉つばすキャラデザ、八重歯キャラが可愛いと思う。
全体的に作風を重視してか、Hシーンは薄めだけど回数は3回くらいはある。
尺も問題ないけれどまぁ、どうだろう。
■ ヴォイス ■
裏付けされた確かな面々。
そして当たり障りの無いキャスティング。
ただ、風音様の動物キャラはなんっうか言葉に出来ない。
■ サウンド ■
OP:橋本みゆきさんのシンフォニック・ラブ。妙にキレがあって聞き心地の良い楽曲だった。

この作品で一番いいなぁと思ったのがBGM、作品調を支える上でも根幹を成す部分だけど、
なかなか物語を殺さないものは少ない中・・・、
ストリングスのバランスが良くて、ピアノパートの響きが沁みる。
質の良いイージーリスニングだった。
■ システム ■
基本的システム。

特に問題なし・・・なんだけれども、システムボイスの乾紗凪verのCGモード。
「さーてわたしのCGはどこかなー」というボイスに3周ぐらいすればきっと乾紗凪モードが出てくるはずなんだ!
と周回を繰り返してから愚者あたりを見たときの絶望感について。


攻略時間、カウントしてませんでした。
難易度、易。
■ 総評 ■
で、ぱれっとというメーカーの話に戻す。

愛cuteからぱれ党員の一員になった柊だけれど、もしらばからだと一作毎にくすくすタッグが休んでいる状況。
前作はさくらッセだから、まぁ今回はん。が登場するんだろう、
そうだろうさきっと、と信じて今日まで過ごしてきたわけです。
事前告知というか、OHP公表とかそりゃありましたが、一回休みのラインをこの面子が作るというのは、
出来うる限り集まったなぁという感は確かにあって、
その面子が作った作品にしてはというのは変かもしれないけれど、
この良い流れを継続出来ているなぁと思う、実に無難で優しい作品。

何年か続けてきて今作で理解したというか、HOOKのハニカミの時にもそう感じのだけど、
だだ甘でとても悶えずにはいられない作品は好きなんだけど、
この手の波風が限りなく少ない様に魅せるタイプのシンプルさというのが苦手みたい。
おいしいと感じる事は出来ても、どうしても物足りないなぁと思う。
欠落している片割れを探す物語というのは多い、
その中でキャラクター達の語らい、掛け合いが重要視されるのはそうした中での空気抜きみたいなもの。
けれど、幕間と幕間にある寸劇だって見せ場はあってもいいのではないか。
隼太の許婚シナリオとか、紗凪シナリオがあっても間違ってはいないのではないか。
期待する自分が、そこにいた。


きっと、たまひよ と ん。コンビは帰ってくる。そう漏れは信じてる。
■ 68点 クラス B ■