【レビュー】ひぐらしのなく頃に|「惨劇なんて無い、あったのは悲劇と喜劇。」4年越しで辿り着く祭囃子編の答え
短評|「惨劇なんて無い、あったのは悲劇と喜劇。」
鬼隠し編から祭囃子編まで、4年間追い続けた物語の終着点。
その結末は、まさにキャッチコピー通りだった。
シナリオ|性善説の上に構築された“最高の解”
鬼隠し編から始まり、毎編ごとに提示される「なぜ」「どうして」。
凄惨な事件、どうにもならない展開、ヤキモキする読者。
しかし祭囃子編に至り、それらはすべて終わりを迎える。
物語の根底に流れるのは性善説。
作者の“思い”のようなものが確かに感じられる。
推理ゲームとしてのひぐらし
初期のひぐらしは、作者が「推理」という形で提示した物語だった。
今となってはその推理要素は形骸化したが、
作者が用意した“解答”に異を唱える人も多く、議論が盛り上がった。
しかし、どれだけの人が途中で脱落したか──
そんなことはナンセンスだ。
物語に引き込む力があった、それだけで十分。
BADENDの連続から、ついに辿り着く“最高の結末”
鬼隠し~皆殺し編までは、どれもBADEND。
犯人がわかっても、結末を見なければ完結とは言えない。
祭囃子編は、今まで積み上げた要素の上にある最高の解。
これを見ずして、何を読んだ気になれるだろうか。
「もうこれ以上、どう転んでも幸せにしかなれない物語」
それが祭囃子編。
各自、己の目で刮目せよ。
グラフィック|竜騎士絵でないと落ち着かない
独特の竜騎士絵。
最初は抵抗があっても、読み進めるほどに“これでないとダメ”になる不思議な魅力。
ヴォイス|無し
声が無いからこそ、想像が広がるタイプの作品。
サウンド|ED「そらのむこう」が沁みる
ED曲「そらのむこう」(歌:結月そら)が素晴らしい。
知らなかった歌い手だが、心に残る歌声だった。
システム|一本道、そして“かけらあつめ”の焦れ
基本システム搭載。
「攻略なんてない、あったのは一本道。」
まさにその通り。
祭囃子編の“かけらあつめ”は正直もっさりして焦れたが、
TIPSを先に読ませ、物語の補完を済ませた上で終幕に集中させるための仕掛けだったのだろう。
総評|同人ゲームがここまで広まった“奇跡”
同人ゲームがどのようにして多くの人に読まれるのか──
ひぐらしはその成功例として非常に興味深い。
最初はホラーとして広まり、次に“謎”で爆発した
最初は「怖い!」という話題性。
次に「犯人誰だよ!」という推理熱。
絵のハードルも高く、ネームバリューも無かった。
それでもプレイされ続けたのは、物語の力があったからだ。
型月との比較
同じ同人出身の型月も、文章と絵の両輪があったからこそ成功した。
ひぐらしは絵のハードルが高かった分、より“物語力”が試された作品だった。
文章を読ませることの難しさ
興味のない人に文章を読ませるのは難しい。
話題性は一過性になりがちだが、ひぐらしはそれを結果に昇華した。
作者の姿勢に泣かされる
作者曰く、
「現実世界はこんなにも優しくない、でもこの作品には一つの魔法がある。他人を信じることで発生する奇跡。」
泣かせるじゃないか。
そして作者は「これはエンターテイメントだ」と言った。
ならば、それがすべてだ。
8つの物語を追い続けた4年間
「次の話はまだか」と心待ちにした作品は、そう多くない。
ひぐらしはその一つだった。
ありがとう、しおんのおっぱい。さらば。
■ 85点(クラスA+)