【レビュー】巫女舞|爽やかな感動と丁寧な物語が光るエチュードの処女作

【レビュー】巫女舞|爽やかな感動と丁寧な物語が光るエチュードの処女作

■ シナリオ

エチュードの処女作となる本作。
発売前はサントラ特典などの売り方に不安を覚えたものの、実際にプレイしてみるとそんな懸念は不要だったと感じさせてくれる内容でした。

舞台は過疎化の進む山村と神社。
同じ“田舎”を扱っても、D.O作品とはまったく異なるアプローチで描かれており、独自の空気感が魅力です。

シナリオは久々に「良い」と感じられる完成度。
AirやSNOW形式の構造ではあるものの、それを差し引いても物語の魅力が際立っています。
セリフ回しが巧みで、言葉に重みがあり、キャラクターが“生きている”と感じられる点が特に印象的。

エンディングも大きな破綻や矛盾がなく、奇跡が起きてもきちんと辻褄が合う構成。
爽やかな感動を届けてくれる良質な物語です。


■ グラフィック

OPムービーとEDロールを収録。
OPは標準的ですが、EDロールは上半分で切るカットが印象的で、久々に新鮮さを感じました。

CGの出来は高く満足度が高い一方、アイコンやキャラ選択画面の2頭身キャラはやや弱め。
ここだけは改善の余地があると感じられます。


■ ヴォイス

キャストは非常に豪華で文句なし。
キャラクターの魅力をしっかり引き出す演技が揃っています。


■ サウンド

OPとEDはI’veが担当。
OPはKOTOKO、EDはMOMOと、ブランドらしい安定感のある楽曲構成。
BGMも作品の雰囲気に合っており、全体として高水準です。


■ システム

基本的なシステムは一通り揃っており、クイックセーブは1箇所、セーブ枠は80。
必要十分な構成です。


■ 総評

丁寧に作られた良作。
ストーリーを大切にしている姿勢が随所に感じられ、CGも美しく、エロ要素は控えめながら満足度は高いです。

攻略キャラは4人+トゥルールート1人の計5人。
この手の作品はトゥルーエンドの締め方が全体の評価を左右しますが、本作は納得のいくラストで締めくくられています。

巫女萌えを前面に押し出した戦略かと思いきや、しっかり意味のある設定として機能しており、作品全体のテーマにも寄与。
エチュードの今後にも期待が持てる仕上がりです。

お気に入りキャラは琥珀。
誰がヒロインか──そんなことは些末な問題です。

■ 85点 今年の上位候補