【レビュー】花咲くオトメのための嬉遊曲 -イレギュラーズ-|女子野球を愛する者への濃密ファンディスク

【レビュー】花咲くオトメのための嬉遊曲 -イレギュラーズ-|女子野球を愛する者への濃密ファンディスク

■ シナリオ

さーて来ましたよ。完結するにはあまりにも惜しい物語が。
今回のイレギュラーズは以下のショートショートで構成されています。

  • LOSE CONTROL
  • Summer Semi-nude
  • I’m innocent days(新作)
  • ビューティーを奏でに
  • インタビューウィズ…
  • 黒髪の乱れ
  • アストロ滑走団

すべて短編形式だが、この形式は大正解。
スポットを当てたいキャラにしっかり焦点が当たっている。


● LOSE CONTROL

敗戦試合。姫がいいところなく終わる話。
ピッチャーが試合中にフォームを修正できるなんて、そうそういない。
リリースポイントが狂えばバタバタする──そんな日常茶飯事(言いすぎ?)を描いたシナリオ。

アンダースローでパームを投げるミラクルたえ子の活躍(?)もあり、
最も“野球している”シナリオ。

セリフ回しが素晴らしい。

『狙ったんじゃない?野球ではあまり使わない言葉だけど、あれが、ファンタジー』
『常識を遥かに超えた想像力。そういうことが出来るってイメージが沸いたんだよ、多分』
『下位打線に粘られたら上位に嫌な形で回る……まぁ、必然です。』

野球はファンタジー。
ボールパークでは毎試合、小さな奇跡が起きている。
それを知っているのはプレイヤーと観客だけ──そんな素敵な話。


● Summer Semi-nude

ちとせのサービスシナリオ。
これを認めると全体が破綻しかねない諸刃の剣。

ライターは本当に母乳が好きだな……としか言えない内容。

「乳首もおっきいね」
「かっこいいでしょ」

ねーよwww

春萌でやったら確実に認定案件。
自分は見なかったことにした。


● I’m innocent days(新作)

さらに短く区切ったSS。
「ビューティーを奏でに」は姫の夢シナリオで、オチは読めるかもしれない。

● インタビューウィズ…

川瀬の傍若無人っぷりが炸裂。兄貴はプロ。

● 黒髪の乱れ

人気カップリングなのか、ライターの趣味なのか。
やりたかったんだろうなぁと妄想。
ストレートでタコができる話はリアルで良いが、2シームや4シームの話も欲しかった。

● アストロ滑走団

嵐と葵の話。
ネーミングが最高。
綺麗な背景で重苦しい話をしているのが印象的。


■ グラフィック

特に不満なし。むしろ満足している。


■ ヴォイス

ボイスなし。


■ サウンド

特になし。


■ システム

魂の作品。
音量調整だけは付けてほしい。


■ 総評

同人、しかもファンディスク。
好きな人だけ買えばいい──それは正しい。
だがこのジャンルの未来を考えると、新規にはまずDOKIプリ → 花咲く本編の順で触れてほしい。

さらに気になった人はファンブックも必須。
物語の前後が描かれており、重要。

女子野球モノを“分かっている人”が書いた作品は久々。
待っていた。本当に。
少なくとも自分は大満足。
濃密で、内容も十分。

萌えと燃えの定義が分かっていれば万人に受けるし、
野球を知っていればなおのこと刺さる。
女子野球は色モノではない。
立派にドラマを内包したジャンルだ。

スタッフ全員に感謝。
商業ベースでの発売があるらしいので、ぜひもう一度このジャンルに光を当ててほしい。

好きなキャラは棒球ジャンヌダルクこと氷室乃雪。
このゲームにおける最高の演出であり、最高の奇跡。

■ 80点 クラスA