【レビュー】狼と香辛料 ボクとホロの一年|ADV+行商SLGのはずが…? 原作の魅力を活かしきれなかった惜しいキャラゲー
■ 短評|「ちょっと、はずしちゃったみたいだ」──ゲーム中のミス選択肢と同じ感想が漏れる
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| ちょっと、はずしちゃったみたいだ |
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ゲーム中でミス選択肢時に出るこの反応、プレイ後の感想としても妙に刺さる。
■ シナリオ評価|ホロと旅をする一年…のはずが、ツッコミどころ満載の行商旅に
まず、なぜホロが荷馬車を所有していたのかが死ぬほど気になる。
とにかくその荷馬車を徒歩行商人の主人公に「故郷まで運べ」という契約で渡すところから物語が始まる。
そこからホロの故郷の手がかりを探しつつ、主人公が金を貯める旅が展開されるのだが──
● 物価が狂っている世界
- りんご1個:銀1k
- はちみつパン:銀2k
- 酒場の会員権:銀20k(サービスなし)
局所的スーパーインフレ。何かがおかしい。
● 旅の流れ(ほぼ全部書いてしまった)
西の三角州でぽんこつに遭遇 → 年代記作家の場所を知る →
神学者から「ヨイツの森は洪水で沈んだ」と聞く →
ホモ年代記作家から「仲間は北西へ逃げた」と知る →
酒場の金髪ツンテールに街を教えてもらう →
遭難しかける → 高い場台を払う → ようやく到着。
……あれ、全部書いちゃった。
■ グラフィック評価|アニメ版使い回し多め。立ち絵の輪郭が怪しい
OPムービーあり。
ただし立ち絵の輪郭が妙に怪しく、崩壊まではいかないが不安定。
アニメ版素材の使い回しが多く、主人公の服装がロレンスっぽいのも違和感。
商人ならもっとバリエーションあるだろうに。
■ ヴォイス評価|福山潤を別キャラに使う暴挙。違和感がすごい
ロレンス役の福山を他キャラに起用するのはどうなのか。
原作キャストで使っていいのは小清水だけでは?
パラレルワールド設定ならまだしも、違和感が強い。
さらに、ほとんどセリフのないキャラにゴトゥーザ様を起用する意味とは……。
5センテンスくらいしか喋らないのに。
■ サウンド評価|及第点。OPは小清水
サウンドは普通。
OPは小清水で安心感はある。
■ システム評価|ADV+SLGのはずが、どちらも中途半端。スキップ遅すぎ問題
ADV+行商SLGという構成。
しかし──
● ADVパート:ランダムイベント地獄
スキップが遅い、文章表示が遅い、既読ノーウェイトなし。
ADVパートはランダムイベントで、3択を延々と選ばされる。
賢狼ホロでも厳しい戦い。
ただし重要ポイントは当たるまで選択肢を選べる親切設計。
● 行商モード:作業ゲーの極み
「やりこみ要素満載」とパッケージに書いてあるが、実態は買って売るだけの作業。
効率ルートを探すのは多少楽しいが、基本は単調。
周回特典の「商品知識引継ぎ」は地味に大きい。
一周5時間、エンディング12種。
……が、4周でギブアップした。
■ 総評|“お嫁さんホロ”がやりたかっただけでは? 原作の魅力を活かしきれず
結局のところ、お嫁さんホロがやりたかっただけでは?という感想。
原作クラッシャーというか、魅力を活かしきれていない。
「狼と香辛料」は
- ホロとの睦言:60%
- ホロの能力を活かした行商戦:20%
- その他:20%
だと思っている。
ゲームなら60%ADV+20%行商で構成するのは理解できる。
しかし、このSLGはない。
ただ買って売るだけ。
商館イベントも中途半端で、ADVとSLGの境界が曖昧すぎる。
旅の臨場感を煽るADVが欲しかった。
行く先を選ぶだけでは弱い。
1〜2周はまだいいが、それ以降はシステム的に苦しい。
見所は……サーセン。プレイすればわかる。
総合すると60点(クラスC)。