R.U.R.U.R このこのために、せめてきれいな星空を
■ 短評 ■
Lightは挑戦者だな。世のロマンティスト達へ贈る、Lightからの挑戦状。
■ シナリオ ■
本作、本編中に挿話される「星の王子さま」は、無論言うまでもなく、
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの児童文学書である。少し調べてみると、2005年に日本での著作権切れしている様で。
大抵の人は、直接的に読んだことは無いにしても、聞き及んだ事があるだろう。
その読解書、解説書などは多岐に及ぶ。
柊は、まぁ、なんて言うのかな、このライターさんがこの書をどのような位置付けで挿入するかが、
気になって、気になって、ゲームそのものより目が行ってしまった。
文芸討論をする気はさらさら無いけれど、「児童文学書」なんだよねこの本は。
日本ではそれが少し違って、哲学書みたい部分で大衆に受け止められている。
それをどーのこーの言うつもりも更々なくて、無いのだけど・・・、誰が駒鳥を殺したの?
つまり、そーいう事なんだよね。
マザーグースの詩、星の王子王子さまの挿話は、誰かが何かに与えた評価。
元々の上に作り上げられたイメージが付随するわけで。

それがこのゲームの世界観、「何もない」部分の脚色となって生きているわけだとわかる。
誰が、なにかをしなければ、というそもそもの前提は、「誰かがいる」という事。
誰かが、誰かのためになにかをしたいという想いの前提は、「相手がいる」という事。
その相手がいなくなった状態から、リセットされた「物」達が相手を見つけ、見出す物語。

羨望と畏怖、畏敬どれほどの言葉をかき集めても、
まだたりない見知らぬ者が自分に大切な、とても大切なものをくれた。
でも、それは元々から自分にあったものだけど、目を向けてなかった。気づいたけれど、成長させたのは自分だ。
また、見知らぬ者が、その大切の物を「気づかせない様にするのではないか」と、
怯えるのは当然のことではなかろうか?
あるモノタチはその怯えだけで、その見知らぬ者たちを滅ぼしたという。
でも、じぶんたちにはそれが出来ない・・・が・・・。


物凄くこそばゆいよね、観てるとさ。いやまったく、すべてにおいてそうなんだろうなこれ。
そんな作品です。
■ グラフィック ■
まずはムービーの話。
OPより、EDが良い珍しい例。縦スーパーの左スクロールって、とても珍しい。
演出もごてごてしたものでなくて、凄くあっさりなんだけど、それがかえって味になっている。

キャラデザ、イミテーションラバーの人。
■ ヴォイス ■
ぴかりん。
他、キャスト面は特に無し。

けど、この馬鹿馬鹿しいまでに、フランス語のアテレコ、ルビ振りには感心した。
漏れはフランス語わからんからあれだけど、人造言語に固執する、某作品の様に、
ナレーションなど、貫き通す趣に、感心。
■ サウンド ■
サウンドが樋口秀樹氏、光る。
OPよりも、ED曲が素晴らしい。WHITE-LIPS・・・ほんとよく歌い上げてると思います。
BGMも素敵です。
デイジー デイジー♪
■ システム ■
標準的なシステム。

スキップ時、テキスト表示の量がおかしいのか、スキップ停止時に、若干未読領域が出来てしまいます。
表題が、幕間で繰り返されるのも、ちと無粋。
■ 総評 ■
まさに異色作。

あまり、変な風に塗りたくると本質が見えなくなるよと、本編中も言ってるのであれば、
それを忠実に再現したのだと思うことにする。
ともすると、受けて選ぶというよりも、一任されてる節があるのだろう。
小難しく考慮したければすればいいのだろうし、なんだよこのSFゲーと投げてもいいのだろうし。

だとすれば、漏れは軽く触れた上で、なんだよこのSFゲー!と憤慨することにしました。
あの馬鹿でかい船を進ませる推進剤を大気中から変換作業はいいとしても、
どれだけの体積を吸い込む必要があるんだよというツッコミから、
結局ヒューマノイドタイプの製造過程における、船内の循環系まで。
やってくれるのであれば、ガチガチのロボット三原則から、航行法で、まぁいいや・・・。

本編中、主人公のボイスが付くのでそういやLightってそうだよなとか思い出しました。
たどたどしい隠語の使い方というのか、そーいう作品なので、
是非プレイするのであれば、純真無垢なままっうかー大人のエロゲーでこれは厳しいんじゃねーの。
と、少々思う様であれば・・・漏れはそうだったわけだけど。
珍しいし、精神は買うけど、この抱き合わせは無いなぁ。

いまさら教えられなくても、もうすでに自分の足で立って、世間に投げ出されて居るのだから。
見えなくたって、進むしかないでしょ。
■ 70点 クラス B ■