【レビュー】Horizont -ホリゾント-|挑戦的なSF世界と不器用な見せ方が同居する処女作
■ シナリオ
なんでかなぁ……。
個人的に期待していたSF作品「ホリゾント」。
舞台はエネルギーデバイスによって進歩した未来世界。
地球と月が戦争状態にあり、その間に割って入る第三勢力──海賊。
彼らが持つ力の源は、決戦人型兵器「マシンデバイス」。
設定だけ見れば十分魅力的。
では、この設定をどう料理するか?
選択肢は大きく3つ。
- どちらにも属さず、日常と戦闘を描く
- 第三勢力として戦争を解決する
- どちらかに肩入れし、戦争を終わらせる
実際の展開も大方この路線に沿う。
地球側の勝利がないのは、劣勢なので仕方ないかもしれない。
● 問題は“展開の雑さ”と“投げっぱなし感”
ヒロインは4人。
謎の少女ティー、接頭語が多い姉、オペレーター、敵のエースパイロット。
キャラ設定は悪くない。
しかし──
主人公の葛藤が掘り下げられない。
物語の根幹となる謎が解決されない。
エンディングは呆然とするほど投げっぱなし。
後半のシリアス展開も噛み合わない。
辞書リンクでの解説も、狙っているのか本気なのか判断に困る。
テーマが被っている作品(EVAなど)を意識しているのは分かるが、
その“わけのわからなさ”の上にシリアスを乗せるのは無理がある。
どうせなら、ご都合主義全開でナデシコ路線に振り切れば良かったのに……
というのは完全に自分の好みだけど。
● とはいえ、悪くはない。見せ場もある
シナリオの不備は多いが、大崩れはしない。
見せ場もあるし、良いルートもある。
SFに必要な要素は揃っているし、海に潜ったり宇宙に出たり、
心憎いオマージュもある。
キャラもそれなりに魅力的で、掛け合いもまずまず笑える。
● エロは薄い。SFモノならもっと濃くても良い
ただしエロは薄い。
SFモノはもっと濃くてもいいと思う。
敵側にまで気を配っている点は理解しているが、
バルド的な方向性を期待していたので少し物足りない。
アーデルハイトの攻略は難しい。
■ グラフィック
ムービーは凄い。
無駄に話数形式のOPがあり、サクラ大戦(1・2)を思わせるクオリティ。
演出としては非常に有効で、臨場感もある。
ただし入れ方がやや雑。
キャラデザは悪くなく、背景も標準以上。
■ ヴォイス
フルボイス。
主人公の声はいらないので消してプレイ。
特に上手い・下手と感じるキャストはいない。
■ サウンド
普通。
似た雰囲気の作品が多く、特筆点はない。
■ システム
基本システム搭載。
クイック機能が欲しい。
推奨スペック以上の環境(P4-3.2HT、メモリ1GB、RADEON9600 256MB)でも
なぜか糞重い。
ウィンドウモードだとストレスが溜まる。
不具合も多そうで、OHP参照推奨。
ねこねこマシンを思い出す挙動。
難易度は普通。
バッドを見ないとCG回収できないなど、最近の作品にしては難しめ。
アーデルハイトの突入条件は未だによく分からず、
久々にコマンド総当たりをやった。
■ 総評
挑戦的な作品であることは間違いない。
処女作としては評価したいし、これを踏み台に次回作があるなら頑張ってほしい。
最近は単発で消えるメーカーが多すぎる。
せめて2回くらいチャンスがないと、できるものもできない。
方向性は悪くない。
次は演出よりもシナリオに力を入れてほしい。
辞書テキストに力を入れるより、物語の結末をしっかり作るべきだ。
好きなキャラは刹華。
良い姉キャラ。
■ 68点 クラスB