光輪の町、ラベンダーの少女
■ 短評 ■
呆気ない節が見受けられたけれど、それでもこんなもんかなとも思えた。
■ シナリオ ■
義務を負うことが課せられる国という、車輪設定が生きる本作。
その設定に、更にるーすぼーいがトリックという名の魔法にかけてくれたのが、前作。
ライターを変えても、リリースしてくるというのは、どういうつもりなのだろうかと疑問に感じていた。

しかし、開けてみればなんの事はなかった。

―――あぁ、ただの部活モノか

えっもしかしてスポ根?という置き去りっぷりを感じつつ、作中わけわからんノリで剣道してた。

今回の義務は主人公一人にしか適用されておらず、それも明示的に作中に露呈される。
内容も推し量るべしという感じで決して隠匿されていない。
でも、同じ土壌で勝負をしなかったという点はとても懸命だったと思う。
あえて何かしらのファクターをと考えると、主人公がやり取りするメールの相手というのが、
「前作主人公の独り言」に対してのオマージュなのかリスペクトなのか。
けれど、やはりそれも徹底した伏線ではなく、物語が進むにつれ次第に露出されて気づく。
前作のおいしい設定だけ引き継ぎつつ、異なる物語が出来ている。

絆を形成するものが、剣道というスポーツだったというわけで、
それにたどり着く道程は、各キャラの問題点を改善していくという王道スタイル。
ある意味今作でそこが一番、面白かったかもしれない。
そこまで行くと、テイストは確かに車輪なんだなと理解できる。
ダメ押しとして、絆が出来上がりそこで奈落へ落とするーすぼーいスタイルを完全継承!
それが4章。主人公の過去へとフィードバックする一連の流れはなかなか面白い試みだった。
ただし、本編から結構浮いた事になっている。あとは各キャラエピローグぽい個別ルートへ。

問題点としては、ほぼすべてのサブキャラのおいしい伏線を回収せずに、突っ走った所。
お得意の続編なのか、FDなのかは知らないけれど、いやらしいなぁと思う。

久しぶりにメインヒロインよりは幼馴染に軍配があがるソフトだった。
圧倒的な優遇シナリオだろ、これ。
■ グラフィック ■
OP/ED、とくに問題なしだけど、並。

キャラデザはいつもどおりなので、今更とくになし。しかし、連荘で有葉モノだったなw
毎度の如く、章扉絵が一番かっこいいなぁと思う。他のどんなCGよりも。

Hシーンは、各キャラ3回。尺はやや短い。
■ ヴォイス ■
ピカリンにもっと出番を!
いや、それだけでいいです。今回。このがっかりぷりは言葉にはとても出来ない。
■ サウンド ■
OP/EDとくになし。
作中テーマあり。
■ システム ■
基本的システム。

攻略対象は5人。
章仕立て、G線の様なではなく、4章まで共通で5章分岐する。
共通と個別のバランスはイマイチ。

攻略時間、16時間。
難易度、易。
■ 総評 ■
『あのヒューマンドラマの正統続編』とかコピーがあったりなかったりするんだけど、
なかなかどうして自分で上げたハードルを超えるメーカーというものが無いように、
本作も残念ながら、初代を超えることはなかったと思われる。

ただ、嘆くことは莫れ。
そんなもんさえ意識しなければ、前作を知っている面白さというのは確かにそこにあったと思われる。
法月先生の名前もでてくりゃ、そりゃテンションの一つや二つはあがるものだろう。
また、車輪設定がいきる部活モノとして考えれば、今作はそれほど出来は悪くない。
ヒロインに対として登場する、サブキャラ達に愛の手を。
っうか、ヒカルの設定より、セツナの方が絶対萌えるだろ、わかってねー!
と感じることさえなければ、もう少し上の得点でもいいのかもしれない。
■ 75点 クラス A ■