【レビュー】海道|“平凡”の一言に尽きるが、田舎情緒は確かに光るD.O作品

【レビュー】海道|“平凡”の一言に尽きるが、田舎情緒は確かに光るD.O作品

■ シナリオ|雪桜と大差なし。使いまわし感と無難さが前面に出た一本

はい、D.Oさんです。
エースが抜けて以降どうにもパワー不足な作品が続いているが、今回はどうか──
結論としては「平凡」の一言に尽きる。

舞台は瀬戸内海に面した小さな二子島。
閉鎖的な島での学園生活、田舎に特化した背景を元に、
しみじみ系のハートフルストーリーを目指した模様。

しかし、目立った設定はなく、
いろんなところからの使いまわし感が漂う
前作『雪桜』とほぼ変わらない構成で、
「これでいいのか?」という疑問が残る。

ただし、既成の枠にとらわれないナイスキャラが一名存在し、
そこだけは光っていた。
自社の過去作ネタを使うのは卑怯だが、笑ってしまったのも事実。

ラストはやや難あり。
全体的に無難で、悪くはないが強く推せる部分も少ない。


■ グラフィック|田舎情緒がしっかり出ている良作

グラフィックはとても良く出来ており、
田舎の空気感・情緒がしっかり伝わる。
背景の雰囲気づくりは高評価。


■ ヴォイス|主人公以外フルボイス。ミスキャストなし

主人公以外はボイスあり。
この手のゲームでボイスがなかったら困るが、
キャスティングは安定しており、特にミスキャストもない。


■ サウンド|雰囲気を支えるBGMが多い

田舎の空気感を醸し出す曲が多く、
作品の雰囲気づくりには貢献している。
特筆するほどではないが悪くない。


■ システム|D.O標準の安定システム

セーブ&ロード、バックログなど基本機能は揃っており、
D.Oのシステムは相変わらず安定している。
特に不満はなし。


■ 総評|“及第点”だが、D.Oの名を思うと物足りない

一言で言うと平凡
目新しさが欲しかったが、最低限のラインはクリアしている。

『雪桜』『海道』と続けて“それなり”の作品ではあるが、
加奈・家計のD.Oを知っていると腑に落ちない。
ライターが抜けたとはいえ、もう少しなんとかならなかったのか。

エンディングが全キャラ同じ過程を通るため、
読み手としては「またか」となる。
設定をもっと活かせたはずなのに、意外性が薄いのは残念。

好きなキャラ:しのぶ
■ 65点

ガン( ゚д゚)ガレD.O

【レビュー】夢見ヶ丘|“夢は現”…いやこれは悪夢。説明不足と迷走構成がすべてを崩した残念作

【レビュー】夢見ヶ丘|“夢は現”…いやこれは悪夢。説明不足と迷走構成がすべてを崩した残念作

■ シナリオ|説明不足・芯なし・超展開未満の“とんでも構成”

夢は現──いや、これは夢に違いない。
そう言いたくなるほどの踏み抜き感が強烈だった。

まず、シナリオが明らかにおかしい。
事象と事象を繋ぐ説明がなく、超展開というより説明放棄
物語に芯がなく、「何をしたいのか」が最後まで見えてこない。

尺が短いせいで展開が速すぎ、
「わけがわからない」のは当然と言えば当然。
延期してまで出した作品とは思えない粗さ。

● クロスチャンネルの舞台設定を“使い捨て”

群青というワードが頻繁に出てくるため、
クロスチャンネルの舞台設定を引き継いでいるように見えるが、
まったく活かされていない
意味がないどころか、むしろ邪魔。

コンプしても主人公の群青が何なのか不明。
舞台は瀬戸内海の丘が綺麗な島、
テーマは「人の心に響く思い・願い」らしいが、
ラストは投げっぱなし、もしくはBAD。

● ヒロインの謎が即バレする雑さ

ヒロインの抱える謎が即座に思いつき、そして当たる。
伏線でもなんでもなく、ただ浅いだけ。
ライターの力量不足が露骨に出てしまっている。

「何を見せたかったのか?」
逆にそこが気になってしまうほどの迷走ぶり。


■ グラフィック|OPは良いが、キャラデザは割り切りが必要

OPムービーは良い出来。
だがキャラデザは“こういうもの”と割り切るしかない。
抜き目的では厳しい。


■ ヴォイス|演技は安定している

声優陣は全体的に上手い。
ここだけは安心して聴ける。


■ サウンド|特筆なし

特に印象に残る曲はない。


■ システム|基本は揃っているが“重い”

基本システムは搭載されているが、動作が重い。
快適とは言い難い。


■ 総評|感動も萌えも燃えも“何もない”。ただただ困惑だけが残る

感動も萌えも燃えも、考えさせられるものも何もない
他人に勧められる要素が見当たらない。

もちろん感じ方は人それぞれだが、
自分の物差しで測っても「これはない」と言わざるを得ない。

作中で「大人の事情」という言葉が連発されるあたり、
制作周りの事情も察せなくはないが、
それでももう少し頑張ってほしかった。

がんばれフラシャ。がんばれ。

好きなキャラ:なし
■ 55点(クラスC)

このゲームをプレイした人が全員( ゚Д゚)ポカーンとならないことを祈る。

【レビュー】つよきす 2学期|“二学期”の名を冠しながら、続編でもリニューアルでもない中途半端さが痛い

【レビュー】つよきす 2学期|“二学期”の名を冠しながら、続編でもリニューアルでもない中途半端さが痛い

■ 短評|大崩れはしない。しかし理解に苦しむ出来

致命的に破綻しているわけではない。
だが、「なぜこうなった?」という疑問が最後まで拭えない。
そんな作品だった。


■ シナリオ|攻めない。掘らない。変えない。なのに改悪されている不思議

まず言いたいのは、まったく攻めていないということ。
既存キャラのシナリオは前作の焼き直し……どころか改悪
ほとんどいじっていないのに改悪できるのは逆にすごい。

「二学期」と名付けたからには、続編かサイドストーリーが来ると思うのが普通。
しかし実態はリニューアル版に近いのに、その説明が一切ない

前作を掘り下げろとは言わない。
同人感覚で楽しむ覚悟もしていた。
だが、前作まんまの構成を中途半端に端折っただけでは、
ユーザーはどう楽しめばいいのか。

● ターゲット層が不明すぎる

前作未プレイなら「そこそこ遊べる」レベル。
前作プレイ済みなら地雷倍率ドン
誰に向けて作ったのか本気でわからない。

● 唯一の救い:新キャラ「瀬麗武」ルート

完全新作ルートで、ここだけは評価できる。
だが、属性もキャラ設定も活かしきれていない。

● 世界観への理解が浅い

脇役の存在意義が消え、主人公の性格もブレブレ。
この世界を本当に理解しているのか疑わしい。

正直、そこらのSS書きに任せた方が数倍良いものができたと思う。

● 生き残る道は二つしかなかった

・タカヒロを徹底的にトレースする
・世界観をぶち壊して奔放にいじる

このどちらかしかなかったのに、
どっちつかずの中途半端さで終わってしまった。
失望は免れない。


■ グラフィック|EDムービーは良い。キャラデザも踏ん張った

OPは普通だが、EDはかなり良い。
キャラ別エンドムービーを用意した点は評価したい。

キャラデザも違和感は少なく、よく踏ん張ったと思う。
まったりエンドのアスラーダCGにはニヤリ。あと3年だな。


■ ヴォイス|全体点数の9割を支える“キャスト力”

安心して楽しめるのは声だけ
掛け合いは最高。
だが、あまりにも無駄遣いされていて悲しくなるほど豪華。


■ サウンド|特筆なし

特に語るべき点はない。


■ システム|選択肢が形骸化。余力のなさが透けて見える

基本システムは問題なし。
ただし、シンボルチョイス式のルート選択は良いとしても、
進行中の選択肢が完全に形骸化している。

ここにもシナリオの薄さ、余力のなさが表れている。

難易度:易
攻略時間:12時間前後


■ 総評|前作プレイ済みほど刺さる“凶悪仕様”。だがキャストのために買ったなら悔いはない

結論:地雷
前作プレイ済みならさらに倍率ドン

「だから言っただろう」という声が聞こえる。
予防線を張りまくっても、良作とは言えないレベルだった。

ただし、キャスト陣だけは裏切らない。
声のためだけに買ったなら悔いはない。

さぁ、漏れの屍を超えて行きなさい。

■ 60点(クラスC)

【レビュー】つよきす|タカヒロの“すごい”パロディが本領発揮された快作

【レビュー】つよきす|タカヒロの“すごい”パロディが本領発揮された快作

■ 短評|タカヒロの すごい パロディ

タイトルの謎さも含め、つよきすはパロディとキャラ掛け合いの融合点に立つ作品。
タカヒロの持ち味が最もわかりやすく形になった一本。


■ シナリオ|パロディの奔流に隠れた“キャラと主義主張”の物語

つよきすはパロディの印象が強いが、
本質はキャラクター同士の掛け合い
主人公・レオの主義主張を軸にしたストーリー。

レオのクールさは、ユーザーにとっては逆説的な指示のように響く。
吉本的な典型ネタを清々しいほど好印象に変換するライティングは見事。

● 脇役の“引っ張り”が王道的カタルシスを生む

普段は投げ捨て気味のギャグを連発しつつ、
ここぞという場面で期待に応える構成は王道そのもの。
読み手が「来るぞ」と期待し、それが叶う──
この成功体験がカタルシスを生んでいる。

● ネタ選びのセンスが“風化しない”理由

時期を外れるとわからなくなるような軽いパロディではなく、
普遍的に親しまれるネタ選びがされている。
コンシューマでも似たことはできるが、
エロゲー特有のシーン運びとテキストが作品を唯一無二にしている。

エロ・パロ・シナリオの比率が絶妙だったからこそ、
つよきすはここまで人気を得たのだろう。


■ グラフィック|白猫参謀の“味のある”キャラデザ

白猫参謀のキャラデザは独特だが、
かっこいい女キャラを描かせると本領発揮
クセがあるのに魅力的という稀有なタイプ。

OPはKOTOKOの電波ソングと合わせて勢いのある映像に仕上がっている。


■ ヴォイス|金田まひるの好演が作品を牽引

蟹(乙女さん)を演じた金田まひるの好演が光る。
キャラとのマッチ度が高く、物語を引っ張る存在感。

男性キャラもハイスペックなキャスティングで、
声ヲタとして誇らしい布陣。
タカヒロの強みが存分に発揮されている。


■ サウンド|特筆なし

音楽面は特に語る部分はないが、
作品のテンションを邪魔しない無難な仕上がり。


■ システム|きゃんでぃそふと系の標準ADV

きゃんでぃそふとの流れを汲む標準的なシステム。
難易度は易しく、攻略時間は20時間程度。


■ 総評|タカヒロの名を世に知らしめた“開花作”

タカヒロは『姉、ちゃんとしようよっ!』の頃から注目されていたが、
つよきすで完全に開花したと言える。

2005年という、ユーザーが多様な作品を求め始めた時期に、
パロディで笑わせつつ、物語としても成立させた点が大きい。

Hシーンもタカヒロらしい“エロゲーらしさ”があり、
萌えゲーに距離を置いていた層にも刺さった。

アニメ・ゲームからの取り込み方に関して、
タカヒロほど“完璧な主義”を貫けるライターは他にいない。
他人の褌で相撲を取ると言われても、
ここまで上手く取れるならそれも才能

■ 80点(クラスA)

【レビュー】ツナガル★バングル|“Don’t Think. Feel!”で押し切る、木村あやかゲーの極北

【レビュー】ツナガル★バングル|“Don’t Think. Feel!”で押し切る、木村あやかゲーの極北

■ 短評|木村あやか禁止。点数で語るのが馬鹿らしくなるタイプの萌えADV

なんという木村あやかゲー。
木村あやか・まきいずみ・一色ヒカルの三連星が揃った時点で、
これはもう声優ゲーとして完成している
点数で評価するのが馬鹿らしくなる、そんな作品。


■ シナリオ|ヒロイン前面PUSH。すーぱーはいてんしょんで突っ走る“ココロツナガルADV”

ルートは5人・6ルート。
大魔法師が作った街を舞台に、魔法装置をキーとしたアスレチック的イベントをこなしつつ、
ヒロインたちと結びついていく構造。

ただし、物語の本質はそこではない。
ヒロインとのイチャイチャテキストがすべて
主人公がガキすぎるとか、設定がどうとか、そんな次元の話ではない。

「そこにおっぱいがある、だからロマンがある」
そんな方程式で動く世界。

シナリオ?知らん。
木村あやかの「くぱくぱ」を聴け。
Don’t Think. Feel.


■ グラフィック|こ~ちゃ氏ではない“ういんどみる”の新鮮さ

キャラデザがこ~ちゃ氏ではないため、最初は違和感があるが、
慣れると作品のテンションに合ってくる。

OP・EDは「まぁこんなものか」という出来。
悪くはないが、特筆するほどでもない。


■ ヴォイス|木村あやか・まきいずみ・一色ヒカルの鉄壁ライン

震えるキャスティング。
木村あやか × まきいずみ × 一色ヒカル
この三人が揃った時点で勝負が決まっている。

玄人の業が光りすぎて、他の二人も良いのに霞むレベル。
声優ゲーとしての完成度は異常。


■ サウンド|佐藤ひろ美のOP・ED。EDの方が好印象

OP・EDともに佐藤ひろ美。
特にED曲が良かった。
その他のBGMは可もなく不可もなく。


■ システム|基本システム+分岐あり。難易度は易

基本的なADVシステムを搭載。
ノーマルEND分岐、メイドルートのCG回収などもあり、
難易度は非常に易しい。


■ 総評|“萌えゲーのプライオリティ”を考えさせられる作品

「抜きゲーに物語期待してどうするの?」
と言われるかもしれないが、
テキストと物語は別物

抜きゲーはHシーンのテキストで勝負する。
萌えゲーはヒロインとの触れ合いテキストで勝負する。
どちらも“脳に直接訴える演出”が本質であり、
大きな物語は必須ではない。

極端に記号化された萌えゲーでは、
キャラの語尾や特性付けが徹底され、
触れ合いのテキストがプライオリティになる。
つまり、
抜けるか、萌えられるか──その違いだけ

そう考えると、この作品をどう評価すべきか迷う。
魅力を伝えきれているかも怪しい。
このジャンルは、想いを叫ぶしかないのだろう。

……という言い訳をした上で。

樹里は漏れの嫁!

BGM:My Little Lover「Alice」
やっぱり深い曲だ。

■ 74点(クラスB)

【レビュー】つくとり|“人間が一番怖い”を真正面から描く、久々に刺さるサスペンスADV

【レビュー】つくとり|“人間が一番怖い”を真正面から描く、久々に刺さるサスペンスADV

■ 短評|霊でも神でもなく、一番怖いのは“人間”だと再確認させられる

この世で一番怖い存在は、霊でも神でも超常でもない──人間
笑い抜きで、久々に「面白い」と素直に言えるゲームだった。


■ シナリオ|雪深い山村で起こる惨劇。選択肢なし・三分岐・全BADからの“解”へ

舞台は雪深い山村。
土着信仰の神“~様”はいるが、○だッ!と言う少女も、口先の魔術師も出てこない。
オマージュではなく完全に別作品だが、踏まえて読むと「あぁ、なるほど」と思う部分はある。

● 選択肢ゼロ、だが三つの分岐が存在

選択肢は一切ないが、物語は三つに分岐し、それぞれがBAD END
その三つの問題点を論じた後、すべての“解”が示され、
メインヒロインのエンディングルートへ帰結する構造。

● 序盤の辛さを越えると一気に引き込まれる

序盤は相変わらず辛いライターだなと思っていたが、
気づけば「誰が犯人か」というサスペンスに引き込まれていた。

三分岐はヒロインルートだが、ヒロインの魅力よりも視点の面白さが際立つ。
「あー、そっちにつくとこう見えるのね」という構造が楽しい。

大層なトリックがあるわけではなく、
ミスリードによる主人公の行動というよりは、
怪しすぎる村人たちの行動を主人公視点で見ていくタイプ。
「なんでだろう?」と思うほど、物語に勢いがつく。

● 解は“犯人当て”ではなく、人物背景とリスタート

解は推理物の答えというより、
人物像の背景や、前編を受けての“再出発”に近い。

● 最後の最後で「ねーよwww」となるヲチ

突飛なヲチがないと言えば嘘になるが、
それはエンディングルートに一つだけ。
しかもミスリードとしては分かりやすいので、気づかない人はいないはず。

ただ、最後の最後で「ねーよwww」と言わせるとは思わなかった。
もっと頻繁にその要素を使っていれば「やっぱりね」で済んだのに、
そこだけが惜しい。叙述トリックと呼ぶには弱い。

● 本質は“人間模様”と“社会風刺”

サスペンス色は強いが、核心は人間関係・人間模様
毒の強い社会風刺を描くのが上手いライターなので、そこに注目してほしい。

読み解くカタルシスは薄いが、
「やっぱりなぁ」より「なるほどなぁ」という納得感がある。


■ グラフィック|“あの魔術師帽子の子が出てきそう”な雰囲気。絵師に恵まれた

どこか某ワイヤー使いの魔術師少女が出てきそうな絵柄。
とにかく絵師に恵まれた作品で、ビジュアル面は強い。


■ ヴォイス|ピカリンが光る。女性陣は高レベルだが、愛☆美奈子だけ正体不明

ピカリンが文字通り光っている。
女性声優陣は全体的にレベルが高い。

ただし「愛☆美奈子」だけ誰なのかわからない
誰かこっそり教えてほしい。

フルボイスでないのが惜しい。男性にも声が欲しかった。


■ サウンド|もっと“おどろおどろしい”曲が欲しかった

耳に残るホラー系の曲がもう少しあれば良かった。
特筆すべき点はなし。


■ システム|選択肢ゼロなのにクイックセーブがある謎。バグはなし

基本システムは問題なし。
ただし選択肢がないのにクイックセーブ&ロードがある意味は不明。

バグやスクリプトミスはなく、安定している。


■ 総評|買わない理由がない。久々に“良い買い物をした”と思わせる一作

脚本・絵師・声優・内容──どれをとっても買わない理由がない。
久々に「良い買い物をした」と思わせてくれた。

ゲーム性の都合上、多くを語れないのがもどかしいが、
丸戸氏の言う「エロゲー黎明期の探偵モノADV」に近い。
土壌は違うが、どこか懐かしい匂いがする。

ロケッツは喫茶系まったりシナリオより、
こういう毒のあるサスペンスの方が絶対合っている。
今回も勢いがあり、大味ながら十分楽しめた。

最後に一つ。
処女厨は買わない方がいい。
久々にこの手をやって「この世の女キャラは処女しかいない」と勘違いしていた
自分の中の処女厨乙(‘A`)乙

■ 80点(クラスA)

【レビュー】ティアーズ・トゥ・ティアラ 花冠の大地|PS3移植で“綺麗にはなったが、本質はそのまま”の一作

【レビュー】ティアーズ・トゥ・ティアラ 花冠の大地|PS3移植で“綺麗にはなったが、本質はそのまま”の一作

■ 短評|HD化の恩恵はあるが、PS3でやる必然性は薄い

2005年4月28日発売のPC版『Tears to Tiara』をPS3向けに移植した作品。
気づけばもう3年。
難易度も程よく、ボリュームも十分。
シナリオは前作と同じなので代わり映えはしないが、そこは良しとするべきだろう。

ただし、PS3に移植してまでやる内容だったかと言われると微妙
HD化の恩恵はあるが、根本的な部分はPC版と変わらない。


■ シナリオ|“地上の安定”を巡る戦い。名場面は健在、終盤の盛り上がりは改善

物語は「地上の安定のために戦う」という王道ファンタジー。
名場面である以下のセリフも健在。

「今ならわかるんだ、我らが始祖たちのことが、
弱き者を守るために進んで命を投げ出した、誇り高き彼らの気持ちがね…
そして、僕達は、彼らの魂を確かに受け継いでいるとね」

終盤の盛り上がりはPC版より改善されており、
各キャラが抱える理由に向き合う姿はベタながら美しい。

リディアさんは相変わらず物語をかき回してくれるし、
逆移植で仲間になる未来が見えるような扱い。

ただし、エンディングにもう少し“おまけ”が欲しかった。
「魔王様の一日」みたいな小話があれば完璧だったのに。

クレジットに企画屋の名前があったのは驚き。
Leafに企画屋……? ほとんど足してないのに協力扱いとは。


■ グラフィック|4℃のOPは秀逸。3Dは頑張っているが“HD化の域”を出ない

OPムービーはスタジオ4℃。
動画の流れ方に特徴があり、非常に良い出来。

CGは移植に伴い数枚追加されているが、大筋はPC版と同じ。
監修にちゃん様の名前があり、ラストCGの一部を描いている可能性が高い。

● 3Dモデリングは“頑張っている”が限界も見える

確かに頑張っている。
ところどころ「おっ」と思う部分もある。
しかし、HD化しただけの域を出ていない

特に3Dパートと2Dパートの境界が目立ち、
スムーズな移行ができていないのが惜しい。

背景はしっかり作られており、ドーム内部などは見応えがある。


■ ヴォイス|“真のフルボイス”。ラスティの破壊力がすべてを持っていく

システムメッセージまでフルボイスという力の入れよう。
これは評価したい。

ラスティが可愛すぎる。
必殺スキルの「鉄は熱い内に打つのだぁ」で完全に落ちた。

中原麻衣の演技も非常に良い。
みゆきち(沢城みゆき)も成長を感じる演技で、声優陣の質は高い。


■ サウンド|Suara×社長の安定感。挿入歌の作詞も良い

OP・EDともにSuara。
EDは社長(下川直哉)が作曲。
音楽は文句なしの完成度。

ラストバトルの挿入歌も作詞が良く、盛り上がりに貢献している。


■ システム|快適だが、戦闘は“正統派すぎて単調”

既読判定もスキップも問題なし。
ムービーもスタートで飛ばせる。
一本道構成も原作通り。

● 問題は戦闘システム

正統派のS・RPGだが、捻りがない
属性に気をつけて殴る・魔法を撃つの繰り返し。

キャラの個性は最低限あるものの、
戦術的に考える要素が少なく、連戦が続くとダレる。

ラスボスより前の雑魚戦の方がキツいというバランスも微妙。

難易度:難しい
攻略時間:ノーマルで36時間(平均Lv54)
クリア後はTVトレイラーが見られるが、キャラデザが誰なのか気になるレベルで違和感がある。


■ 総評|PC版よりは良いが、PS3でやる必然性は薄い。CANVASシステムが恋しくなる

PC版に78点をつけたが、PS3版はHシーンがない分マイナス。
さらにコンシューマでこの戦闘システムは厳しいので、-3点。

SEGAのCANVASシステムを導入してほしかった。
プレイして改めて思うが、CANVASは本当にすごい。
次世代機時代は、
・ガチ3D(アイマス系)
・CANVAS系2D表現

の二極化になると感じた。

せっかくの次世代機なのだから、もっと新しい挑戦を見たかった。
とはいえ、作品としては十分楽しめる。

■ 75点(クラスA)

ティアーズ・トゥ・ティアラ / AQUAPLUS

【レビュー】Tears to Tiara|“熱さ”はあるが、SRPGとしての根幹が惜しい。Leaf作品としての魅力と限界

【レビュー】Tears to Tiara|“熱さ”はあるが、SRPGとしての根幹が惜しい。Leaf作品としての魅力と限界

■ シナリオ評価|泣けはしないが“熱さ”はある。だが消化不良感も残る

「弱き者を守るために命を投げ出した始祖たちの誇り」──
このテーマが示す通り、今回は泣かせる方向ではなく“熱い物語”を狙った印象。

Q1:泣けるか → 泣けない(ただし感動はある)
Q2:燃えるか → 多少燃える
Q3:うたわれと比べると → 見劣りする

ストーリー上の謎が残り、消化不良一歩手前。
終盤の追い込みが弱いものの、その直前のイベント群には見どころが多い。

OPムービーはテイルズ風だが、シナリオの方向性は日本一ソフトウェア的
感動よりも熱さを重視した構成で、そこは合格点。


■ グラフィック評価|Leaf作品ゆえの安定感。ただし“ちゃん様”不足

Leaf作品なので一定のクオリティは保証されている。
とはいえ、ちゃん様(みつみ美里)をもっと使ってほしかったという気持ちは強い。
全部ちゃん様で良い、というのは完全に同意。


■ ヴォイス評価|全体的に上手い。安定したキャスティング

声優陣は全体的に上手く、演技の質は高い。
特に違和感を覚える部分もなく、安心して聴ける。


■ サウンド評価|下川直哉の本領発揮。うたわれ以上の演出力

下川マジック健在。
BGM・挿入歌ともに素晴らしく、演出面での使い方も非常に巧い。

サウンド面に関しては、うたわれるもの以上と感じるほどの完成度。


■ システム評価|SRPGの根幹である“戦闘”が致命的に弱い

セーブ&ロード、バックログなど基本機能は問題なし。

● 最大の問題:戦闘が楽しくない

リアルタイムバトルだが操作性が悪く、ほぼオートプレイ前提
キャラの個性を活かす場面が少なく、愛着が湧きにくい。

スキルも使いづらく、戦闘回数が多いのにテンポが悪い。
結果として作業ゲーム化してしまう。

SRPGで戦闘がダメなのは致命的。
外部テストプレイをしたのか疑いたくなるレベル。


■ 総評|演出・音楽は良いが、戦闘の弱さが全体を引きずる惜しい作品

うたたね以来のSRPGだが、システム面は正直いまいち。
演出や音楽は非常に良いだけに、戦闘の弱さが本当に惜しい。

場面ごとの盛り上がりはあるのに、
それを繋ぐ戦闘がだるいせいでテンションが削がれる。
もったいないという言葉が一番しっくりくる。

葉鍵っ子としては納得できない部分も多いが、
キャラや演出の魅力は確かにある。

好きなキャラ:スィール(理由はよくわからないけど好き)
■ 78点

【レビュー】トロピカルKISS|“なんでもないけど、これいいよ”認定。こうたろ儲が泣いて喜ぶ南国ハーレムADV

【レビュー】トロピカルKISS|“なんでもないけど、これいいよ”認定。こうたろ儲が泣いて喜ぶ南国ハーレムADV

■ 短評|Twinkle、やりました。こうたろ儲よ、祝福せよ

全国のRIO……もとい、こうたろ儲の皆様。
Twinkleはやりました。
まさか同じ年に二度も「なんでもないけど、これいいよ」認定を出すとは思わなかった。


■ シナリオ|目新しさはないのに“丁寧で飽きない”。古き良きギャルゲーの香りが蘇る

目新しさは決してない。
だが、一つ一つの物語が丁寧で、
アプローチ→関係深化→結びつき
という線がしっかり見える構成になっている。

ハーレムゲームにありがちな“飽き”を感じさせない話運び。
舞台やキャラに対しても「なるほど」と思わせる布石が散りばめられている。

どのルートもハズレなし。
ただし、最後に花火ルートを回すと締まりが良い。
おすすめは泉ルート
テンドンネタのキレも良いし、髪型イメチェンという古き良きギャルゲー演出に感動した。

● 声優ネタを“踏み込まない”惜しさ

声優ネタを効果的に使える場面があるのに、踏み込まない。
非常にもったいない。
最近のアレに毒されすぎた自覚はあるが、それでも惜しい。

● 南国ハーレム×ご都合主義=正義

ご都合主義上等。
シナリオとエロのバランスが今年の売れ線。
パチ・スロ嫌いの人にはマイナスかもしれないが、ここは語らせてほしい。

● カジノの“みおちゃん”が最高

舞台はアロハリゾート。
アミューズメントエリアにカジノがあり、ブラックジャック台には新米ディーラーのみおちゃん

「一度勝つと勝ち続けるんだけどあの子」
「そろそろストック溜まったんじゃない」
「菜種ちゃんが台の前を通り過ぎたら崩れ落ちるわね」

ミントが台の前でぴょんぴょん跳ねて座る瞬間の喜びを思い出した。
買って良かった……本当に良かった……。


■ グラフィック|こうたろ先生“元年”にしたいほどの出来。Hシーンも大幅強化

OP映像は良い出来だが、曲が激しく残念。
キャスト全員に歌わせるOPはやめてほしい。
青葉様がいるんだから青葉様で良かったのに。

キャラデザは『大正野球娘。』などを手掛けたこうたろ先生
エロゲは二作目……いや、これを元年スタートとしたい。

Hシーンは1キャラ3シーンを死守。
ほぼ全シーンでCG切り替えあり。
今回は本当に頑張っている。

こんな素晴らしい絵師を手放した某メーカー……残念すぎる。
今のRIOは似てるけど違う。
例えるならつよきす2nd


■ ヴォイス|みる様・かわしま様・風音様の三柱。穴がない布陣

鉄壁とまでは言わないが、
みる様・かわしま様・風音様が揃っている時点で穴がない。

ただし言わせてほしい。

花火ルートでドンちゃんネタを使うなら、
大花ドンをキャスティングしろ!
かわしま様が演じているふーりんは佐本二厘であるべき!

……あ、二つだった。


■ サウンド|意外と良い。OPインストが特に光る

アロハな雰囲気のBGMが多いが、意外と聞ける。
特にOPインストはなかなかの出来。


■ システム|基本的に問題なし。音声エフェクトの違和感が数点

基本システムは問題なし。
ただし、近距離会話でこもった音声になる箇所が数点あり。

攻略時間:15時間
難易度:易


■ 総評|“こうたろ×木村ころや”の化学反応。新鮮で笑えて、最後まで楽しい

中身はよくあるハーレムゲームなのに、なぜか新鮮。
理由は二つ。

① こうたろ先生のバックボーンを最大限活かしている

アニメ・ゲームのオマージュが多いが、
最近の7号業界ネタが新鮮で刺さる。

② ライターのギャグセンスが異様に高い

「萌えろプロ野球」ネタが出た日は、目からウロコ。
ジャレコは再生計画とか言ってる場合じゃない。
これ作れ。今すぐ作れ。メール出すわ。

下ネタは下品になりがちだが、カラッと笑わせるセンスがある。
木村ころや氏、良い仕事してる。

● エンディングロールでここまで遊んだゲームは初めて

泉ルートのエンディングロールは必見。
キャラが好き勝手やるタイプはよくあるが、
ここまでイキイキしたものは珍しい。

● 総括

絵師の呪縛で終わると思っていたが、
ライターの手腕が噛み合って見事に化けた作品。

こうたろ先生の美麗CGとキャラを最大限活かした、
“良作ラインの中で一際安定した作品”

莫煩悩「なんでもないけど、これいいよ」認定(6作目)。
過去受賞作:恋cute、こんねこ、青空の見える丘、Clover Point、さくらさくら

■ 77点(クラスA)

【レビュー】杜氏の郷(とうじのさと)|“D.O.の影”を強く感じる処女作。良くも悪くも平坦で物足りない一作

【レビュー】杜氏の郷(とうじのさと)|“D.O.の影”を強く感じる処女作。良くも悪くも平坦で物足りない一作

■ シナリオ評価|田舎×酒造り×D.O.臭。平坦で起伏の少ない“マターリ系”

プレイ開始直後、タイトル画面で「あれ?」
オプションを触って「あれ?」
メーカー名を見るとハートブリング
クラキも出てくるし、どう考えてもD.O.系列の匂いがプンプンする。
実際、内容もよくあるD.O.物だった。

パッケージ絵は意味深だが、中身はまったくそんなことはない。
舞台は酒造りが盛んな田舎。
田舎と聞くとD.O.反応が出てしまう今日この頃。

シナリオはとにかく平坦
山も谷もなく、起伏がほぼゼロ。
いわゆる“マターリ系”。

ただ、萌え記号の羅列に逃げていない点は評価できる。
逆行しているというより、むしろ勝負している印象。
とはいえ、事象を時系列に並べただけのような構成で、
ライターの力量不足は否めない。

「よく出来ているけど、物足りない」
終わってみると、そんな感想が残る。


■ グラフィック評価|ムービーなし。キャラデザはまずまず

OP・EDムービーはなし。
エンディングロールのみ。
キャラデザは可もなく不可もなく、まずまずといったところ。


■ ヴォイス評価|フルボイスでレベルは高め

フルボイス仕様で、声のレベルは高い。
ここは処女作とは思えない安定感。


■ サウンド評価|音楽は並。BGMに好みのものはある

音楽は平均的。
BGMの中にはそれなりに良いものもあるが、特筆するほどではない。


■ システム評価|D.O.と同じシステムで使いやすい

基本的なADVシステムを搭載。
D.O.作品と同じシステムなので、操作性は良い。
特に不満はなし。


■ 総評|処女作にしては無難すぎる。もっと攻めてほしかった一作

情報なしでパッケージ買いした人は、やや外れ感を覚えるかもしれない。
もっと重い話だと思っていたが、実際は軽い。
パッケージ絵の意味深さに騙された気分。

全体的にD.O.の焼きまわし感が強く、処女作らしい挑戦が見えない。
出来が悪いわけではないからこそ、余計にもったいなく感じる。

好きなキャラ:なし
■ 70点