【レビュー】さくらむすび|懐かしさに包まれる、静かな感傷のサウンドノベル
評価:68点(クラスB)|ジャンル:サウンドノベル|ブランド:不明
■ シナリオ
中学の体育祭、クラスの一体感、最後のリレー──
そんな記憶をふと思い出させてくれる、感傷的な空気が漂う作品です。
ストーリー自体は人によって評価が分かれるかもしれません。
本編の展開よりも、自分の学生時代を思い出してしまうような、追体験に近い読後感が印象的でした。
ただし、どのルートも「さくらむすび」というオチに収束する構成はやや単調。
サウンドノベルという形式だからこそ、もっとテキストで勝負してもよかったのでは…という思いも残ります。
■ グラフィック
全体的に幼めの絵柄で、好みが分かれるかもしれません。
特殊な嗜好でなければ、やや感情移入しにくいと感じる人もいそうです。
■ ヴォイス
ボイスは非搭載。
サウンドノベルとして、テキストと音楽に集中できる構成です。
■ サウンド
本作で最も評価したいのが音楽。
ストリングスとピアノを中心としたBGMが、物語の雰囲気にぴったりと寄り添い、ヒーリング効果すら感じさせます。
イージーリスニングとしても楽しめるほどの完成度で、心を落ち着かせてくれる音の世界が広がっています。
■ システム
基本的なシステムを搭載。
サウンドノベルらしく、複雑な演出や分岐はなく、シンプルな構成です。
■ 総評
どのルートも「さくらむすび」というテーマに収束する構成は、やや物足りなさを感じるかもしれません。
しかし、懐かしさや感傷を呼び起こす力は確かにありました。
シナリオの深みや複雑さを求める人には物足りないかもしれませんが、
静かに心を揺らす作品として、“OLD is NEW”な魅力を感じる人もいるはず。
「恋は遠い日の花火ではない」──そんな言葉がふと浮かぶ、春の午後にぴったりの一作でした。