【レビュー】ef – the latter tale|美しさの裏にある、受け入れがたい痛み
評価:40点(クラスD)|ジャンル:ビジュアルノベル|ブランド:minori
備考:本レビューは『ef – the first tale』『ef – the latter tale』を合わせた評価です。
また、ネタバレを含みますのでご注意ください。
■ 短評
これが最後のminori作品。
つまらない、面白くない――それならまだ我慢できた。
でも、プレイしていて不快になるという感情は、どうしても受け入れられなかった。
■ シナリオ
チャプター4までは良かった。
生きる難しさ、掴み取る勇気、人とのふれあいが描かれ、メッセージは確かに伝わった。
しかし、優子の設定に強い拒絶感を覚えた。
虐待、強姦、そして生きられないという展開。
それを通して「幸せとは何か」「生きるとは何か」を描こうとする意図は理解できる。
でも、なぜそこまでしなければならなかったのか。
そんなことでしか、人生の意味や幸せを描けないのか?
物語の中でまで、現実の痛みを突きつけられる必要があるのか?
理想論は、誰かに言われなくても、現実に横たわっている。
「おとぎばなしはひとつじゃない」――
その言葉のもとに舞台を二つに分けた構成も、ラストチャプターで全てが崩れた。
■ グラフィック
演出面は前作同様、非常に高水準。
シナリオと画面が一体となったインタラクティブな演出は、他に類を見ない。
OPムービーは新海誠によるもので、最高の出来。
EDのアニメーションも素晴らしく、一見の価値あり。
本編CGの枚数も非常に多く、紙芝居形式を超えた次世代の表現と評価できる。
■ ヴォイス
キャスト陣の演技は圧巻。
特にモノローグ部分は、語り口が自然で心にすっと入ってくる。
■ サウンド
一曲だけ違和感のあるものがあったが、全体としては作品にマッチしていた。
■ システム
基本的なADVシステムを搭載。
バックログで背景まで巻き戻せるのは特筆すべき点。
選択肢は一つのみ。
攻略時間:約8時間|難易度:易
■ 総評
この作品を認めることができなかった。
メッセージや演出の完成度は高い。だが、その土台が壊れていると感じた。
現実の辛さを物語に持ち込むことが悪いとは言わない。
でも、物語の中でくらい、救いのある形で描いてほしかった。
これがminori作品の最後になる。
もう、プレイすることはないだろう。