祝福のカンパネラ |
■ 短評 ■ |
恋するオートマタは流星群の夢を見る。 |
■ シナリオ ■ |
世界を覆うエールを巡るお話。 意外と言っては失礼かもしれないけど、まとまったFT作品だなと。 作品の体裁として、一つのクランとキャラを集めて、クエストをこなし問題点を露出させキャラ毎の敵と対峙し、解決。 風味としてのRPG的な展開をうまく利用していた。 キャラ個性としても豊かではある。 ただミネット、オートマターの属性が妹キャラじゃなくてもいいと思うんだがなぁ。 メインはストーリーを見るに、カリーナぽいんだけど。 ボーイミーツガールの要素を与えているのであれば、妹属性はどうなんだろう・・・。 アニエスと若干被ってねーか? 同年齢ダブルヒロインで味を出して欲しかった。個人的な要望として。 プレイしていて扱いづらいんだよなぁ、漏れにその手の属性が無いのが理由なのかもしれんけど。 一番評価したいと思う部分がラストまでの過程。 この手の作品るにありがちな、キャラルートに入ってもラストが同一の敵でその流れまでが違うという物がでは無く、 今作はキャラ毎に最終のボスが違いそれぞれシナリオが違う。 最低限そうして欲しいと思うラストまでの経過が作られており、 それぞれのラストバトルでの見せ場が楽しめる。 流れは言ってしまえばよくある元気玉パターンではあるけれど、興を削ぐものではなかった。 チェルシーとアニエスのラストバトルは特に面白い。 特にアニエスの塔を上ってっう展開には堪らなかった。くぅ〜。 なんだか最近同じ塔に登るラストで見事にしらけさせた某作のフラストレーションが開放された気がしたよ。 舞台装置としての塔というのは漢のロマンだよ。 魅力的な攻略不可キャラになりそうだった、トルティア姉妹をEXルートに当てるという心憎い気遣いが嬉しい。 欲を言えば、ちゃんとしたルートを用意してくれればもっと嬉しかったが。 設定が出来ているようなので、FD化も視野に入れているなという感はあるけれど、 ちゃんと対象として据えていたので、これはこれでという感じ。 |
■ グラフィック ■ |
OPが素晴らしい。楽曲の良さもさることながら、Mju:z総出での製作は流石の出来。 大満足のOPです。 こーちゃー氏が2年ぶりぐらいで戻ってきた。 十分なキャラクター数が用意出来ており、シーン数もだいたい3回あるのでボーダーかと。 RPG風味なシステム演出も場を盛り上げる、大道具としてよく機能している。 ラストバトル近辺での演出は王道であるが故に、とても眩しい。 |
■ ヴォイス ■ |
この近隣のソフトでも出演されているようですが、子太明がいらっしゃいます。 ベテランはイイヨーイイヨー。かっこいいよー。 それを含めてではありますが、なかなかのキャスティング。 雅姫乃さんも凄いおいしいスタンスのキャラを演じていて、心温まる。 メイン四人の名義はなんとかして欲しいところです。 サブキャラの名義が有名だからなぁ、無闇に脇も堅いんですがね。 |
■ サウンド ■ |
時に人はみな〜 愛にひどく戸惑うけれど〜♪ 名曲爆誕! このイントロ好きだなぁー。メロ2からサビにかけての盛り上がりとサビ辺りの声の抜けが気持ちいいです。 OPの祝福のカンパネラ/佐藤ひろ美&NANAは超強力タッグでした。 作曲がElements Gardenの上松さんですが、昨年の水樹あたりから今が一番旬な気がします。 光ってるよ。 BGMも質が高いです。 |
■ システム ■ |
基本的システム。 音声収録漏れの為、パッチがリリースされています。 が、どこが抜けているのか確認するためにパッチを当てずに進行してみたところ、 アニエスの一部通常シーンで、エフェクトがかかり音がこもっている箇所と。 ニックの一部通常ルート音声が抜けていました。 当てなくても進行に問題はありませんでした。でも折角の子太明さんなので当てましょう。 メイン4人クリアで、トルティア姉妹EXルートが開きます。 難易度、易。 攻略時間、16時間。 |
■ 総評 ■ |
ういんどみるOasisとして2作目なのか、ブランド分けする理由が見当たらないけれど、 今作品ははぴねすと比べて存外出来がよい。楽しさをクリエイトできていた。 OPとOP楽曲が最高。 ういんどみる的なキャラとの掛け合いは健在だし、 最近のイチヤイチャっぷりは流石に影を潜めるけれど、雰囲気はある。 テキスト調も睡眠導入・・・とまではいってないくらいの起伏はある。 ストーリーの中だるみも最低限で済んでいるし、まぁそれは中継地点が一緒であるだけに避けられない所。 その分ラストは分岐していたのでキャラルートのまとまりが良い。 Hシーンも最低限ある。 サブキャラフォローも行っている。 死角なしの良作かと。 ではなにが、残りとして足りないのか。 オートマター、ミネットさんがもったいないなぁ。これもっと出来るだろう・・・。 本来こいつがもっと強力なら、この祝福のカンパネラという作品を唯一無二に出来たと思うんだが。 余談として、シェリーメイクラフトさんは何者なんですかね。女神説を唱えたい。 |
■ 79点 クラス A ■ |