【レビュー】君が呼ぶ、メギドの丘で|Leafが挑んだ3D本格RPGの評価と課題
■ 短評
ストーリーとシステムが織り成すハーモニーこそRPGの醍醐味。
本作はその理想に挑んだ意欲作だが、完成度には大きな揺らぎがある。
■ シナリオ
Leafが手がけた3D本格RPG。
随所に見せ場があり、キャラクターの葛藤も丁寧に描かれている一方、イベント量や構成面での粗が目立つ。
良かった点
- キャラクターの葛藤がリアルで、見せ場も多い。
- 主人公がいじられ役という珍しい立ち位置で、Leafらしさが光る。
- 悪人がほとんど登場せず、優しい世界観が形成されている。
気になった点
- イベント量が少なく、キャラ同士の絡みも薄い。
- Hシーンが短く、キャラによっては1回のみ。
- 全体的にナンセンス気味で、エンディングの完成度が低い。
特にエンディングは物語の核心を描き切らず、プレイヤーのカタルシスを奪ってしまう構成。
「盛り上がりの直後に唐突に幕が下りる」ため、満足度は大きく損なわれている。
■ グラフィック
キャラクターデザインは良好で、3Dモデリングも安定。
HD4850環境では快適に動作し、3D酔いもほぼなし。
カメラ操作を多用すると多少負担を感じる場面もあるが、全体的には見やすい。
スリット衣装など「見えそうで見えない」デザインも魅力のひとつ。
OPムービーはAIC制作で高品質。
大和田さんの名前を見つけて嬉しくなるファンも多いはず。
■ ヴォイス
キャストは非公開。
マリアの声が飯塚雅弓に似て聞こえるなど、耳に残る演技が多い。
■ サウンド
OP・EDともにまずまずの仕上がり。
ただし「下川いなくね?」と感じる人もいるかもしれない。
■ システム
基本はオーソドックスなターン制コマンドRPG。
ゲームパッド推奨。
気になったシステム面のポイント
- エンカウント率が非常に高い。戦闘に時間を取られすぎ、同じマップを延々と歩くことに。
- 行ける町が1つしかなく、広大な世界観を活かしきれていない。
- Hシーンが全体で9つ程度と少なく、ジャンル的に物足りない。
攻略時間は約40時間。難易度は「普通」。
エクストラボスは未挑戦でも問題なし。
■ 総評
Leafが挑んだ本格3D RPGとして、ビジュアルやシステムは一定の完成度を持つ。
しかし、物語の構成力とエンディングの弱さが致命的で、RPGとしての爽快感が不足している。
特に、ラスボス前の盛り上がりを無視して唐突に物語を締める構成は、
プレイヤーが求める「カタルシス」を大きく損ねている。
物語を最後まで描き切る姿勢が欠けている点は否めない。
教訓としては、「巻き戻したならば繰り返せ。さもなくば巻き戻すな。」
物語の必然性を軽視した構成が、作品全体の評価を押し下げてしまった。
■ 55点 クラスC