【レビュー】月光のカルネヴァーレ|Nitro+復活を告げる“狼と人形の謝肉祭”が開幕
『月光のカルネヴァーレ』は、Nitro+(下倉バイオ)が約4年ぶりに放つ本格ゴシックノワールADV。
離れていた旧友と再会したような感覚すら覚える、往年のNitro+ファンが待ち望んだ一作です。
短評|Nitro+(下倉バイオ) はじまったな!
市場が求めていた“あのNitro+”が帰ってきた。
狼と機械仕掛けの人形が織りなす謝肉祭が、ついに幕を開ける。
シナリオ|娯楽としてのNitro+が完全復活
攻略対象は4人、エンディングは2種類。
超大作でありながら、最後まで飽きさせない構成です。
求めていたのは「娯楽」
Nitro+に望んでいたのは、昔も今もただ一つ──娯楽であること。
虚淵玄らが築いた伝統である“ストイックでスタイリッシュな世界観”に、燃え展開を挿話として挟み込む構成。
そのために必要な軽快なテキストが、本作では見事に復活しています。
戦闘シーン多め、だがテンポは抜群
戦闘シーンは非常に多いものの、間を繋ぐテンポが軽快で、ダレることがありません。
挿話の入れ方も巧みで、読み手を飽きさせない構成が光ります。
“死にたがり”からの脱却
近年のNitro+作品は死の慢性化が目立ちましたが、本作は違う。
明るくはないが暗すぎもしない、キャラクターたちの生への渇望がしっかり描かれています。
キャラが立ち、強烈な存在感を放つ──これぞNitro+の真骨頂。
二つのエンディング、どちらも“本物”
トゥルー/バッドではなく、どちらも“あり得る未来”。
好きな未来を選べばいいという構成は、やや弱気にも見えるが、ユーザーに委ねる潔さも感じられます。
壮大なスケールと力強い進行
荒唐無稽であっても面白ければ正義──Nitro+ほどこの言葉が似合うメーカーはありません。
燃え、感動(久々に泣いた)、ギャグ。
萌えは無いが、Nitro+らしさが完璧に再現された一作です。
グラフィック|文句なしのキャラデザと安定の背景
キャラデザは安定のクオリティ。背景やアーティファクトの描き込みもいつも通り丁寧。
演出はやや単調ですが、文章ウィンドウの趣向は面白い試みでした。
ヴォイス|Nitro+のキャスティング能力は異常
杉田智和のツッコミ性能がMAXで卑怯。
独白パートでは某キャラが脳裏をよぎり、笑わずにはいられない。
若本御大も安定の存在感。
キャラに命を吹き込むキャスティングが完璧で、ユーザーが喜ぶポイントを完全に理解している布陣です。
女性陣も優秀で、「紅野ミア」は特に光る演技でした。
サウンド|ZIZZの安定感は健在
OP・EDともに高品質。
BGMも劇中の雰囲気をしっかり支える名曲揃いで、音楽面のスランプは一切感じません。
システム|重いが、遊びやすさは十分
基本システムは問題なし。ただしとても重い。
原因は不明ですが、動作の重さは気になるポイントです。
死亡フラグが多く、回避しきれない場面も。
攻略時間は20時間以上。
オールコンプで祝いの一枚絵が解放されます。
総評|Nitro+よく帰ってきた!
「ゴシックノワールADV」というジャンル名に偽りなし。
ようやく“書けるライター”が戻ってきたという安心感があります。
欠点を挙げるなら、
- 長すぎる
- 戦闘シーンが多すぎる
- エロシーンが長い
- システムが重い
しかし物語に大きな不満はなく、嫌なキャラもいない。
キャストとキャラの魅力が圧倒的で、面白くないキャラが一人もいないのは本当に凄い。
特にルナリアとダヴィデの掛け合いはもっと見たかった。
ルナリアの弱ツンデレも最高。
長いので、週末にじっくり堪能するのが吉。
評価|82点(クラスA)
Nitro+復活を感じさせる、ファン必見のゴシックノワールADV。
旧Nitro+儲なら間違いなく刺さる一作です。