【レビュー】こんねこ|奇をてらわず、ただ素直に“良い”と言えるハートフル作品
■ シナリオ
金色猫又物語──略して「こんねこ」。
そんな郷土伝承が息づく町を舞台にした、主人公たちの物語。
学園モノでありながら、ほんの少しのファンタジーが混ざることで、
“奇跡があってもいいじゃない”と思わせてくれる優しい世界観。
かわいそうな設定を背負ったキャラが多いのに、
それを重く感じさせないシナリオ運びが◎。
設定を生かすも殺すもシナリオ次第だが、
本作はそれを逆手に取り、しっかり生かしきった良作だと思う。
会話のテンポ、展開の妙、どこを切っても標準以上。
エンディングもすっきりしていて気持ちが良い。
ただし七海ルートだけ、ED後のおまけで補完される構成は少し謎。
なぜED後に挿入しなかったのか……。
感動作というより、素直に「いい話」。
そんな作品。
■ グラフィック
綺麗な立ち絵、綺麗なCG。
キャラがとにかく可愛い。萌える。
絵師のタッチが非常に好み。
背景も問題なし……と言いたいところだが、
ラブホ背景くらい描こうよw
削る場所そこじゃない。
OP・EDもそれなりに良い出来で、全体的に安定感がある。
■ ヴォイス
破壊力抜群のキャスティング。
安心して任せられる布陣で、演技面は文句なし。
■ サウンド
EDが珠玉の一曲。
BGMもじっくり聴くとかなり良い。
作品の雰囲気にしっかり寄り添っている。
■ システム
基本システムは揃っており、まずまず。
ただしコンフィグはしょぼめで、もう少し頑張ってほしい。
バグは特に見当たらないが、スキップが重いのは不満点。
■ 総評
私の中で「2004年なんでもないけど、これいいよ作品」に選出。
過去の該当作はぱれっとの『愛cute』で、これが2作目。
いやー良作。
こういう系統の作品には本当に弱い。
素直に楽しめるし、変化に乏しいと言われればそれまでだが、
こういう“ちょうどいい作品”を作れるメーカーが減ってきたという警鐘も込めて推したい。
純粋にゲームを楽しめなくなったら卒業か引退。
でも「あぁ、楽しいなぁ」と思えるうちは現役。
無理に楽しむ必要はないけれど、
こんねこは自然と楽しめる“ハートフル作品”だと思う。
王道・お約束の中にも、今でもウケる要素がしっかり詰まっている。
ライトな展開、しんみり、ハッピーエンド。
奇をてらわなくても十分楽しい。
こんねこの魅力はまさにここにある。
好きなキャラ:七海(甲乙つけがたいけど、やっぱり七海)
■ 79点
点数だけがすべてじゃない。
見えない部分で「良い」と感じたら、それはそれで価値がある。