【レビュー】そらふね|FT・SFの“不遇さ”を象徴する惜しい作品。設定の広さに対して消化不足が目立つ

【レビュー】そらふね|FT・SFの“不遇さ”を象徴する惜しい作品。設定の広さに対して消化不足が目立つ

■ 短評|相変わらず報われないFT・SFジャンル

相変わらず、不遇なFT・SFジャンル。
今回もまた報われなかった。


■ シナリオ評価|設定は広いのに活かしきれず。異界も宇宙も“触れただけ”で終わる惜しさ

物語として、ファンタジーを体現できていたのか否か。
そこがまず疑問。

「魔法」の出番はあったのか?
エフェクトもないし、地下迷宮は虫が作ったのか?
「リクツも知らない諸々の事象」はゲートだけ?
「青臭い冒険ごっこ」は一度きり?
夢って結局なんだったの?
宇宙的真実って何?

せっかくの異界フィールドを探検せずに終わるのが悲しい。
宇宙要素が本当に必要だったのかも疑問。

● 大筋は勝ち取って終わるが、物足りなさは大きい

大筋のルートは勝ち取って終わる形式で、なんとか完結はしている。
だが物足りなさは大きい。
メーカーの趣旨もいまいち掴みきれない。

● 設定を活かすには“膨大なシナリオ量”が必要だった

この設定を本気で活かすなら、
・指輪の力でダークサイド堕ち
・万民院占拠
・三匹の古龍に乗って異界旅行
くらいの展開が必要だったはず。

原作(元ネタ)を考えるとツッコミが追いつかない。


■ グラフィック評価|EDは良いが、演出面の不安定さが惜しい

OPは普通、EDはなかなか良い。

ただしパッチを当てないと背景が真っ暗、立ち絵の服装が安定しないなど不具合が多い。
1.2にしても不合理な部分が残っており、演出面は残念。

Hシーンは2〜3回。
キャラデザは味があるが癖も強め。


■ ヴォイス評価|味のあるキャスティング。まきいづみのアシモフは新鮮

キャストは味があって良い。
まきいづみのアシモフは慣れない感じが逆に良かった。


■ サウンド評価|青葉りんご様に歌わせれば良かったのに…

「また青葉りんご様に歌わせればいいのに」と思うゲームが登場。
音楽面は悪くないが、そこだけ惜しい。


■ システム評価|バックログにボイス再生なし。パッチ必須の不安定仕様

基本的システムだが、バックログのボイス再生がないのは痛い。

パッチは1.2まで出ており、当てないとクリア不可。
しかも1.1 → 1.2 の段階式で面倒。

おまけのアフターシナリオが「誰か一人クリアすれば見れる」のも微妙。

難易度:易
攻略時間:10時間


■ 総評|詰め込みすぎて消化不良。設定は面白いのに“活かしきれなかった”惜しい作品

幼心の君が出てきたので「龍は必須だよね?」と思ったら、
意外にも物語の根幹部分だった。
ただしウロボロスではない。そこは重要ではなかったらしい。

ベースは「終わらない物語」と「指輪物語」だろうか。
詰め込みすぎて消化しきれていないし、クロウリも出てこない。

欲張る気持ちは嬉しいが、完成度をもっと高めてほしかった。

名前ネタは良い。
ロボでリルルなら鉄人兵団一択。
そこは嬉しかった。

どうせならルート全体で名前ネタを活かし、
冒険心で彩ればもっと面白い作品になったはず。
考えるほどもったいない。

作品の完成度と物語の展開を合わせて65点(クラスB)