終わりなき夏 永遠なる旋律 |
■ 短評 ■ |
オルタワールドの一片を切り取り、ageイズムを踏襲した味塩ロケッツが魅せてくれた快作。 これはいい・・・。 |
■ シナリオ ■ |
ちょっとした泣きゲーも作れるんだねぇ、ベタだけど。 そんなベタな作品に泣かされるのが漏れなんですが。 さて!お待ちかねφの新作にして、ロケッツ様5-6作品目の今作「終わりなき夏 永遠なる旋律」ですが、 事前情報通りの作品でしたので、あの手が苦手な方にもオススメ。 それでいて、オルタワールド/1996年夏というのが九州地方でどういったものであったのか、 当時日本の情勢がどういうものであったかといういうのを匂わせてくる。(相変らずBGM越しですが) そういったフィードバックだけでも、なんか胸が一杯になれた。いやだってさ・・・。 短評のageイズムというのは、主人公キャラの性格付けとかの話。いやーもう期待していいよ、こいつはw 共通ルートも結構量があったけれど、個別ルートに入っても十分な量があり、かなり楽しませてもらえた。 各キャラ毎の事情というのもベタではあるけれど、あのご時世というフィルターがかかるだけでも相当違います。 設定勝ちな部分は確かに否めないけど、そんなことを気にしない振りをしつつも振り回されてしまう。 そんな時代に生きるキャラというのが等身大で描かれていて、確かにこーいうの得意ですよねーという。 大上律子ルートがグランドルートになっていると思うのだけど、武ちゃんが救った世界の一部が見れる。 武ちゃん・・・。 こうしてまた一つオルタワールドが補完されたわけである。 |
■ グラフィック ■ |
OPはまぁ普通。 スーツのお姉さんいいですね。 澪も確かに、はにはにしたくなる気持ちもわからんでもないが、やっぱり漏れは律子! いいよ・・・このキャラいいよ・・・。絶対いいよ・・・。 Hシーン基本的に4回。尺ともに問題なし。 |
■ ヴォイス ■ |
そうだね、天使だね。 とまぁ一部だけのネタはいいとして、かなり手堅いキャスティングとなっています。 柚原ゆう様の演技が浮いていましたが、それがいい・・・。 あのつながりでひっぱって来たんだろうな。 というわけで、僕らの天使事、ピカリンが毎度のことながら破天荒キャラを演じているのですが、 これがまたおいしいところを掻っ攫っていきつつ、深いキャラクターを演じていらっしゃいました。 最高なんですが・・・最近脇役多いぞ! |
■ サウンド ■ |
特に無し。 |
■ システム ■ |
基本的システム。 rUGPの優秀さというのは毎度書いている通りです。戯画エンジンに並ぶと思うわけで。 攻略時間、20時間。 難易度、易。 |
■ 総評 ■ |
得点以上に満足した自分がいる。 今回は広げた風呂敷を完全・完璧に畳んでくれました。 φにしてもロケッツ様にしても、両者ともに前科ありですから。 ですがageのディレクション能力が如何に優れているのかという事を伝えてくれる。 このコンビはとてもぴったりなマッチングだったなと。 味塩ロケッツというライターは、漏れの中でも日常パートが弱く、滑り出しがどうしても重い印象があった。 それでいて、伝奇系の描写がイキイキとした文字が躍る―――そんなライターだと思っていた。 ただの萌えゲーはやめておきなさいと言った過去がありましたが、 今回でフォセットの汚名返上、少し認識を改めるべきだなと。 土台がオルタワールドである以上、そのステータスをうまく使った物語運びに期待するのは当然だと思う。 そして、その期待にしっかり応えてくれる物語であったというのは、それだけでも評価に値するのではないか。 そう思うんです。 勿論、日常パートという点もあっただろうけど、それでもロケッツらしさが失われていない、 澪ルートなんて、最高じゃない?熱いぜ。 前作プレイが決して必須ではないですけれど、絶対にプレイしていた人の方が楽しめる作品です。 導入としては、むしろこっちから入って、オルタをプレイしても良いかもしれない。 さて後何本買えば、age本体が作品をリリースしてくれるのか、もうそれだけです。 全然関係ないけど、トータルイクリプス漫画化、おめでとうございます。 |
■ 80点 クラス A ■ |