【レビュー】リトルバスターズ!エクスタシー|追加要素と感傷が交差する、もうひとつの物語
評価:78点(クラスA)|ジャンル:学園青春ADV+追加要素|ブランド:Key
■ 短評
どの視点で点数をつけるか非常に悩ましい作品。
追加要素をどう評価するか、そして「エクスタシー体験」は得られたのか?
ファーストプレイから時間が経っていないこともあり、新鮮味の欠如が評価を難しくしている。
■ シナリオ
既存ルートは割愛し、追加ルートに絞って言及。
佳奈多ルートは、前作らしい展開で特に印象的。
葉留佳ルートとバックボーンを共有しつつ、双子の姉妹愛を深く描いた良作。
沙耶ルートは蛇足感が否めず、作品全体の空気感から浮いている印象。
単体としては悪くないが、リトバスの世界観にはやや異質。
佐々美ルートは、個人的に非常に刺さった。
飼い猫を亡くしたばかりの身には、ペットとの別れを描いた内容があまりに痛く、涙腺を刺激された。
KEY作品の中でも、マコピールートに次ぐ泣きポイントだった。
追加Hシーンは整合性はあるが、それ以上の深みはなく、やや物足りなさが残る。
■ グラフィック
いたる先生、さすがです!
佳奈多ルートではその魅力が存分に発揮されていた。
だいぶ「普通」になったけれど、それでも存在感は健在。
OP・EDは小改変程度。
HCG枚数は、Key作品らしい控えめなボリューム。
■ ヴォイス
風音様、圧巻の演技! そして民安ともえ様も安定の存在感。
キャスト陣は鉄壁の布陣で、アニメ化してもこのままでいけるレベル。
■ サウンド
Keyサウンドチームの実力は健在。
改めて聴くと、都乃河の「アリスマジック」は名曲だと再認識。
■ システム
基本的なADVシステムを搭載。
「世界の秘密を知っていますか?」という最初の選択肢は非常に親切で、新キャラから回りたい人にはありがたい設計。
攻略時間:約28時間|難易度:普通
スキップを交えつつフルコンプ。
■ 総評
問題は「なぜ後付けでHシーンを追加したのか?」ではなく、最初から入れておくべきだったという点。
商業的な事情は理解できるが、ユーザー視点では納得しがたい。
一年しか経っていないこともあり、物語の新鮮味に欠ける。
キャラの心情に新たな発見はあるが、大筋が既知であることによる「なぁなぁ感」は否めない。
「エクスタシー」というタイトルに対する期待感とのギャップも残った。
もう少し濃くても世界観は壊れなかったはず。
いたる先生のエロCG、見てみたかったなぁ…。
初プレイなら90点以上もあり得る内容。
追加要素を加点すれば95点も見えるが、現時点での感傷や距離感を含めて、この点数に。
Key作品であっても、エロゲゾーンに踏み込むなら、それ相応の濃度が必要。
それを期待していたからこそ、完成度には少し疑問が残った。