【レビュー】STEEL|圧倒的テキスト量と“人間”を描く熱量。最後まで走り切れる者だけが辿り着ける境地
■ シナリオ評価|長い。長すぎる。だが“人間”を描く熱量がすべてを飲み込む
~「そろそろテープの時間も尽きそうだ。もうひとつ、これだけは言わせて。ファッキンジャップぐらいわか・・・」~
まず言わせてほしい。
このシナリオライターへ一言。
「おまいはよくやった。」
そして、この作品は最後までやれる人にだけ勧めたい。
途中で砕けるくらいなら最初から触らない方がいい。
漏れのエロゲ史の1ページに、このゲームは確実に刻まれた。
エロゲースコープのPOVで言うなら、
「長いよ、長すぎるよ~部門」5年分のTOPを余裕で張れるレベル。
物語の詳細は語らない。
OHPを見てくれ → http://www.graviton.ne.jp/
ただ一言、かつてないシナリオ量。
壮絶という言葉がこれほど似合う作品も珍しい。
ジャンル的には「Fate + リアライズ ÷ 2」。
……だが、そんな分類はどうでもよくなる。
莫大な世界観、圧倒的なストーリー。
酔いしれた者が勝ち。
一般人にはおすすめできない。
● テーマは“異能力”ではなく“人”
異能力バトル?違う。
テーマは人間だ。
流れはリアライズに近い。
プレイムがやり遂げられなかったものが、ここにあるのかもしれない。
会話のテンポは軽妙とは言えない。
ライターがまとめきれなかったからこそ、この長さなのかもしれない。
だが、クロスチャンネル以降見たことがないほどの人間臭さが溢れている。
笑いも、絶望も、感動も、すべての源は“感情”。
その感情は意識であり、意識は自分の内にしかない。
● 最後の最後までヒヤヒヤさせる稀有な作品
プレイ後の爽快感?
プレイ中の充足感?
それもあるが、何よりゲームの存在感に引き込まれる。
全員が同じものを感じるとは言わない。
だが漏れは感じた。それで十分だと思う。
シナリオは一本モノ。
途中の中途半端なFinはノーカン。
始まったら転がり切るまで、それがこの作品。
最後の最後でメタルギアばりの引きをかましてくる。
そのせいで余計に印象が強烈に残る。
久々にライターの“熱”を感じた。
■ グラフィック評価|CGは多いが、特筆すべき点はなし
CGは24×5くらい。
キャラデザは語るほどのものではない。
良くも悪くも普通。
■ ヴォイス評価|声なし
ボイスは無し。
この作品の方向性を考えると、それもまた一つの形。
■ サウンド評価|耳に残る名曲揃い。使い方も効果的
サウンドはとにかく良い。
耳に残る曲が多く、使い方も効果的。
■ システム評価|基本的で問題なし。セーブ数が物語る“長さ”
基本的なADVシステム。
特に問題なし。
セーブの多さが、この作品の長さを物語っている。
■ 総評|“最後までやれ”。それだけがこの作品の唯一の条件
テキスト量が物凄い。
もうそれだけ。
……と言いたいところだが、実際はそれだけ“感じる”という意味。
やってもやっても終わらない。
終われない。
途中泣きそうになりながらプレイした。
矛盾しているようだが、これは最後までプレイした人にしかわからない。
どこまで続くのか。
その問い自体が“解”なのだ。
浅いようで深い。
すべての謎が解け、真の道が見え、そして──
「えーーそれなのかよ」と叫ぶことになる。
ヤキモキしながら進む。
だが、やればわかる。
最後まで。
途中で感想を言うのはナンセンス。
一本モノのシナリオなのだから。
好きなキャラは秋月(ヒロイン)。
総合すると85点。
なかなかやりおるわ、グラビトン……。