ひぐらしのなく頃に祭 |
■ 短評 ■ |
原作未プレイ者は勿論のこと、原作プレイ者にこそプレイしてもらいたい。 これが最後だからこそ、魅せられるモノがある・・・。 |
■ シナリオ ■ |
シナリオに対しては、過去に既にレビューしたものがあるので、 こちらとwiki(ネタバレ含むので参照注意)を参考してもらいたい。 つまり漏れがこの場で言及すべき事は、どう変わったか?であると思う。 細かな改変を上げれば限りなく、選択肢が付いたことによるルート処理等。 しかし、根本的には、「ルールX、Y、Z」をどの効果的に読者に気づかせるかということだと思う。 そのフラグメント管理は、優秀であったと思う、最初の選択肢で主人公を決め、ルートに入る。 ミスターKルートは、謎欠けであるからして。まぁその編は割愛させていただく。 この辺の話を、人と話し始めると、キリが無く、且つとても面白いのだが。 では、新規書き下ろしシナリオ、「盥回し、憑落し、澪尽くし」であるけれど、 盥回しは頂けない。第一章として銘打たれてはいるが、少々ヒントを出しすぎだろう。 それでいて、なにも生み出さない。ひぐらし導入ルートにしては、無茶がある。みょんが可哀想だし。 憑落しはこれこそ、IF世界。まぁ原作読者が抱えていたひとつの願望を叶えるルート。 「すべてのフラグを持ち越して、綿流しにツッコンでみたらどうなるのか?」という願望、ハーレムでは無い。 スーパーギシアンモード発動です。 そして、祭り囃子編に代わる完結編と容易された、澪尽くし編は・・・ご自分の目でお確かめください。 とは、問屋が卸してくれそうにないので、少しだけ書くとすると。 根本的な手段としての解決策は、祭囃子に乗っかっている。 でもね、その方法が、ルール、X、Y、Zすら打ち破り、尚、各キャラクターの抱える問題を一つ一つ解決していく・・・、 まさに、「強くてコンテニュー編」だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! これが観たかったんだよ・・・という読者様は多いはず。 祭囃子のたかのんのアレコレを延々とみせられ、疲弊した人達は少なからずいると思う。 あれはあれで、ひぐらしワールドには欠かせないものだとは思う。 けれど、罪滅ぼし編で抱えた胸にたぎる炎を消せない、人達へ贈る、 「そんなにたかのんに罪悪感感じなくていいよルート」でもあると言える。 折角立てた、ひぐらしの根底というか屋台骨を揺るがしかねないトンデモルートでもある。 原作プレイ者では否定的な意見もあると思うけれど、ちゃんとたかのんフォローもあるので、 こんな欠片紡ぎがあってもおかしくないはず。 むしろ、澪尽くしを始めにプレイして、祭囃子をやれば完璧ではないのか。 祭囃子には、毒気を抜かれすぎるからね。勧善懲悪とは言わないけど、 エンターティメントの性質から言って、絶対的に澪尽くし編は「面白い」。 簡単なことだけど、難しいことだよ「面白い」ってやつは・・・。 激アツです。鉄甲弾はねーけど、ヤンマーニーがあるし。 そして、この完結編で、ミスターKの方向性をある程度示し、ヒロインは誰か(ここもまたアレだけど)を示したのは、 すごく・・・観てて面白かったです・・・。 みょんの可愛さったらないよこれ、まじで。あーみょん可愛いなちくしょう・・・。 悶えて、萌えて、燃えて、泣ける。 何度もいうけど、これぞエンターティメント! |
■ グラフィック ■ |
一部の人達に変質的なFAN(漏れを含む)が多い竜騎士絵でなくなった代わりに、 より広い層に受け入れやすい、「実践的な」絵になった。 この絵師を褒める点があれば一つ、貶す点があるとするならばそれも一つ。 褒める点、それは・・・みょんのオパーイが大きくなったこと。 貶す点、それは・・・シオンのオパーイが小さくなったことだけダ! ちくしょう・・・ちくしょう・・・、同じ遺伝子であるというのに、何故! なにゆえ・・・そのような凶行に走ったのかキャラデザを責めたいと思う。 おまいはよくやった!だがそれと同時にぼくらのシオンの夢を奪った!なぜだ! 背景もすべて書き下ろされ、すべて作画になった。 この雰囲気が、前と違うという人がいるかもしれない。でも、より平面世界に調和をもたらす背景だと言えると思う。 若干、デェフォルメ気味ではあるが、背景一つとって見ても、並々ならぬ白川郷への愛を感じることが出来る。 グランドOP、澪尽くし編OP、EDともに完成度が高い。 特筆すべき点があるとしたら澪尽くし編ED、新規1枚CG書き下ろしED演出には泣いた。 OVAエルハEDに近い感動を催す。 |
■ ヴォイス ■ |
アニメ版キャスト陣をそのまま移行。 羽生に堀江、やまなこコンビで死角無しという感じだった。 なんとも贅沢なキャストでは無いか。言うこと無し。 何度も思うのだけど、鷹野に伊藤美紀ってこれ以上無いハマリ役だよなぁ・・・。 やはり、声が付くと破壊力が違います。 |
■ サウンド ■ |
OP1、OP2、ED1、ED2ともに、彩音様と、いとうかなこ様。 OP2は「ヤンマーニ」としても使われる非常に大切な楽曲になっており、 大変笑わしてもらいました。 BGMともに非常にクオリティ高い仕上がり。 |
■ システム ■ |
基本システム搭載。 PS2移植にあたって、選択肢が追加され、序盤の行動に「かけら紡ぎ」としての意思性が高まった、と言えると思う。 スタートボタンでの選択肢まで一発スキップ、通常スキップ共に、使用に耐える仕様であった。 ただ、スタートボタンでのスキップではCGの回収が出来ないので注意。 予想プレイ時間: (原作未プレイ時) 100時間 (原作プレイ時、新規書き下ろしのみプレイ場合) 20時間 漏れのプレイ時間: 38時間、新規書き下ろし3作品+解作品すべて |
■ 総評 ■ |
CEROレートとの戦い。そして同人のあのノリをどこまで継承できるかという戦いの一面を持っていたと思う。 コンシューマ化に関して、同人のノリはどこまで引き継げることが出来るか否か。 残虐シーンに関してもそうだし、ネタに関しても。 結果から言うと、大幅に改編された後がある。 そしてそれは、物語的に言えば「とても無粋」であると思う。 CEROレートのユーザーに対しての効力。 でも、その話に関してはまぁ置いとくとして、 ユーザーが確保できるギリギリのレーティングで粘ったというアルケミストの話を聞いて想像に難くないなと思った。 随所のネタを消した代わり、新しいネタを被せ、 血や反社会的なシーンを改変、けれど匂わせる・・・無粋にならないように。 その努力の後はあったし、漏れは褒めたいと思う。 トミーの暴走機関車や赤坂の鉄甲弾、あれらは消えたけれど、それに代わるネタを用意していた。 シナリオの綻びを破綻している部分をなるべくを感じさせない努力もあった。 ならば、それは「かけら紡ぎ」による、「ひぐらし」ワールドの一部ではないのか。 幾千億万のルートに一つに、そんなルートがあるのかもしれない。 そんな、まっくせんまん具合にループモノとしての醍醐味を見た気がする。 漏れは原作プレイ済みの立場で書いたけど、これだけ楽しめたのだから、これはもう上出来でしょう。 嗚呼、みょんのおっぱいよ!永遠なれ! |
■ 90点 クラス S ■ |