【レビュー】FORTUNE ARTERIAL|8月儲の歓喜と困惑、そして姫の不在
評価:74点(クラスB)|ジャンル:学園伝奇ADV|ブランド:オーガスト
■ 短評
僕とオーガストという論文が書けるほどの8月儲だけど、今回はちと厳しい。
「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『おれは今からやっと本編が始まるんだと思ったら、いつのまにかエンディングだった』」
■ シナリオ
箱庭感の欠如が響いた。
舞台は島だが、人や歴史の繋がりが薄く、8月らしい世界観が感じられなかった。
設定の黒さが敗因ではない。
ただ、主要キャラ5人の扱いが軽く、グランドルートでの伏線回収も尺不足でケアが足りない印象。
それでも、悠木陽菜は心の支え、東儀白はアイドルとして輝いていた。
しかし、姫の不在は大きかった。
千堂瑛里華がそのポジションに成りきれなかったことが、8月儲としては何よりも悲しい。
「紅瀬桐葉」は甘すぎた。
キャラ同士の距離感が近すぎて、姫たるアイデンティティが崩壊してしまった。
キャキャウフフだけなら他メーカーでもできる。
8月の主要成分は、はんこ絵・超展開・姫・幼馴染・超科学。
それらが揃ってこそ、8月作品なのだ。
■ グラフィック
べっかんこう先生のはんこ絵、健在。
OPはまずまず。EDはキャラごとに背景が異なり、演出としては文句なし。
ホエホエ氏のカットインも懐かしさを感じさせる、洗練された演出。
■ ヴォイス
観村咲子さんの演技は好演だったが、物語の重さに対して荷が重かったかもしれない。
サブキャラも固めていたが、結末を知ると煮え切らなさが残る。
■ サウンド
EDなどに設定の雰囲気が滲み出ていたが、特筆すべき点はなし。
■ システム
基本的なADVシステムを搭載。
ムービー初回スキップ不可はややストレス。
ウインドの表情アイコン、SD選択、背景の質など、演出面は洗練されている。
5人クリア後にグランドルート解放。
攻略時間:約20時間|難易度:易
■ 総評
悪くはない、でも良くもない。
平凡な作品に埋もれてしまったことが、何よりも悲しい。
キャラを最後まで丁寧に描いてほしかった。
グランドルートが蛇足で済むのは、超展開があるからこそ。
今回のように前提にしてしまうと、キャラルートが軽くなりすぎる。
74点でここまで言うのは、それだけ8月に期待しているから。
だからこそ、次回作にこそ、あの「姫」の輝きをもう一度。