【レビュー】つよきす 2学期|“二学期”の名を冠しながら、続編でもリニューアルでもない中途半端さが痛い
■ 短評|大崩れはしない。しかし理解に苦しむ出来
致命的に破綻しているわけではない。
だが、「なぜこうなった?」という疑問が最後まで拭えない。
そんな作品だった。
■ シナリオ|攻めない。掘らない。変えない。なのに改悪されている不思議
まず言いたいのは、まったく攻めていないということ。
既存キャラのシナリオは前作の焼き直し……どころか改悪。
ほとんどいじっていないのに改悪できるのは逆にすごい。
「二学期」と名付けたからには、続編かサイドストーリーが来ると思うのが普通。
しかし実態はリニューアル版に近いのに、その説明が一切ない。
前作を掘り下げろとは言わない。
同人感覚で楽しむ覚悟もしていた。
だが、前作まんまの構成を中途半端に端折っただけでは、
ユーザーはどう楽しめばいいのか。
● ターゲット層が不明すぎる
前作未プレイなら「そこそこ遊べる」レベル。
前作プレイ済みなら地雷倍率ドン。
誰に向けて作ったのか本気でわからない。
● 唯一の救い:新キャラ「瀬麗武」ルート
完全新作ルートで、ここだけは評価できる。
だが、属性もキャラ設定も活かしきれていない。
● 世界観への理解が浅い
脇役の存在意義が消え、主人公の性格もブレブレ。
この世界を本当に理解しているのか疑わしい。
正直、そこらのSS書きに任せた方が数倍良いものができたと思う。
● 生き残る道は二つしかなかった
・タカヒロを徹底的にトレースする
・世界観をぶち壊して奔放にいじる
このどちらかしかなかったのに、
どっちつかずの中途半端さで終わってしまった。
失望は免れない。
■ グラフィック|EDムービーは良い。キャラデザも踏ん張った
OPは普通だが、EDはかなり良い。
キャラ別エンドムービーを用意した点は評価したい。
キャラデザも違和感は少なく、よく踏ん張ったと思う。
まったりエンドのアスラーダCGにはニヤリ。あと3年だな。
■ ヴォイス|全体点数の9割を支える“キャスト力”
安心して楽しめるのは声だけ。
掛け合いは最高。
だが、あまりにも無駄遣いされていて悲しくなるほど豪華。
■ サウンド|特筆なし
特に語るべき点はない。
■ システム|選択肢が形骸化。余力のなさが透けて見える
基本システムは問題なし。
ただし、シンボルチョイス式のルート選択は良いとしても、
進行中の選択肢が完全に形骸化している。
ここにもシナリオの薄さ、余力のなさが表れている。
難易度:易
攻略時間:12時間前後
■ 総評|前作プレイ済みほど刺さる“凶悪仕様”。だがキャストのために買ったなら悔いはない
結論:地雷。
前作プレイ済みならさらに倍率ドン。
「だから言っただろう」という声が聞こえる。
予防線を張りまくっても、良作とは言えないレベルだった。
ただし、キャスト陣だけは裏切らない。
声のためだけに買ったなら悔いはない。
さぁ、漏れの屍を超えて行きなさい。
■ 60点(クラスC)