トロピカルKISS |
■ 短評 ■ |
全国の まさか同じ年に二度、「なんでもないけど、これいいよ」認定を出すとは思わなかった。 |
■ シナリオ ■ |
目新しさは決して無いけれど、一つ一つの物語が丁寧だった。 彼女に対してのアプローチとそのプロセスという点が、線で結ばれて行く様子がわかる。 ハーレムゲームにありがちな、飽き。それに対してのうまい話運びだった。 キャラ、舞台に対しても、なるほどと思わせる布石が所々に転がっていた。 どのルートもハズレ無しなのですが、最後に花火を回した方がしまりが良いかと。 お勧めは泉、テンドンネタも秀逸でしたが、イメチェンで髪型が変わるという、 古きよき、ギャルゲーを彷彿させて、感動した。 完成度の高いゲームだと思う、あえて欠点を言えば、効果的に声優ネタを使える場面があるのに、 踏み込まないところ。もったいない、非常にもったいない。 と思うのは漏れだけなのだろう。いや、最近のアレに毒されすぎた所為か。 いろいろ、ごめんなさい。 さて、そんな雰囲気も感じも良いゲームでした。まさにエロゲーらしいハーレム物。 ご都合上等です、シナリオとエロのバランスが今年の売れ線かもしれんね。 パチ・スロに嫌悪感がある方に対してはマイナスになってしまわないが不安な部分ではありますが、 これだけは書いておきたい! 舞台がアロハリゾート施設、中にはアミューズメントエリアがあり、そこにはカジノがあります。 そう、カジノです! そこにはもちろん、ブラックジャックがあって、新米ディーラーの「みおちゃん」がいます。 作中波がきておらず、負け続けているシーンがあります。 「一度勝つと、勝ち続けるんだけどあの子」 「そろそろストック溜まったんじゃない」 「あそこで菜種ちゃんが台の前をただ通り過ぎたら崩れ落ちるわね」 ミントが台の前をぴょんぴょん跳ねて、座るときの喜びを思い出しました。 買って・・・本当に良かったです・・・ぐすん。 |
■ グラフィック ■ |
OPが、結構な出来なんですが・・・曲が激しく残念ですw だからあれほど、キャスト全員に歌わすOPはヤメロと・・・。 青葉様いるんだから、青葉様で良かったじゃないのさ! 最近だと、大正野球娘。などのキャラデザをしていた、こうたろ先生です。 エロゲは二作品目・・・いや!これを元年スタートとしたいッ。 過去は振り返らないのが吉です、皆様。 というわけで、反省があったのか無かったのかは知りませんが、 今回はHシーンがとても充実しています。1キャラ、3シーンは死守。 しかも、ほぼほとんどのシーンでCGの切り替えがあります、今回はがんばりました。 ほんとこんなに素晴らしい絵師を手放した、あのメーカーはほんと残念ですねぇー、 と横に張ってあるRIOカレンダー見ながら思います。似てるけど、なんか違うという状態なんだよなぁ。 例えて言うなら、つよきす2ndなんだよね今のRIOは。まぁ、まったく関係ない愚痴なんですが。 |
■ ヴォイス ■ |
鉄壁とまでは言わないけど、みる様、かわしま様、風音さまがいらっしゃるので、穴が無いよね。 攻撃力強めだけど、まぁみる様が中和・・・してるしてる。 さて、一つだけ書きたいことがあります。 ヒロイン「花火」がいますが、ドンちゃんネタを使っときながら・・・、 どうして、大花ドンをキャスティング出来ないのか! どうして、かわしま様が演じていらっしゃる、ふーりんが佐本二厘じゃないのか! あ、二つだった。 |
■ サウンド ■ |
意外に聞けるBGMだった。 劇中の雰囲気を醸す、アロハな音楽が主なのかなぁと思っていたけど、 まぁそれもあるけれど、OPのインストがなかなかの出来です。 |
■ システム ■ |
基本的システム。 特に問題なし、ただ音声エフェクト箇所がおかしい所が数点、間近で話しているのでこもった音声とか。 攻略時間、15時間。 難易度、易。 |
■ 総評 ■ |
漏れはこのゲームをとても新鮮に感じました。中身は巷によくある、ハーレムゲームなのにです。 何故か、それは特筆して然るべきだと思うのですが、こうたろ先生のバックボーンをうまく利用している事。 アニメ、ゲームなどのオマージュ等は多々ありますが、 それらに最近毒されている7号業界のネタというのが新鮮だったから。まずはこれが一つ。 もう一つはライターのギャグセンスが素晴らしい・・・笑える何故か笑える。 「萌えろプロ野球」というネタが出た日は、もう漏れは目からウロコでした。 そうだ・・・何故・・・ジャレコはやらない・・・、再生計画とか言ってでゲーハーいじってる場合じゃないよ! これ作れよ!いますぐやれよ!メール出すわ! と、冷静になって今これ書いてます。まぁ下関係のギャグは下品になりがちですが、 カラっとした笑いを作れる良いライターだと思います、キリッ。 最後に一つ、古今東西のエロゲーをやってきましたが、 エンディングロールでここまで遊んだゲームは見たことありません。該当は泉ルートです。 よくあるパターンとして、ドタバタの中エンディングロールに突入で、 キャラ達が好きかってやるというのは見たことあります。 まぁ、見てくださいな。非常にイキイキした物語です。 事前期待皆無という、ある意味絵師呪縛で今回も終わるだろうなと予想していたのですが、 上記理由から、この作品がとても楽しめました。 こうたろ先生の美麗なCG、立ち絵、キャラクターという要素はもちろん偉大です。 ただ、それを使いこなすも、生かすも殺すもライターの手腕が大きいゲームだからこそ、 ライターが合っていて良かったなぁと。 木村ころやさんは初めてでしたが、サブとかいろいろ転々して、夢見師の評判が良かったんですね。 今後も、こうたろ先生とのタッグでお願いします。 一言で言うと、全体的に良かったです。なので・・・ 莫煩悩「なんでもないけど、これいいよ」に認定。 この賞は、断トツで凄いというわけではないけど、良作にラインに置いて一際安定した作品へ贈る賞。 6作目。過去受賞作品は「恋cute、こんねこ、青空の見える丘、Clover Point、さくらさくら」 |
■ 77点 クラス A ■ |