ROBOTICS;NOTES
■ 短評 ■
シリーズの伝統とも呼べるけれど『勇気と愛が世界を救う』てなことは全然なくて、自分のエゴを貫いた主人公はいいね。
■ シナリオ ■
2012/07/01、NHKでちょうどロボコン2012が放送されていた。奇しくもそれを見ながら書いてる。

舞台は種子島。JAXAは最近調子いいなぁと思いながらプレイ。
創設したばかりでコンテンストで優勝したという過去を持つロボ部で起こる世界線「1.048596」上における2019年の物語。
過去作品の面子も「ついぽ」でちょっとだけ絡んでくる。嬉しい。

さて、どう少なく見積もっても前作という壁は高い。
けれど、タイムマシーンという時間の不可逆さの題材と、青春ド真ん中のロボ作品では土俵が異なる。
西條のギガロマニアックス、岡部のリーディング・シュタイナー、そして海翔のスローモー。
主人公だけが持つ特殊能力にて、局面を打破していくという構図も変わらない。
万能な最強の能力では決してないけれど、その運用方法がカッコいいわけで、
ここぞ!ってな場面での負荷を無視した運用実績wという名の伝統はやはりおいしい部分である。

そういった意味においてロボノは実にうまく作ってあると感じる。
そんな妄想科学というステージは同じだけれど、荒唐無稽というのは按配が難しい。
物語の後半にモノポールという超物質が登場するが、それを持ってしても作品の勢いが変わることはなかった。
陰謀論にうまく絡めつつ、超展開を力でねじ伏せる流れというのも熱いのだが……。

なんだろう、とても味気ない部分が多く、不快な部分がある。
カタルシス不足なラストは言わずもがなだと思うけれど、それ以外にも無駄なキャラ死や、
9章に到達するまでのキャラ別ルート進行。日付が重複していないのであればこれ分ける必要なかったろ。
それなのにそれぞれの良い部分だけが解釈された9章が突然進行されるというところに、
意味が見出せない。理由もない。一本道でも良かった筈だ。

それでも、全一だけのために進む主人公。同じ境遇にありながらも、GO判定を出し続けるヒロイン。
その構図はかけがえのない普遍的なものではなかろうか。
■ グラフィック ■
OPムービーはそれなりにかっこいい。
テーマがロボットとはいえ妄想科学であるからそれに準じているのがいい。
つまりロボロボしてなかったのが逆に良かった。アニメ版はIGだからきっとロボロボしていることだろう。

キャラデザ、福田知則。CG枚数は十分。
毎回キャラデザは変えていく気なのかー。とか考えながらも作品毎に味付けは異なるからそれでもいいのだろう。

PS3版をプレイしたが、解像度も十分にある。ジオタグ探しの際に画面をアップしていくツールがあるが、
画面にジャギなどはなく美しい背景が見られる。
■ ヴォイス ■
流石名塚は多才である。シリーズ一人はいるキモオタであるフラウの演技は見所。
■ サウンド ■
EDのいとうかなこ/空の下の相関図はガチ。
ただ、南條愛乃がいるのであれば歌わせろよと思うが、契約的に無理なのだろう。
キャラソンであればセーフとかそーいう抜け道もあるのだろうが。
■ システム ■
基本的システム。

「ついぽ」・・・ゲーム内のツイッター的な役割を果たすツイポにてゲームルート分岐。
攻略サイトなしだと結構きつく、前半ルートの大半が8/23辺りで確定する。
その日付の主人公の「ついぽ」の第一声が『(君島レポートの)フラグめんどくせぇ』というのは我々ユーザーの
このゲームに対するフラグ取得の嘆きをまさに代弁してくれるようなセリフ。

隠しトロフィー取得もそちらにて。
ADVにしてもプラチナトロフィーの取得が容易なため、PSNのトロフィー至上主義の方々にもおすすめ。
これでジオタグ全取得とかあったら死んでたな。日直タグがなぁw

「居ル夫」・・・セカイカメラの用なものというかそのまんまだけど、
ジオタグが作品内にちりばめており、物語にも密接に関与してくるわけだが、これがきつい。
何がきついか。画面をアップにして細かい所を探していくわけだが、にゅるにゅる動くので酔う。
漏れは特に3D酔いしやすい体質なので、倍率ドン。ADVをプレイして酔って吐くという実績を解除した。

「キルバラ」・・・作中コマンド入力を成功することにより進行する。
4フレ目押しとかが物語にフツウに登場するにだいたい1分間50コマンド入力とかなので超楽勝。
最後のアキホだけは三回連続成功しないと完全に勝ったことにならないので注意。


難易度、フツウ。
攻略時間、18時間。トロフィーコンプリート。
■ 総評 ■
ラストのカミナギ戦でFace of Factが流れたらいろいろ神ゲーなのになぁとか思った。

カオヘは妄想トリガー。シュタゲはフォントリガー。ロボノはツイポ。
と作品毎にフラグ管理が異なり、通り一遍なADVをプレイしている感覚は無い。
そこは毎度賛辞を捧げるポイントではある。少なくとも作品中に確かに関与していくフラグであるところが、
ちゃんと意味のあるモノとして機能している限りは漏れはぐだぐだ言わない。

「世界を救うのはヒーローじゃない、オタクだ!」というキャッチで始まった本作ですが、
しっかりそのコンセプトを死守出来たのではないかな、と。
惜しむらくは、三作品目のジンクスが負の方に傾いたことかな。

シュタゲ>>>>>>>>ロボノ>>>>>>>>>>>>>>カオヘ

個人的にはこのくらいのヒラキに落ち着くと思う。
流石に前作を超えてくることはないとはっきり思っていたのでカオヘより面白いし、
比べなければ、単体ではまずまずかと。
■ 76点 クラス A ■