【レビュー】WIZ ANNIVERSARY ウィズ☆アニバーサリィー|“4ルートは良作、3ルートは異常”という極端な落差が惜しいファンタジーADV
■ 短評|4ルートは健全で良作、3ルートが完全に邪魔をする惜しい作品
全7ルート中、4ルートはしっかり面白い。
だが残り3ルートがあまりにも異常で、作品全体の評価を引きずり下ろしてしまう。
この3つさえ無ければ、間違いなく良作だった。
■ シナリオ|ファンタジーとしての世界観は良いが、テキストとキャラ設定が足を引っ張る
まず、問題はシナリオそのものよりテキストのノリ。
ぐだぐだした展開、キャラのうざさ、テンションの相違──序盤3時間は拷問に近い。
ただし、以下の2ルートに入れば一気に安定する:
- (シャル、エンフィ)ルート:エルフ娘ツンデレルート
- (ローラ、ソフィア)ルート:おっぱいルート
逆に以下の3ルートは覚悟が必要:
- (アリス、グラニデ、ディアナ)ルート:炉。死ぬ気で挑むべし。
● 主人公は「神々の黄昏」の持ち主
北欧神話をベースにした設定は悪くない。
「約束された勝利の剣」をここまで明確に使う作品は珍しく、
FA(ファンタジーアドベンチャー)としての構築はしっかりしている。
世界観の考察も丁寧で、最近では珍しいほど“ちゃんとした西洋ファンタジー”。
物語の破綻はない……が、例の3ルートが破綻している。
● 主人公の謎を解くルートが“破綻ルート側”にある問題
最も美味しい主人公の核心に触れるルートが、
よりによって破綻側の3ルートに配置されているのが致命的。
しかも結末がいらない方向に転ぶ。
● ローラ・ソフィアルートの“奇跡”の解釈が謎
世界の理から外れて因子が崩壊→再構成という展開は、
誰か説明してくれと言いたくなるレベルで唐突。
● シャル・エンフィルートは完璧
文句なしの出来。
このルートだけなら80点は固かった。
● サブキャラも優秀
リオルは観測者として機能し、オマージュネタも上手い。
ただし、この物語最大の謎はエンフィの果物。
あれは何だったのか。
■ グラフィック|キャラデザは“神”。背景・演出も安定の高品質
キャラデザはまさにゴッド。
背景も良く、OPムービーも悪くない。
画面効果も丁寧で、人を選ばないクオリティ。
■ ヴォイス|全体的に良好
声優陣は安定しており、特に問題なし。
キャラの魅力をしっかり支えている。
■ サウンド|無難。だがSEの「キュイーン」が危険
OP・EDともに無難。
BGMも特筆なし。
ただしSEの「キュイーン」は、
パトランプが光ったのかと錯覚する危険な音。
ホールが呼んでいる気がしてしまう人は要注意。
■ システム|基本は良好。スキップが速いのは高評価
基本システム搭載。
スキップが速くて快適。
パッチ(ver1.1)は必ず当てるべし。
難易度:普通
フラグ管理:よくわからない
■ 総評|名作になり損ねた惜しい作品。エンフィはガチ
名作になり損ねた。
とにかくあの3ルートが邪魔。
茶々を入れすぎ、話の腰を折りすぎ。
姉、氏ねじゃなくて死ねよと叫びたくなる瞬間もある。
ただし、エンフィはガチ。
そこだけは揺るがない。
■ 72点(クラスB)