【レビュー】マヴラヴ オルタネイティブ|延期の果てに辿り着いた“完全なる終着点”

【レビュー】マヴラヴ オルタネイティブ|延期の果てに辿り着いた“完全なる終着点”

■ はじめに

長かった。本当に長かった。
延期祭りの終焉を迎え、ようやくこの作品が日の目を見ることになったのは、
儲たちのFD購入支援や、関係なく乱打されるライブへの参加意欲があったからこそ。
月日は流れ、「時間が一番残酷で優しい」という言葉を噛みしめるほどの歳月だった。

一本道で迷いにくく、一般的なプレイタイムは24時間前後。
そして──念のために言っておくとちゃんと完結している
スピンオフの余地すらないほど綺麗に締めてくれた。

ネタバレ無しで語るのは不可能に近いため、以下は全開レビュー。
閲覧する方はクリア済み、もしくはネタバレ覚悟でどうぞ。

「これで泣けない、感動できないという人は病院へ行くべき。」 90点


■ シナリオ

今作の位置づけは、マヴラヴで描き切れなかった
すみか・カスミの補完、そしてグランドフィナーレ
学園編とオルタ編が一本の線で繋がる瞬間が訪れる。

根底にあるのは「平行世界」と「観測者」。
SFとしての骨格はしっかりしており、伏線の回収テンポも見事。
特に以下の2点が最大の焦点だった。

  • オルタ世界に“かすみ”が存在しない理由
  • オルタネイティブ4計画の真相

武が10/22にループした地点から物語は再開。
多次元干渉・平行世界移動──その鍵を握っていたのは、
オルタ世界の“すみか”だったという真相が明かされる。

学園編での違和感(猫など)もここで回収され、
「なるほど、そう繋がるのか」と膝を打つ構成。
ループを一度だけにした判断も潔く、
マヴラヴ編で積み重ねたループがここで意味を持つ。

● 戦争モノとしての側面

SFを取り除けば、これは戦争物語。
人間の在り方、想い、恐怖、死──
それらを王道的手法で描き、感動と涙を誘う。

ただし、死亡フラグの連打はやや過剰。
まりも・みちるまでは理解できるが、
三月や遥まで落とす必要があったのかは疑問。
死ぬたびに部隊内でセリフ回しをする構成はテンポを損ねていた。

● サブキャラの扱い

分量が増えた分、どこでフォローが入るのか楽しみにしていたが、
「ここで来るか!」という場面が多く、ファンは歓喜するはず。
完結させるという意気込みは確かに伝わった。

● ラストについて

最後の最後まで気が抜けない展開。
特に印象的なのは、スカブ内戦闘でのベータとの対話、
そして武と冥夜の危機に呼応するように再起動する00システム。

ご都合主義に見えるかもしれないが、
これは本作のテーマである「強く持つべき想い」の結実。
すみかの想いが無駄にならず、ラストに集約される構成は見事。

すみかの死によって要因が除去され、
彼女の望む世界へ帰る──
そしてカスミの「ありがとう」。
この瞬間の破壊力は凄まじい。

ベータ戦の決着はついていないが、
宇宙規模の侵攻を考えれば、ここで物語を閉じるのは正しい判断。
武という“リード”はここで降りるべくして降りた。

18禁要素は薄く、回想も無し。
抜けないゲームとして認定。


■ ヴォイス

武=保志総一郎、子安の渋い出演、
そして君望キャストの継続──
これが本当に良い。
若本は相変わらず若本。


■ グラフィック

起動画面をワイド化したのは大成功。
臨場感が段違いで、演出上の必然性も高い。

動画を惜しげなく投入し、クリック無効化の強制オートもアリ。
雪の落下や表情の細かさなど、画面効果の作り込みは圧巻。

敵アーティファクトのグロさは世界観の嫌悪感を表現するためのもの。
戦術機のデザインはガンダムを超えられなかった感はあるが、
キャラデザが前作から変わらなかった点は驚嘆。


■ サウンド

文句なし。
ただしサウンドモードが無いのは惜しい。


■ システム

基本システム搭載。
回想・サウンドモードが無い点は不満点として残る。


■ 総評

オルタを最後までやらないと、マヴラヴの意味は半減する。
ラストは初めから構想されていたのだろうし、
分割したことでオルタの密度が増したのは間違いない。

延期の宴は結果的に話題を呼んだが、
クオリティが追いつかなかったのが原因だろう。
しかし、完成した作品は間違いなく一流。

どんな世界でもすみかに振り回される武──
それこそがマブラヴ。

露骨な演出で敬遠する人もいるかもしれないが、
物語全体を見れば圧倒的な完成度。
軍隊モノ好きには確実に刺さるし、
どこを切り取ってもエンターテインメントとして一級品。

■ 90点 クラスS