キラ☆キラ |
■ 短評 ■ |
衝撃でした、プレイする価値があります。 |
■ シナリオ ■ |
さて、瀬戸口氏の描く特徴とは何でしょうか? 物語の危うさ、主人公心理の危うさ、凄いバランス世界系だと思っています今でも。 ただその持ち味の良さというものが漏れはイマイチわかりませんでした。 だって万人受けしないし、いくらパンクが退廃的だとは言っても・・・、 エロゲやましてはその中劇中劇が人生の縮図とは成り得ない。 またそれは、流石に今作成りを潜めるだろうと、思っていた時期が私にもありました・・・。 と気になる引きをしつつ、「青春恋愛ロックンロールノベル」名に恥じない作品が出来ていると思います。 作品の魅力としてまず音楽。劇中合間合間に挟まれるLIVEシーン、d2bの曲の良さもありますが 盛り上げる場面での「キレ」というものはテキスト以上のものが現れていると思います。 実際、力が入っている楽曲を流すという以上に最適な事は無いですからね。 ただパンクロックとしてはどうでしょうね、わかりません。 サウンドノベルの形式を取り、主人公のモノローグから始まります。 なんて定石なんだと思いつつも、面白おかしく描こうとしているという事は察知出来ましたし、 ちょっと欠けたメンバーですが、それでも何かを作ろう成し遂げようというツアーシーンも青春だと思えました。 そこから分岐し、個別ルートに入り、紗理菜ルートと千絵ルートは安定してました。 ただ安定や平凡というものはロックからかけ離れているらしいので、きらりルートが大変な事になっています。 久々にやらしたなと思える具合です、なんという絶望、切望。 まぁ逆にそれがこの作品を強く印象付けているかと思います、 グランドルート、「幸せにするためにも歌わなくちゃいけない」というセリフはなんと深いセリフでしょうか。 どうか、諦めずにたどり着いて欲しいと思います、勿体無いですから。 |
■ グラフィック ■ |
片倉信二キャラデザ。 ようやく、前線に出れる作品に絡めて幸せなのではないでしょうか。 桑島でもヤマグチでもないライター作品ですが、 物語のパワーというか猥雑さあったキャラクターが描けていると思います。 というか、そうでなくちゃ片倉じゃない! 得意技の魅力的だった紫キャラがいないのが少しばかり残念ですが。 OPムービー、今年の台風目、d2b/キラキラを引っさげたムービーの勢いは一見の価値あり。 グランドEDムービー、あれは設置なんでしょうかねw |
■ ヴォイス ■ |
非公開です。さーてこれどうしたもんかねw まぁ聞けばわかると思います。 |
■ サウンド ■ |
劇中キャラソンだけでアルバムが一枚作れます。そして普通に買いたいです。早く販売してください。 ジャンルがロックですから、流石milktubです。BGMでもだけでもおなか一杯になれます。 サウンドの項目は文句なしです。 |
■ システム ■ |
標準システム搭載。 背景全面のサウンドノベルタイプ。選択肢自動追尾はカットしたほうがいいでしょう。 攻略対象キャラが3人です、ルートは細かいの数えなければ4ルート。 キラリだけ、ENDが二つあります。 初回はturuに行けないのか、それとも3ルートのENDを見なければいけないのか、 詳しいフラグはわかりませんが、ちゃんとturuあります。見てください。 推奨プレイ順というわけでは無いのですが、キラリを最後にした方がいいと思います・・・。 難易度、易。 |
■ 総評 ■ |
まずは、瀬戸口廉也氏の傾向と対策について少々。 劇中、内省モードという語彙が出てきますが、まさにこのライターの十八番ですよね。 ただ、それは言い換えてみれば世界系だとか鬱だとか、それに準じたモノに直結していたと思うんですよ。 今までの氏の作品群を見ると。しかし漏れは、CARNIVALしかプレイした事が無かったので、 あれこれ語る資格は無い様に思えてきます。 けど、今作の瀬戸口テイストを見ると、音楽の造型とか漏れはわかりませんので置いといて、 本気でやるとしたら・・・、それはそれなりの苦労があったのでは無いかと思います。 それをこなしつつ、自分の持ち味をこの様な形で表すというところに凄さを感じました。 もっとアッパーな作品になるのだと思ってたんですけどね、 今までのOVERDRIVE、GROOVER作品から観て、ある程度はやるだけど、ここまではとは思いませんでした。 やはりライターが代われば変わるものです。 まぁ確かに、そこで挟むのかという鬱展開・・・無いわけではありません。 でも、そのエンディングも物語としては素晴らしいものであると思うし、群像劇として。 またそれをカバーしたturuendもまた、それに縛られず、奔放な劇を見せてくれました。 非常にネタバレに気をつけて欲しい作品群のひとつです。 ただ、だからこそのハッピーエンドという力強いフィナーレが映えたんだと漏れは思っています。 何事も匙加減一つで変わりますね。 いや本当にアルバム欲しいです。 |
■ 86点 クラス S ■ |