【レビュー】ANGEL TYPE|“大切な何か”を探す静かな青春ADV、その問いの行方
評価:70点|プレイ時間:約5時間|ジャンル:インタラクティブ・ノベル
■ シナリオ
「あなたは自分の中の天使を見つけることができましたか?」
本作は、minoriが描く“静かな青春”をテーマにした短編ノベルゲーム。
主人公・藤代尚と少女たちの心のふれあいを通じて、「寂しさ」や「悲しみ」と向き合いながら、“何か”を得る過程を描いています。
物語は短く、フルコンプでも5時間程度。しかし、その短さ以上に、プレイヤーに多くの問いを投げかけてきます。
タイトル「ANGEL TYPE」の意味や、EDでの設問など、明確な答えを提示しない構成に戸惑う人も多いかもしれません。
物語の本質は「自分を好きになること」なのかもしれませんが、それをどう受け取るかはプレイヤー次第。
一般的な青春ADVとは異なり、定時制高校という舞台設定や、キャラクターの“寂しさ”を軸にした構成は、群青高校を彷彿とさせる部分も。
ただし、キャラの死や唐突な展開に対しては賛否が分かれるところ。
プレイヤーにとって「何を得るべきか」が明確でない点が、評価を難しくしている要因でもあります。
■ グラフィック
OPムービーは神月社による演出。新海誠と勘違いする人もいるかもしれませんが、今回は神月氏。
線の細いイラストは作品の雰囲気にマッチしており、静かな世界観を丁寧に彩っています。
■ ヴォイス
フルボイスではなく、ボイス演出はほぼ無し。
静かな物語に合わせた演出とも取れますが、没入感に物足りなさを感じる人もいるかもしれません。
■ サウンド
OP曲は彩名による「ブルーベルベット」。Littlewingが関わっており、印象的なメロディが作品の余韻を引き立てます。
どこか懐かしさを感じる楽曲で、minoriらしい音楽演出が光ります。
■ システム
セーブ&ロード、バックログなど基本的な機能は搭載。
動作も軽く、マシンパワーを必要としない設計です。
■ 総評
本作は、プレイヤーに“何か”を問いかける作品。
その“何か”が明確に提示されないため、受け取り方は人それぞれ。
自分の中にある答えを探す、そんな体験を提供してくれる一作です。
シナリオのテーマや構成に共感できるかどうかで評価が大きく分かれる作品ですが、minoriらしい丁寧な演出と静かな世界観は健在。
自分の感性と向き合いながらプレイすることで、より深い体験が得られるかもしれません。
好きなキャラは砂緒。
次回作は豪華とのことなので、minoriの今後にも期待したいところです。