潮風の消える海に
■ 短評 ■
辛くなってどっか遠くに行きたくなった事は誰にだってあると思う。
やむにやまれずとか、八方塞とか、息苦しくてとか。そんな衝動を抱える、若い学生達の青い話。
ただ、この物語の中でライターは、ご都合主義かもしれないけれど、
「逃げても良い事なんて無いよ」、と言っているのかもしれない。
■ 書いてて後悔した何か ■
・某県某ファミレスにて、AとBの会話

店員「いっしゃいませ〜、Pi○○○○○へ、ようこそ!」

店員「お一人様ですか?」

A「いえ、待ち合わせで中にいます」

店員「はい、どうぞ〜」


・中にいたBを見つけ、Aが座る

A「待った?」

B「いや、今来たところ」


A・B「きめぇwww」


B「んで、どうよプレイした?Light新作『潮風の消える海に』」

A「したした、企画・原作・脚本 早狩武志というクレジット観て感慨深いものがあったわ」

B「しかも、絵師は、ぽよよんろっく。ビックリマンのあのお方だぜ、最近だと手広くやってるみたいだけど」

A「Lightの作風というか、早狩の作風とはちょっと違う位置にいると思ってたんだけど・・・」

B「意外とマッチしてた?」

A「そう、不思議と。すんなり受け止める事が出来た、それでも少しアニメチックではあったけどね」

A「それはそうと、OHPの設定」

B「男2で女2のパーティだと、何が起きるかもうその時点で想像出来るって話か?w」

A「いや、確かに・・・。それもあるけど、主人公の宮地進の姉設定」

B「姉出てこなかったな・・・、使えてねーぞ早狩!」

A「立ち絵あるのが本当に4人だった」

B「形式も選択肢一つ無いサウンドノベル、販売価格は3k、所要時間も4時間くらい」

B「あまり詰め込みすぎると、群青の二の舞だからな」

A「仕方ない、な」


・フリードリンクを頼み、飲み物を取ってくるA

A「まぁ、シナリオは確かに短かった、けど内容的にはどうだ?」

B「おい、なんだよその色のドリンク・・・、内容ねぇ・・・青い」

A「確かに一番最初に感じる事は青すぎて悶えるだな・・・コーラとメロンソーダ」

B「ガキじゃあるまいし・・・、ってセリフが一番ガキ臭く感じられるって奴だな」

A「あぁ、まったく。キャラクターのセリフとかも物凄く意識して作ったのだろうなぁ」

A「最近の若者言葉っうーの?」

B「ジジくせーよ、なんかがんばった感はあったな」

B「そこはほれ、等身大の現代の若者の様をだな・・・」

A「表現したかったんだろうな」

A「まぁ枠はきっちりしてるのが早狩作品だよな、専門用語今回の場合セーリング?」

B「弁護士関係とか、見事に理論武装してるよな」

A「実際やってる人達しかわからない言葉の連発、ルビはあったけど、煩わしくない」

B「知識の披露っていう感じじゃないからな、左手は添えるだけっうか」

A「説明が一切無いのも、知ってて当たり前だろ的空気で良かったw乱暴だけどなw」


・タバコに火をつけるB


A「そういや今回のってどこが審査したんだ?」

B「あぁ作中、未成年って書いてあるのに、喫煙も飲酒、セックスもしたな」

B「若いって素晴らしい」

A「リビドーだな」


A「海洋ロマンとか言ってたけど、結局は群像劇だったしな」

B「ちょっと辛い立場の人間が逃避に陥りつつも、人間としていく上の煩雑さ、そして仲間達」

A「んで、恋人関係」

A「眩し過ぎて辛いな漏れには」

B「ある種ついて行けない所は確かにある、主人公とヒロインの会話とか、主人公の暴走ぷりとか」

A「早狩はリアリズムなのか、リベラルなのか、わからなくなったな」

B「ある種バッサリと現実と切っておきながらも、最後はうまい風に組み直したしな」

A「山と谷、というか見せ場は用意したな最後に、しかもとてもロマンチック・・・なるほど海洋ロマン」

B「外洋にすらでてねーけどなw」

B「うん、ラストはご都合主義ながら、うまくまとめた。これに異論は無い」


・再びドリンクを取りに行くA

A「無いな、書き足らない所は沢山あるだろうことは一発でわかるけど」

A「少しチープだけど、いろんな思惑が混ざり合って、納得出来ないこと、互いの気持ちがわからない事・・・それらが群像劇の最たるポイントだよ。ヒロインもツンデレ黄金率守ってたしな」

B「おぃ・・・なんだよその飲み物・・・泡立ってるぞ。確かにヒロインは、ま た ビッチか!と思わせといて、実はツンデレでした。という黄金率系だったな、活発からやや行き過ぎDQNの狭間だったけど」

A「その微妙なスタンスが良いのだよ、まさに黄金率・・・、このコーヒーコーラも黄金率でしか泡立たない一品」

A「ストローを刺しても、立つスーパーストロングぅ!」

B「はいはい、そうですね。飲み物で遊ばないでください」


B「サウンドとかは特に無いな、演出もまぁ特に」

A「プロローグ後のOPは少し斬新な気もするけどな」

B「まぁな、だがシステム・・・」

A「シーンもCGモードも、『絵が表示されない』のは、まずかったな、いただけない」

B「まぁパッチ出るだろ、シーン見るぐらいならもう一週やり直せ」

A「確かに、それはある。」


B「まぁ今回のLight新作、早狩新作、悪くはないけど・・・」

A「やはり、長編を見せて欲しかったな。ショートショートも書けるのだろうけど、一発ドカン長編。んで重すぎて死ぬ。これが早狩作品だと個人的には思ってる」

B「忙しそうだしな、がんばって欲しい所ではある」

A「やはり他のライターには無い期待感みたいな物を持っているライターじゃん?」

B「バンプのsailling dayみたいな感じにはっちゃけて欲しかったな」

A「なにをするのだろうという期待感、ユーザーな勝手な希望だけど」

A「鶴見みたいな小さな所で進む、群像劇も悪くは無いかもしれないけど・・・」

B「本気の海洋ロマンものだったらワクワクだったな!」

A「それは間違いない」


・伝票取り、立ち上がるA

A「そろそろ行くか」

B「んーもうそんな時間か、さーて零時売りに飛び込むか」

A「今年はビスたん(OS_VISTA)も出るし、あの茶褐色の肌がたまらない!」

B「あーはいはい、んじゃ行こうかね」

fin
■ 74点 クラス B ■