【レビュー】そらふね|FT・SFの“不遇さ”を象徴する惜しい作品。設定の広さに対して消化不足が目立つ

【レビュー】そらふね|FT・SFの“不遇さ”を象徴する惜しい作品。設定の広さに対して消化不足が目立つ

■ 短評|相変わらず報われないFT・SFジャンル

相変わらず、不遇なFT・SFジャンル。
今回もまた報われなかった。


■ シナリオ評価|設定は広いのに活かしきれず。異界も宇宙も“触れただけ”で終わる惜しさ

物語として、ファンタジーを体現できていたのか否か。
そこがまず疑問。

「魔法」の出番はあったのか?
エフェクトもないし、地下迷宮は虫が作ったのか?
「リクツも知らない諸々の事象」はゲートだけ?
「青臭い冒険ごっこ」は一度きり?
夢って結局なんだったの?
宇宙的真実って何?

せっかくの異界フィールドを探検せずに終わるのが悲しい。
宇宙要素が本当に必要だったのかも疑問。

● 大筋は勝ち取って終わるが、物足りなさは大きい

大筋のルートは勝ち取って終わる形式で、なんとか完結はしている。
だが物足りなさは大きい。
メーカーの趣旨もいまいち掴みきれない。

● 設定を活かすには“膨大なシナリオ量”が必要だった

この設定を本気で活かすなら、
・指輪の力でダークサイド堕ち
・万民院占拠
・三匹の古龍に乗って異界旅行
くらいの展開が必要だったはず。

原作(元ネタ)を考えるとツッコミが追いつかない。


■ グラフィック評価|EDは良いが、演出面の不安定さが惜しい

OPは普通、EDはなかなか良い。

ただしパッチを当てないと背景が真っ暗、立ち絵の服装が安定しないなど不具合が多い。
1.2にしても不合理な部分が残っており、演出面は残念。

Hシーンは2〜3回。
キャラデザは味があるが癖も強め。


■ ヴォイス評価|味のあるキャスティング。まきいづみのアシモフは新鮮

キャストは味があって良い。
まきいづみのアシモフは慣れない感じが逆に良かった。


■ サウンド評価|青葉りんご様に歌わせれば良かったのに…

「また青葉りんご様に歌わせればいいのに」と思うゲームが登場。
音楽面は悪くないが、そこだけ惜しい。


■ システム評価|バックログにボイス再生なし。パッチ必須の不安定仕様

基本的システムだが、バックログのボイス再生がないのは痛い。

パッチは1.2まで出ており、当てないとクリア不可。
しかも1.1 → 1.2 の段階式で面倒。

おまけのアフターシナリオが「誰か一人クリアすれば見れる」のも微妙。

難易度:易
攻略時間:10時間


■ 総評|詰め込みすぎて消化不良。設定は面白いのに“活かしきれなかった”惜しい作品

幼心の君が出てきたので「龍は必須だよね?」と思ったら、
意外にも物語の根幹部分だった。
ただしウロボロスではない。そこは重要ではなかったらしい。

ベースは「終わらない物語」と「指輪物語」だろうか。
詰め込みすぎて消化しきれていないし、クロウリも出てこない。

欲張る気持ちは嬉しいが、完成度をもっと高めてほしかった。

名前ネタは良い。
ロボでリルルなら鉄人兵団一択。
そこは嬉しかった。

どうせならルート全体で名前ネタを活かし、
冒険心で彩ればもっと面白い作品になったはず。
考えるほどもったいない。

作品の完成度と物語の展開を合わせて65点(クラスB)

【レビュー】空色の風琴|高クオリティで丁寧に作られた一本道ファンタジー。音楽の力が光る癒し系作品

【レビュー】空色の風琴|高クオリティで丁寧に作られた一本道ファンタジー。音楽の力が光る癒し系作品

■ シナリオ評価|延期の末に完成した“丁寧な一本道”。純文学から異世界POPへ転調する構成

彼女との年の差は1オクターブ(7つ)。
ルータスブランド発進の意欲作で、癒しをテーマにした作品。

延期につぐ延期、発売中止の噂まで流れたが、
それでも発売にこぎつけたクリエーターの心意気を感じる。
「ひとつ延期はクオリティのためー」と涙を流しながら働く姿が浮かぶようだ。

実際、全体的に非常に高いクオリティで、仕上がりはほぼ完璧。
プレイ時間は約9時間。

● 純文学的な導入 → 異世界POPなエロゲ展開へ

序盤は純文学的な雰囲気だが、異世界に入ってからはPOPでエロゲライク。
センスがあり、引き込む魅力がある。

● 重要:完全一本道シナリオ(うたわれ系)

シナリオは一本道
分岐はあるが攻略は簡単で、ほぼ意味を持たない。
一周で全CGが埋まる。

チャプター区切り全23章。
話は繋がっているが、アニメのように一話一話が独立して意味を持つタイプではない。
落ち着いて読める構成。

● 中世ヨーロッパ風の舞台と“空と海”の強調

対象キャラと順に関係を深め、最後に落ち着く流れ。
舞台は中世ヨーロッパ風で、空と海が強調される。

設定はしっかりしており、謎らしい謎はない。
ただし、大円談が味気ない点と後日談がない点は惜しい。

キャラは個性派揃いで文句なし。
全体として「よく作られている」という印象で、ライターのセンスを感じる。


■ グラフィック評価|ハイクオリティで隙なし。OPムービーは特に素晴らしい

グラフィックは文句なしのハイクオリティ。
キャラデザ、CG、背景すべて抜かりがない。

HCGは枚数・効果ともにやや控えめだが、
力の入れどころがそこではない作品なので問題なし。

OPムービーは素晴らしい出来。


■ ヴォイス評価|声なし。ルフィーユの「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!」が聴きたかった…

声なし。
今年の良作はなぜか声なしが多い気がする。

声があればもっと良い作品になったはず。
ルフィーユの「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!」が聴きたかった。まじで。


■ サウンド評価|音楽が作品の核。オルガンを中心に世界観を完璧に表現

本作最大のポイントは音楽
タイトルに“風琴(オルガン)”と付く通り、音楽面に相当力が入っている。

聴けばわかる力作揃いで、OP曲も世界観をよく表現。
BGMも素晴らしい出来。


■ システム評価|標準的だが快適。セーブ不要でクリア可能

標準的なADVシステム。
一度もセーブしなくてもクリアできるレベルで快適。

選択肢中にロードできないのは少し戸惑うが、
クイックセーブとオートセーブがあるので問題なし。


■ 総評|音楽は癒し、シナリオは丁寧。最後の尺だけ惜しいが、全体として非常に良作

音楽面での癒しは確かに強い。
ただ、シナリオで“癒し”を感じるかは人によるだろう。

とはいえ、ゲーム全体の完成度は高く、
劇中歌やBGMが場面を強く盛り上げる。
佐藤裕美の参加も大きい。

キャラは脇役までしっかりしており、
マスコットキャラ、ギャグ担当、シリアス担当の住み分けも完璧。
要所では枠を超えて参加してくるのも“燃え”ポイント。

遊び心も随所にあり、困った男=八頭身など細かいネタも楽しい。
死角なしと言っていい。

ただし、エンディングに向かう話はもう少し尺が欲しかった。
ここに納得できるかどうかで評価が分かれそう。

好きなキャラはルフィーユ&ステラ
ステラの謎は22章で暴露され、なるほどと得心。

総合すると80点
声がつけばもっと上。
こういう作品は好きだし、挑戦者だと思う。

簡単に言うと、(・∀・)イイ!!作品でしたw

【レビュー】スマガ スペシャル|おバカもエロも泣きも全部増量。完璧ハッピーエンド後にまだ解を提示できる奇跡のFD

【レビュー】スマガ スペシャル|おバカもエロも泣きも全部増量。完璧ハッピーエンド後にまだ解を提示できる奇跡のFD

■ 短評|終了ボイス1032種類&劇中ムービーにOPの4倍予算。気合いが違う

終了ボイスは1032種類
劇中ムービーはOPの4倍の予算。
この時点で「やる気しかねぇなNitro+」と確信した。


■ シナリオ評価|「おバカでエロだが泣ける」×「ハッピーエンドなんていらない」

発売前、このキャッチにビクビクしていた狂信的ハッピーエンド儲の漏れ。
だがプレイ後はこう思った。

「確かにこれなら、ハッピーエンドなんて糞くらえだな!」

Perfect Loop の歌詞が刺さる。
根本的な部分は非常にわかりやすい“解”が用意されているので注目。

● これぞスマガ!おバカもエロもパワーアップ

おバカ要素はさらに強化。
エロはハーレム追加で幸せ度アップ。
アリデット様も健在で、相変わらず美味しい場面で登場して締めてくれる。

前作キャラのフォローも丁寧で、新キャラのデネブ&カペラも世界観に自然に溶け込む。
「こーでもいいんじゃね?」と思わせるキャラ造形で、安心感すらあった。

久しぶりに腹から笑わせてくれるゲームだった。
ほんとNitro+バカだなw


■ グラフィック評価|OP良し、劇中のオヅボット合体は無駄に気合い入りすぎ

OPはやっぱり良い。
劇中のオヅボット合体シーンは無駄に力が入っていて笑える。

沖が偏愛されていて笑った。
偽乳特捜隊はバカすぎて最高。

CG:75枚
Hシーン:10回
平均的なFDボリューム。


■ ヴォイス評価|ピカリンが強すぎて他が霞む。ゆいにゃん頑張ってるのに…

ピカリンが最高すぎる。
ゆいにゃんもめちゃくちゃ頑張ってるのに霞むレベル。

これだけで大分補給できた。
これで我が軍はあと一年は戦える。


■ サウンド評価|Perfect Loop が世界観にドンピシャ。新曲4曲+大槻ケンヂ

OP「Perfect Loop」が世界観にぴったりの名曲。
新曲は4曲、大槻さんも参加している。

BGMも良い。


■ システム評価|TRIVIA No.70が地獄。パッチ1.01必須

基本的システム。
パッチ ver1.01 がリリース済み。

エクストラにはリベンジムービー含むムービーが格納されていて楽しい。

● TRIVIA No.70が埋まらない問題

TRIVIA memory No.70 が埋まらず、消化率99%。
CG1枚足りない。

8時間で99%まで行ったが、そこから2時間ループ。
キャラTRIVIAはコンプ表示。
つんでんじゃね?

……と思ったら、
No.70は回収できる選択肢が一箇所しかない。
一度見逃すと取れない。
結局二周した。ヒントは「ゾディアック殲滅作戦」。

攻略時間:9時間
難易度:普通(パッチ当ててから)

100%後、メニュー戻りでコングラ絵→CG100%。
その後のエクストラムービーで奇跡の体験が待っている。
虚淵さんもいるよ!

……いや、これ大丈夫なの?w
あといつものライナーノーツも出る。


■ 総評|完璧ハッピーエンド後に“まだ提示できる解”を持つ稀有なFD

型月タイプのFDと言えば伝わるだろうか。
要するに“ああいう作品”。

前作スマガがあれだけ完璧なハッピーエンドを決めた後で、
それでもFDとして提示できる解を持っている作品はめったにない。

ご都合主義だと笑うなら笑え。
それを実行できるアルマゲストの力は偉大。
そして「それがスマガでしょ?」というスタンスに痺れた。

惜しむらくは、
・魔女全員のカオス展開がなかった
・アリデットの出番があと2倍欲しかった
・永久ループ中の日常パートがもう少し欲しかった
このあたり。

いいんだよ下倉バイオ。
おまえは戦わなくていいんだよ〜。

総合すると79点(クラスA)

【レビュー】スマガ STAR MINE GIRL|仙台×ループ×熱量MAX。Nitro+復調を確信させる超大作

【レビュー】スマガ STAR MINE GIRL|仙台×ループ×熱量MAX。Nitro+復調を確信させる超大作

■ 短評|舞台が仙台、それだけでプレイする理由になる

舞台が仙台。
それだけで漏れがプレイする理由になる。
そして声優。前作から続く“わけわからん主人公キャスティング”も健在。

「え、主人公に声あるの?」という疑問はもっとも。
OHPにも載っていないが……たぶんギガぁぁどりるぅぅぅぅぅぅぅぅぅの人
第三種声ゲー認定。


■ シナリオ評価|人生リベンジADVの名にふさわしい、熱量全開のループ物語

本作はループモノ
全9ルートという超大作で、すべてが「SMG」にかかっている構成。

一周目(メイン3人)
SHE MAY GO / SAD MAD GOOD-BYE / SHOOT THE MIRACLE GOAL

二周目(メイン3人やり直し+2)
SARABA MITSU GETSU / SWEET MEMORY GOES ON / SAKURA MAU GAKUEN / SUPER MIND GAME / SEE THE MAGICAL GOLD-STAR

そして最後に
STAR MINE GIRL(true)

最初の3本だけでも相当長い導入魔女ルート。
三人の魔女とうんこマンを巡る物語だったり、そうでなかったり。

● 記憶保持ループの“継続”が物語に深みを与える

うんこマンの特殊能力「記憶保持ループ」で苦難を超えていく明快な話だが、
凄いのは最初の三本がセットで継続する点。

『she may go』で好きになった魔女への気持ちを残したまま次へループ。
ユーザーは切り替えポイントがあるのに、バイオはあえて無視してくる。

その“もどかしさ”がスピカを救いたいうんこマンの気持ちとリンクし、
ユーザーにも共有される仕組みになっている。

● 一度HAPPY ENDが出るのに、そこからが本番

『shoot the miracle goal』まで進むと人生のリベンジが完成し、
「終わったー!良い話だったけど、なんか消化不良」と思うはず。

画面にはHAPPY END。
ここまでなら70点以下だった。

だが、そこからタイトルに戻る
スタートを押すと――

SUPER MIND GAMEのループが熱すぎて語り草になる。


■ グラフィック評価|Nitro+らしい演出と、仙台ロケ地の再現度が神

OPは非常に良い出来(矢印かよ、とは思う)。
EDはさらに良い。文句なし。

キャラデザ良し、演出良し、CG枚数もHシーンも十分。
さすがNitro+。

● 仙台ロケ地の再現が圧巻

TBCから見える広瀬川、八木山のベニーランドと動物園、
広瀬通の地下から超兵器、クリスロードで買い物、
定禅寺通りでの掛け合い、仙台駅でのマグマ襲来、伊達前での別れ――

100万都市・仙台をあますことなく描ききってくれた。
地元民は絶対プレイすべき。感慨深い。

学園の入り口は土樋っぽいが、中は工大っぽい。
この“わかる人にはわかる”感がたまらない。


■ ヴォイス評価|緒方さん復活&ピカリンの破壊力。声優陣が強すぎる

漏れ歓喜。
久しぶりに緒方さんの声が聞けて懐かしさで泣けた。

そしてピカリンが凄すぎる
後半は本気で泣ける。
一色さんの演技幅は業界の宝。

榊原の変態キャラも面白い。
画面から演技の熱が伝わるレベルで、声ヲタきめぇと言われても本懐。

いいぞ、もっとやれNitro+。
大事なことなので二回言う。
いいぞ、もっとやれNitro+。


■ サウンド評価|いとうかなこ+大槻ケンヂの意外性。BGMも良好

OPはいとうかなこで安定の良さ。
大槻氏の起用は予想外だったが、面白い曲に仕上がっている。

BGMも良い。


■ システム評価|既読判定は遅いが、その他は標準的。起動問題はパッチで解決

基本的システム。
超速スキップが早いのか遅いのかわからないのはいつも通り。

既読判定はもっと早くしてほしい。

● 起動問題について

起動できない人が多かった模様。
漏れもOSクリーンインストールで力技で解決。

メーカーからパッチが配布され、
ディスクレス起動になっていた。
そりゃ配布できないわけだ。

起動できない人はサポートへGO。

難易度:易
プレイ時間:26時間(ループ根性が必要)


■ 総評|Nitro+完全復調。下倉バイオが“二本柱”になった瞬間

Nitro+は完全に復調したと思う。
虚淵のヒリヒリ作品とは別ラインで、
こういう作品を作れるのは強い。

スターマイン=連続花火。
連続する事象の中で進行する多元世界。
その一つをTVという枠で切り取り、神の視点に“観られる”物語。

うんこマンが完全無欠のハッピーエンドを目指して四苦八苦する姿は、
とても熱い。

声優も凄い。いや、まじで。

虚淵だけだったNitro+のライター陣に、
下倉バイオという“終わらせる力”を持つライターが加わった
平均点を超え、物語をきちんと完結させるタイプ。

今後のNitro+にも期待したい。

総合すると86点(クラスS)

【レビュー】さかあがりハリケーン|尻切れ気味のラストが惜しいが、個別ルートの完成度は高い安定作

【レビュー】さかあがりハリケーン|尻切れ気味のラストが惜しいが、個別ルートの完成度は高い安定作

■ 短評|普通に“悪くない”。安心して遊べる戯画作品

うん、悪くない。
強烈なインパクトはないが、安心してプレイできるタイプの作品だった。


■ シナリオ評価|個別ルートは良質だが、ラストの尻切れ感が惜しい

長さが足りないというより、ラストの尻切れ感がもったいない。
やることをやり尽くしてからエンドに入る方が気持ちよく終われるのに、
本作はそこが弱く、第一声で「面白かった」と言いづらい。

ただし、全体の流れを見ると個別ルートの出来は良い。
特にゆかりルートとハルルートがベスト。
王道幼馴染と変化球タイプの対比が良い。

ゆかりの“教育”はやや鬱陶しいが、デレ期の破壊力が予想以上で許せる。
ハルは学園モノとして珍しい形で都合を貫き、評価できる。

他ルートも突出した何かはないが、ダレずに読める。

● 主人公の成長描写は意外と丁寧

破天荒タイプの主人公だが、
周囲を考える余裕や成長がしっかり描かれている。
「面白くしなくてはいけない」という思想を維持しつつ、
キャラとしてのバランスは取れていた。

物足りなさとラストの弱さを差し引いても、
悪くない部類に入ると思う。
歯切れが悪くなるのは、かつての戯画の所業が脳裏をよぎるせいだろう。


■ グラフィック評価|ねこにゃん原画の安定感。ファミレス衣装はまさかの“アンミラ”

原画はねこにゃん。
戯画の二枚看板だけあって安定している。
むしろ「ねこにゃんマイン」を見てみたかったくらい。

劇中のファミレス風景では、
喫茶モノを作り続けてきた戯画なら凝った衣装を期待したが……
ペロッ……これは……アンミラ
どうでもいいが妙に印象に残った。

OPは戯画にしては大人しめで、背景含め無難にまとまっている。


■ ヴォイス評価|風音様の安定感。金髪ツインはややミスマッチ

第一種声ゲーだが、キャスト名だけでは分かりづらい罠。
とはいえ風音様の安定感は抜群。
痛いキャラでも二面性を任せられる安心感がある。

伊野美由紀さんの金髪ツインは新鮮だったが、
やや合っていない気もした。


■ サウンド評価|特筆なし

OP・ED含め、特に語ることはない。


■ システム評価|戯画エンジンの使いやすさは相変わらず神

基本的なADVシステム。
戯画エンジンは本当に使いやすく、毎回癒される。
快適性は文句なし。

難易度は易、攻略時間は約12時間。


■ 総評|気になる点はあるが、安心して楽しめる“いつもの戯画”

気になる部分はあるが、
全体としては安心してプレイできる作品だった。

ラストの詰めが甘い点は惜しいが、
小規模ながら学園ドタバタの面白さはしっかり取り込んでいる。

ハル編をもっと深掘りできていれば、
一歩先の作品になれた可能性はある。
ただ、ご都合主義が逆に作品をスッキリさせている面もある。

メーカーの余力と作品規模のバランスを考え、
無理のない範囲で作り続けてほしいと切実に思う。

総合すると72点(クラスB)

【レビュー】神聖にして侵すべからず|10周年にふさわしい“王国の系譜”を継ぐ一作。希ルートの狂気が光る

【レビュー】神聖にして侵すべからず|10周年にふさわしい“王国の系譜”を継ぐ一作。希ルートの狂気が光る

■ 短評|10th Anniversary の看板に恥じない完成度

10周年記念作として十分な出来。
内部でクリエイターの異動はあったものの、
PULLTOPらしさは色褪せていない。


■ シナリオ評価|4ルート構成。アフター分離の意図は謎だが、品質は安定

ヒロインは4人。
ボリューム面の不安はあるが、作品の質に影響はない。
クリア後には各ヒロインのアフターが解放される。

ただしアフターを分ける意味は正直不明
一度リセットして仕切り直したかったのだろうか。
最近ありがちな「アフターにH追加」もなく、まったり終わる。
どのアフターもヒロインが幸せそうで微笑ましい。

● ヒロイン選抜の理由が最後に理解できる構成

プレイ中は「なぜこの4人?」と思っていた。
特に操は他3人に比べて設定面で明らかに弱い。
三番手で攻略しても印象は薄いままだった。

しかし終わってみれば、
丸谷が好きそうな“いらん子ヒロイン”としてエンディングの締まりが良い
王国の流れとして必要だったのだと納得した。

瑠波はメイン中のメインで、優遇はいつも通り。
メインディッシュ扱いで良かったと思う。

● 問題の希ルート:狂気と感嘆が同居する異色シナリオ

希ルートはイカれていた
投げたのかと思いきや、どうやら本気で作ったらしい。

特筆すべきはエンディング。
虫好き設定のヒロインが、
家で飼っていたアシダカさん(蜘蛛)との別れを
情感たっぷりに描くという前代未聞の展開。

虫はしゃべらない。
希との仲の良さは作中で語られているが、
最後の最後で虫との別れを描くエロゲを見て、
なんとも言えない気持ちになった。


■ グラフィック評価|仁之丞がメイン投入。系譜は守られたが今後が気になる

OPムービーは海面→空→鳥という構図。
エロゲーマーなら「あぁ…」となる出だしだが、そこからは続かない。

キャラデザは仁之丞。
ゆのはな、かにしののサブからメインへ昇格。
系譜は守られているが、今後どうするのか気になる。

Hシーンは各キャラ2回。
キャラ特性から“使用に耐える”タイプではないと思ったが、
丸谷節が効いており、結果的にはいつものPULLTOP。


■ ヴォイス評価|特筆は少ないが、ゆかりキャラは安定の良さ

声優の面白みはあまり感じなかったが、
サブとヒロインのキャストを入れ替えれば
“いつもの形”になるのだろう。

ゆかりキャラは相変わらず良い。
だいちゅうは個人的に苦手だが、やはり上手い。


■ サウンド評価|EDの荘厳さが光る

OPよりもEDが印象的。
荘厳で、作品を締める良いエンディングテーマだった。


■ システム評価|選択肢が久々に“頭を使うタイプ”

基本的なADVシステム。
だが選択肢が珍しく頭を捻るタイプで面白い。

近年は選択肢が形骸化し、
「ヒロインを選ぶだけ」のものが多いが、
本作はフラグ確定・保留・追加選択肢で決定など
最近見ない構造になっている。

ルート順は瑠波を最後に回すと綺麗に落ちる。
攻略時間は14時間、難易度は易。

初回ロットには2011/11/30までの全プレ応募権利あり。


■ 総評|“王国”の系譜を継ぐ作品。丸谷のメッセージを感じる

かにしのから5年。
そろそろ健速の呪縛から解放されたのではと思う。
あの作品は健速が暴れ回った結果の名作で、
ある意味ノーカンだ。

10周年の中でも本作を重視するユーザーは多く、
その人気の高さもうなずける。

SEVEN WONDERへ分かれた丸谷が
今後もPULLTOPで書き続けるかは不明だが、
「こういう作品を作り続ける」というメッセージは確かに受け取った。

―――王国は確かにここにある。
総合すると75点(クラスA)

【レビュー】SIN 黒朱鷺色の少女|低価格・一本道ゆえの物足りなさはあるが、ワイド高画質の未来を感じる一作

【レビュー】SIN 黒朱鷺色の少女|低価格・一本道ゆえの物足りなさはあるが、ワイド高画質の未来を感じる一作

■ 短評|内容は薄めだが、ワイド高画質の存在感は強い

一本道で低価格ゆえの物足りなさは否めない。
それでも“楽しめない”わけではなく、
何より高画質&ワイド画面が「これから」を感じさせる作品だった。


■ シナリオ評価|魔王×シモベの関係性はキャッチーだが、平凡さが目立つ

シナリオは非常に無難。
主人公とヒロインは「魔王とシモベ」という関係で、
二人で協力しながら敵を退けていく構図はキャッチーではある。

日常パートでドタバタしつつ、罵倒されながらも絆が深まる。
このあたりの掴みは悪くない。
虚無を操るピンク髪の某キャラが脳裏をよぎったりもする。

街に封印された宝具を巡り、
奪ったり奪われたりしながら神を滅ぼす――
そんなファンタジー寄りのストーリー。

● 期待した“ダークサイド”が弱い

非日常ストーリーではあるが、
平々凡々すぎる
メビウス作品ならもっとダークに振ってくると思ったのに、
手下キャラの“いじりがいのあるシーン”も皆無。

もう少し棘があれば、もっと面白くなったはず。


■ グラフィック評価|飛鳥ぴょん久々の登場。だがロリ魔王一択は損している

飛鳥ぴょんの絵を久々に見た気がする。
ただしルートは1つのみ、Hシーンは魔王ヒロインのみ。
しかもロリ体型

異界の魔王なら勝気なお姉さんでも良かったのでは?
設定考えた人、出てきてほしい。

ワイド画面で最も映えたのはラストバトルの一枚絵。
Fateのような構図でぶつかり合うシーンは迫力があり、
ワイドの恩恵を感じられた。


■ ヴォイス評価|久々にカンザキを聞いた程度

特筆するほどではないが、
「久しぶりにカンザキ聞いたなぁ」という感想。


■ サウンド評価|特になし

音楽面で語ることは特にない。


■ システム評価|高画質&ワイドは良いが、カットインが致命的に重い

基本的なADVシステム。
高画質化されたワイド画面は良い。
フルスクリーン設定も細かく調整できる。

ただしカットインアニメが致命的に重い
発動から平均5秒待たされるレベルでストレスが大きい。
(HD4850でこれなら、他環境でも厳しそう)

選択肢は死亡フラグ程度で、一本道100%コンプ可能。
難易度は易、攻略時間は約14時間。


■ 総評|無難すぎるが、価格を考えれば“こんなもの”か

作品自体は悪くないが、
メーカーとして「もっとはっちゃけてほしかった」というのが正直なところ。

純愛でもないし、尖った作品に振り切るチャンスはあったはず。
低価格帯なのだから、むしろ尖ってほしかった。

とはいえ、“無難にまとめる”のも難しい。
これはこれでアリなのかもしれない。
……が、ヒロインの見た目はもっと攻めてほしかった

全体的には予想の範囲内。
総合すると69点(クラスB)

【レビュー】SilveryWhite ~君と出逢った理由~|壮大な輪廻転生ロマンを掲げつつ“説明不足”で失速した惜しい作品

【レビュー】SilveryWhite ~君と出逢った理由~|壮大な輪廻転生ロマンを掲げつつ“説明不足”で失速した惜しい作品

■ 短評|壮大なテーマに対して描写が追いつかない惜しさ

「1万年と二千年前から愛してる~♪」
……頭の中でアクエリオンが流れ始めた時点で、嫌な予感がした。


■ シナリオ評価|アトランティス×輪廻転生の設定は魅力だが、とにかく説明不足

本作は輪廻転生モノ。
物語の起点は“失われた大地アトランティス”。
現代に転生した英雄たちの魂が再び集い、運命に巻き込まれていく――という壮大な設定だ。

キャラ自体は魅力的に描けている。
しかし説明不足・描写不足・時系列の飛び方の荒さが重なり、理解に体力を使う構成になっている。

日常シーンが突然スキップされたり、
「ここ削る必要あった?」という箇所が散見される。
設定の引き込み力はあるのに、描写力が追いつかず違和感が残る。

● 恋愛パートは標準的だが、全体の混線が足を引っ張る

恋愛部分は“普通”。
だが、輪廻設定・キャラの思惑・世界観が複雑に絡み合い、
結果として変な方向にねじれてしまっている

● 広げた風呂敷を畳みきれない構成

「どうすれば良かったのか」と問われると難しいが、
強いて言えば広げた設定をちゃんと回収してほしかった

● ネタバレ:設定の統一不足と“英雄戦争”の既視感

リセット役の「先生」の人称がコロコロ変わるのは見苦しい。
統一してほしかった。

さらに、独自設定と言いつつ
「これ英雄戦争(ロードス島戦記)じゃね?」
と感じる部分もある。

アトランティス沈没、現代で悪役復活、魂が響いて力が戻る、倒して終わり。
……で、他県で起きていた事件は?
その他の伏線は?
説明されないまま終わる。

ネタ被り云々ではなく、
「その設定でどう楽しませたかったのか」を問いたい。


■ グラフィック評価|村上水軍の塗りが圧倒的。背景とのギャップが惜しい

OP・EDあり。OPはまずまず良い。

キャラデザは村上水軍。
塗りが神がかっている。
キャラはとんでもなく可愛い。

ただし背景とのギャップが気になる場面もある。
ライターは水軍に謝るべきレベルでキャラが良い。


■ ヴォイス評価|実力派揃い。まきいづみの演技が光る

声優陣は実力者ばかり。
特にまきいづみの演技は素晴らしい。

キャスト面は文句なし。


■ サウンド評価|榊原ゆいのOPが強い。BGMも悪くない

OPは榊原ゆい。
この手の曲調の榊原はやはり強い。
良い曲だと思う。

BGMもそれなりに頑張っている。


■ システム評価|基本的だが、後日談の扱いが不自然

基本的なADVシステム。
ENDは全10個。

不満なのは、ED後の後日談や追加Hシーンを
「選択肢で保管」する形式になっていること。

ストーリーに自然に組み込めば良かったのでは?
分岐の構造が歪んでいるせいかもしれないが、
どうにも不自然に感じる。


■ 総評|壮大なテーマと雰囲気は良いのに、構成の甘さが惜しい

OHPの売り文句は壮大で、
「壮大で切なく狂おしい物語」と期待を煽る。
だが実際は空回りしている印象が強い。

輪廻転生モノは“前世の因縁”がつきものだが、
「なぜ惹かれ合うのか」
「前世関係なく今の相手が好きと言える理由」
その描写が弱い。

説明しすぎると硬くなるし、
説明しなさすぎると伝わらない。
このジャンルの難しさがそのまま出てしまっている。

とはいえ、作品全体に漂う“面白そうな雰囲気”は確かにあった。
対象キャラを絞っていれば、もっとまとまった物語になったはず。

村上水軍の塗りは神。
総合すると65点(クラスB)

【レビュー】SHUFFLE|魅力的なキャラデザに期待したら“薄味シナリオ”だった。惜しさが残る一本

【レビュー】SHUFFLE|魅力的なキャラデザに期待したら“薄味シナリオ”だった。惜しさが残る一本

■ シナリオ評価|キャラデザの良さに対して内容が追いつかない惜しい構成

Navelレーベル第一弾ということで期待していたのだが、
個人的には「うーん……?」という感想が先に来てしまった。

全体的に“それなり”には楽しめるものの、
あのキャラデザインでこのシナリオ量・内容は正直物足りない。
エロも控えめで、満足度としては中途半端。

作品全体がポップで軽い雰囲気なのに、
それに比例するようにボリュームも軽い
尺が短く、シナリオとしての厚みは感じにくい。

● 期待値を上げた公式の雰囲気に対して内容が追いつかない

公式サイトの雰囲気から「これは期待できる」と思っていたが、
その期待が裏目に出た形。
奇跡・魔法・神族・魔族といったワードは魅力的なのに、
活かしきれていない印象が強い。

● 世界観は面白いのに“薄い”ため感情移入しづらい

設定自体は悪くないが、
描写が足りず感情移入が難しい
世界観のポテンシャルはあるのに、
そこに踏み込む前に終わってしまう感じ。

「あと一歩あれば名作になれたのに」という惜しさが残る。


■ グラフィック評価|文句なしのAランク。キャラも背景も高水準

グラフィックは非常に良い。
キャラデザも背景も安定しており、
OPムービーは爽快感があって特に好印象

ビジュアル面は胸を張って褒められるレベル。


■ ヴォイス評価|安定したキャスティングで聴き心地が良い

声優陣は聞き覚えのある実力派が揃っており、
キャスティングは安定している。

声に関しては不満なし。
作品の雰囲気にも合っている。


■ サウンド評価|OP・EDは良好。BGMも丁寧に作られている

OP・EDともに良い出来で、
BGMも作品の雰囲気に合っている。
音楽面はしっかり作り込まれている印象。


■ システム評価|右クリック非対応が地味にストレス

基本的なADVシステムだが、
右クリックでメニューが開かないのは個人的に不満。
画面内のシステムバーもやや使いづらい。

とはいえ必要な機能は揃っており、
最低限の快適さは確保されている。


■ 総評|惜しさが目立つが、ビジュアル面は強い。玄人には勧めにくい

シナリオの薄さが全体の評価を大きく下げてしまっている。
内容が浅いため感情移入しづらく、
「もっと掘り下げてほしい」という気持ちが残る。

ただし、グラフィックやサウンドなど
ビジュアル・演出面は非常に良いため、
そこに魅力を感じる人なら楽しめるはず。

お気に入りはプリムラ(シナリオはそこそこ)とネリネ(絵が良い)。
総合すると65点といったところ。

【レビュー】思春期|“初恋”を期待したら妹ゲーだった。甘酸っぱさゼロの方向転換<

【レビュー】思春期|“初恋”を期待したら妹ゲーだった。甘酸っぱさゼロの方向転換

■ シナリオ評価|期待していた“初恋”はどこへ。ノリは完全にオバフロ系

思春期っていつ頃なんだろう。中学?高校?
見方によってはとんでもない炉ゲーに見える作品。

自分としては「初恋」っぽい甘酸っぱい話を期待していたのだが、
見事に裏切られた。

どこからどう見てもノリも設定もオバフロのあのゲーム
「え〜なにこれ」状態。
物凄い妹ゲーじゃん。求めてねーしw

話数形式で14〜15話完結。
この中途半端さも気になる。12話か13話で良かったのでは。

● 設定の無理と“語られない部分”の多さ

設定に無理があるが、そこを考え始めるとプレイできなくなるのでスルー。
問題は語られない設定が多すぎて進行が不明瞭なこと。

ヒロインの“暗い部分”を癒す形式だが、描写として何かが足りない。
何が足りないのかは言語化しづらいが、確実に足りない。

● 倫理的な壁を越えないために“内内の話”で完結してしまう

ヒロインの特性は悪くないが、倫理的な壁があるためか、
物語が内輪で完結してしまい、外の視点がほぼない。
その閉じた構造が“足りなさ”の原因かもしれない。

二人のヒロインは田舎のしきたりなどでバックボーンがしっかりしており、
ありがちながらも話は成立している。
他は……うん……。


■ グラフィック評価|アップの作画は綺麗。テーマ通りの“炉”キャラデザ

グラフィックは良い。
キャラのアップは特に綺麗で、他のシーンが劣って見えるほど。

キャラデザは“思春期”というテーマ通り、炉寄り。


■ ヴォイス評価|ナイスキャスティング。ここだけは手放しで褒められる

キャスティングは文句なし。
唯一、手放しで褒められる部分。

もっとキャストを活かしてほしかった。


■ サウンド評価|特筆なし

音楽面で語ることは特にない。


■ システム評価|5話まで共通、その後分岐

基本的なADVシステム。
5話までが共通ルートで、その後分岐。


■ 総評|甘酸っぱい“思春期”を期待したら、いきなり大人でエロいヒロイン達だった

もっと“思春期らしい甘酸っぱさ”を期待していたが、
どのヒロインもいきなりエロい。
それはそれで需要はあるのだろうが、
それなら最初から別の目的で別の作品を買う。

そして考え方が妙に大人。
そのギャップがなんだかなぁ……という気分。

まさかこっちの方向に転ぶとは思わなかった。

■ 62点(クラスA)