つくとり
■ 短評 ■
この世で一番怖い存在は、霊でも神でも人智を超越した存在でもない、人間だということ。
笑いを抜きにして、久々に面白いゲームでした。
■ シナリオ ■
雪深い山村で起こる惨劇に挑みます。〜様という、定石通りの土着信仰の神はいらっしゃいますが、
○だッ!とか言う女の子や、口先の魔術師は出てきません。あしからず。
誤解が無い様に言っときますが、別にオマージュでも無く別作品ですからね。
とは言うものの、踏まえるとよくわかる気がしますので例えで使わせていただきます

選択肢が一切無いゲームですが、物語の分岐が3つあって、それぞれの問題点を論いながら、すべてBADです。
その後、三つのシナリオに対する解が露呈されます。そして、メインヒロインからのエンディングルート。
それに帰結するお話です。

相変わらず、序盤が辛いライターだなぁとか思っていると、
誰が犯人かという序盤のサスペンスシナリオにいつの間にか引き込まれていました。
三つの分岐で、ヒロインルートなんですが、これまたヒロインの魅力よりも話の視点が面白い。
「あーそっちにつくとそーいう展開が見れるのね」みたいな。
この手の形式は、最近我々の方で慣れた形式でありますので、目を光らせながら読み解きます。
往々として、大層なトリックがあるわけではないですが、
ミスリードによる主人公の行動というよりは、怪しすぎる人達の行動を主人公視点から見て、
なんでだろーと思う人達が多いでしょう。
そうなってくると、物語に勢いがぐいぐいついて、後は最後まででした。
解は、犯人探しの答えというよりは、人物像の背景や、前編を受けてのリスタート、と言った方がいいかな。

突飛なモノ・ヲチは無いと言ったら嘘になりますが、
なーにエンディングルートに一つだけなので安心して進めてください。
それも、我々に対するミスリードなんですが、気づかない人はいないと思うですが、
最後の最後でねーよwwwと言うとは、思わなかったなぁ。
もっとその要素を頻繁に使うなら、あーなんだやっぱりねーとか言う事も出来るんだけどね。
そこだけかなぁ、叙述トリックとは呼べないソレぐらい。

とまぁ、サスペンス色を強く、書いて見ましたが、漏れとしては、人間関係、人間模様。
やはり毒の強い社会風刺を描くのがうまいライターさんなので、そこら辺に注目してプレイしてもらいたいですね。
というか、読み解くカタルシスというのは薄い気がします。本格的なのはもっとあるし。
やっぱりなぁというよりは、なるほどなぁーという感じ。
最後のヲチとして、やっぱりそっち方面もっていくのかーとかw それは漏れだけか。
■ グラフィック ■
なんだか、魔術師帽子のワイヤー使いの女の子が出てきそうな絵ですが。
絵師に恵まれたなぁ、良かったね良かったねという感じでした。

■ ヴォイス ■
ピカリンが文字通り、光ってます。
全体的にレベルが高い女性声優陣ですが、「愛☆美奈子」この人がわからねぇ。
うーん、誰かこっそり耳打ちしてください。

フルヴォイスで無いところが非常に残念。男性にもつけて欲しかった。
■ サウンド ■
もっと耳に残るようなおどろおどろしい曲があっても良かったと思う。
特筆すべき点無し。
■ システム ■
基本システム。

選択肢が一切無いので、クイックセーブ&ロードがある意味が理解できませんでした。
特に問題のあるバグ、スクリプトミス無し。
■ 総評 ■
よくよく考えてみると、買わない要素がなに一つ無いゲームだった。
脚本、絵師、声優、内容。どれをとっても。
でも、何故だか久しぶりにいい買い物をしたなとなんとも思わせてくれます。

ゲーム性的に、多くを語れないのがもどかしいですが、
丸戸氏がおっしゃる様に、「エロゲー黎明期の探偵モノアドベンチャー」そんな感じですかね。
あのころとは大分、土壌が違いますが、でもなんとなしに懐かしい匂いはする。

全然関係無い話にはなるけど、
やっぱりロケッツは喫茶系のまったりシナリオとか合わないからやめときなさい、っうーこってすよw
この手の方が絶対合ってます。

相変わらず、大味なことは否めないけど、それでも十分な勢いがあったので良しとします。
なんだか漏れ偉そうですが、素直に面白かったので勘弁してください。

あー、一つ忘れてた、処女厨は買わないほうがいいよ。
この手のゲーム久しぶりで、この世の女キャラは処女しかいないとか若干勘違いしてた、
漏れの中の処女厨乙!('A`)乙
■ 80点 クラス A ■